【社会福祉学部】春季セミナー~滋賀県長浜市黒壁スクエアをまちあるき~

4月13、14日、社会福祉学部春季セミナーが開催され、4つの専修に所属する1年生を対象に1泊2日の研修合宿が滋賀県長浜市で行われました。
社会福祉学部春季セミナーは、これから4年間学ぶ学生同士、そして学生と教職員との親睦を図ることを大きな目的としています。また1日目には、卒業生による講義を通じて卒業後に社会で活躍するイメージを伝えるとともに、それに向けて社会福祉学部での学びや学生生活などについて考えます。そして、2日目には、宿泊地周辺のフィールドワークを通じて地域に関わる学習(ふくし・コミュニティプログラム)が行われます。

黒漆喰が塗られた建物が立ち並ぶ黒壁スクエア


社会福祉士、精神保健福祉士の合格を願う教職員一同


今年は、滋賀県長浜市の黒壁スクエアをフィールドワークを行いました。黒壁スクエアは、滋賀県長浜市旧市街にある、伝統的建造物群を生かした観光スポットで、まちづくりの成功例として全国から視察を受け入れています。伝統的建築の取り壊しの問題に直面して、地域住民・企業と長浜市が共同で第三セクター方式で株式会社黒壁を立ち上げました。そして、黒漆喰で塗られた伝統的な建物を保存して、観光を通じた地域の活性化に取り組んできました。現在ではガラス工房などの多くのテナントが入っています。

学生たちは、ゼミごとに分かれて町並みを見て回りました。また、まちづくりに携わってきた住民の話を聞き、まちづくりに対する住民の思いに触れることで地域に関する学習についての関心を深めました。
 
 
春季セミナー実行委員のある教員は、「長い時間を共にしたことで、親睦という点では、ともても充実した2日間になった。これから大学生として切磋琢磨して学び深めていってもらいたい」とふりかえりました。

【公務員育成チャレンジプロジェクト+(プラス)】美浜町の地域資源を活かした商品開発にチャレンジ

4月27日(木)、「公務員育成チャレンジプロジェクト+」の活動が行われ、連携する美浜町産業課職員の高橋理紗(本学国際福祉開発学部卒業)さんが美浜キャンパスを訪れ、参加する学生との打ち合わせが行われました。
社会福祉学部行政専修では、同専修の1年生を対象とした「公務員育成チャレンジプロジェクト」を2018年5月に立ち上げ、愛知県・東海市・美浜町の行政担当者から提示された課題に対して、学生たちが半年間に渡って検討重ねてきました。担当者を学内に招き、課題への提言(報告会)を開催したところ、美浜町をテーマに提言された1つの企画に対して、美浜町から具体的なオファーが届き、「公務員育成チャレンジプロジェクト+(プラス)」として発展的に継続されることが決まりました。同プロジェクトは、美浜町の特産品を用いて、自治体職員と連携し、約10ヵ月をかけて商品開発をすることを目的としています。

この日は、美浜町の高橋さんから、予算の使い方についての説明があった後、4つのグループに分かれて商品開発にむけた企画会議が行われました。現在、4つのグループごとに美浜町の特産を活かした商品開発がすすめられています。
①美浜町の水産資源であるツメタガイを用いた海鮮キムチ
②美浜町の温室ミカンを活かしたみかん塩
③同じくミカンを使ったみかんサイダー
④美浜町が売り出す恋美豚(こいびとん)を使ったコロッケ
学生たちは、思い思いのアイディアを出し合って、商品化に向けて活発な議論を展開していました。秋に行われる産業まつりにむけて商品化できるようにどのグループも熱がこもっていました。
参加する社会福祉学部行政専修の学生からは、「すこしずつ目に見えないものがカタチになってきた。(美浜町の)高橋さんから、どこにいけば素材が手に入るかを教えてもらったので次回までに足をはこんでみたい」と、意気込みを聞くことができました。

連携する美浜町の高橋さんからは、「だんだんと企画が具体的になってきて、商品化の実現性が高まってきている。」と、フィードバックがありました。担当する末盛慶社会福祉学部准教授からは、「これから商品化に向けてどんどん取組を加速させていく必要がある。そのためには、グループごとで自主的に集まり、その内容を報告してほしい。是非、学生のアイディアを活かして”とがった商品”を実現させ美浜町に活性化に一役買ってほしい。」とアドバイスがありました。このプロジェクトには、学生の自主的な活動を多面的に支援する環境も整えられていて、”チャレンジ”の名にふさわしい取り組みになっていました。
5月30日には、学内で試作会が予定されています。それまでに各グループでどんな商品企画が行われるのか、とても楽しみです。
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【スポーツ科学部】春季セミナーで4年間学ぶ美浜町を巡る


5月9日(木)、スポーツ科学部春季セミナーが開催されました。スポーツ科学部は、創設3年目となり、今年度新たに3期生194名を迎えました。
日本福祉大学では、すべての学部の1年生科目において地域と関わる学び”ふくしコミュニティプログラム”を展開おり、スポーツ科学部の春季セミナーは、ふくしコミュニティプログラムの一環として取り組まれています。
はじめに藤田学部長からは、春季セミナーに取り組む上で、3つの目標が伝えられました。
①ゼミやゼミの垣根を越えて交流して、4年間共に学ぶ仲間をつくる。
②4年間学ぶこの地域、美浜町のことを知る。
③ルールを守る。
そして、「今回は特に、ルールを守るということを身につけてもらいたい。交通ルールをしっかり守って交通安全に気を付けてください」と学生を送りだしました。

SARUTOを元気よく出発する学生たち


学生は、26グループに分かれ、グループごとに設定された約8kmのコースを歩き、その間に設けられた2つの地域資源である寺社や美術館、宿泊施設などを巡り、共通のゴールである南知多ビーチランドを目指して、スポーツ科学部棟SARUTOを出発しました。

学生たちは、普段なかなか歩くことない美浜町内をめぐる中で町の様子を全身を使って感じていたようです。焼杉板の町並みをぬけて浜辺にで伊勢湾に沿って目的地を目指していました。途中、行き交う住民の方に元気よく挨拶をしている姿が印象的でした。

ゴールである南知多ビーチランドに到着するころには、グループの結束も深まっていたようです。この後、学生と教職員全員でBBQを楽しみ、ゼミごとに準備してきた出し物で、ゼミの垣根を越えた交流が行われました。
日本福祉大学スポーツ科学部では、「スポーツを360°科学する」をコンセプトに、「すべての人々に、スポーツの楽しさと喜びを提供する人材を育成」しています。おそろいの緑のTシャツの後ろには「挑」という文字が刻まれています。仲間とともに大学で学ぶ4年間を通して、美浜キャンパスを拠点にたくさんのことにチャレンジをしていってもらいたいと思いました。

【公務員育成】チャレンジプロジェクトがスタート


日本福祉大学では、2018年5月より、公務員を目ざす社会福祉学部行政専修の1年生を対象に、自治体が抱える課題に対して解決策を提言する「公務員育成チャレンジプロジェクト」を始めました。
本年度も取組が継続されることになり、2019年度入学の1年生を対象に2年目のチャレンジプロジェクトのオリエンテーションが行われ、62名の学生が参加しました。

はじめに、このプロジェクトを主導する末盛慶社会福祉学部准教授より、目的とねらいが話されました。このプロジェクトは、正課外の取組で1年次の早い段階から公務員の具体的な仕事内容ややりがいを掴んでもらうことを目的に、愛知県、東海市、美浜町の3つの自治体に協力していただき、自治体が今まさに困っている課題に対して学生が考え、解決策を提言する試みです。
正課外の企画に参加することで幅広い経験と学びにつながると、そのねらいについて学生時代の経験を踏まえて伝えられました。そして、誰かに必要とされながら、頑張っていく経験が、みんなの背中をそっと押していくと説明されました。
「このプロジェクトは、敷かれたレールの上を歩くのではなく、たくさんの人が関わることで成り立っているので、私たち教員にとってもいったい何が生まれるのかがわからない。まさに白紙の取り組み。だから学生のみんなが主人公となって、みんなのアイディアや取組によって白紙にいろいろな絵を描いてほしい」とメッセージが伝えられました。

最後に、このプロジェクトに関わる角崎洋平准教授と久保隆志助教からそれぞれの行政機関の役割や予算規模の違いについての説明があり、学生たちは、愛知県、東海市、美浜町のどの自治体の課題に関わりたいか、グループ分けのための希望調査に回答しました。
参加した学生からは、「たくさんの公務員の方が関わりこういった機会があるので有意義な時間をすごせるようにがんばって取り組んでいきたい」と意気込みが聞かれました。
次回は、5月30日に活動が予定されています。
 

ふくし・マイスター648名、ふくし・マイスタープラス15名を認定!


日本福祉大学では、平成27年度より文部科学省「地(知)の拠点整備(大学COC)事業」の採択を受けて、「持続可能な『ふくし社会』を担う『ふくし・マイスター』の養成」のプログラムに取り組んできました。
学位記授与式で、「ふくし・マイスター」の認定証が648名の学生に、また、「ふくし・マイスター+」の認定証が15名の学生に手渡されました。

「ふくし・マイスターになろう!」


「ふくし・マイスター」とは、「地域に関心をもち、地域課題を我が事として捉え、身をもって解決に当たる素養を持った人財」で、地域のさまざまな領域の人との関わりや、学内外で地域に関わる活動を通した学びをしてきた学生を指しています。「ふくし・マイスター」に認定された学生は、①「地域志向科目」を10科目20単位以上修得して、②毎年度、地域と関連した学びのふりかえり(リフレクション)を積み重ねた学生に対して卒業時に認定されます。
また、「ふくし・マイスター+」の称号は、地域性を理解し、地域産業界やまちづくりの現場で、すぐに活躍する実践力を身につけている証明であり、「ふくし・マイスター」の修了要件を満たしており、さらに指定された「インターンシッププログラム」もしくは、サマースクールや企業・施設見学など特定のプログラムに参加した学生に対して送られます。
ふくし・マイスターの認定を受けた学生は、4年次の「リフレクションⅣ」で卒業後の抱負を次のように書いてくれました。
「地域とのつながりづくりや日頃からの関係性づづくりの大切さなどを、大学での学びを通して学ぶことができた。そのため卒業後は、地域の方々と積極的に関わっていきながら、より多くの人たちが地域とのつながりを持って生活できるための関わりに携わっていきたい。」
「地域に関する学習での学びで、自分は地域を含めた周りの環境や人々に活かされているのだと感じることができた。卒業後は、地域に活きる子どものへの支援を保育士の立場として行っていきたい。」
「私の住む地域は、知多半島ではないので、卒業後にこの広義で学んだ知多半島の歴史や取り組みを活かせる場は少ない。しかし、他所を知ることで、地元の問題点や改善点を見つけられるヒントになると思う。今回学んだことは、ぜひ自分の住む地域をより良くするための提案に活かそうと思う。」
参考資料
ふくし・マイスター事業紹介パンフレット
ふくし・マイスターホームページ

【半田】ふくしフィールドワーク実践「一人の暮らしを皆で支える地域包括ケア」

2月20日(水)~22日(金)の3日間、クラシティを拠点としてふくしフィールドワーク実践(半田)が開催されました。

ふくしフィールドワーク実践(半田)は地域課題解決に求められる多職種・多分野連携のあり方、その中での地域の各主体の役割などを学ぶことを目的に実施されたもので、社会福祉学部・健康科学部(情報工学)・看護学部の学生16名が「連携」して半田市での課題を検討することができました。

課題の事例検討については、半田市社会福祉協議会、半田市障がい者相談支援センター、半田市在住の杉江徳長さんの協力により実施されました。地域特性や対象者の理解をすすめる上で、半田市社会福祉協議会や半田市障がい者相談支援センターの福祉専門職の知見が、学生の学びを深めるうえで大切な存在となりました。

学生達は、杉江さんが在住する半田市のエリアのフィールドワークを行う中で、障がいがある方の「生活」がどのように成り立っているか、地域で生活をする上での課題は何か、解決するためには何が必要なのか等、当事者の方と語り合うことで講義の理解をより深めることができました。


また、今回のプログラムから、参加学生はそれぞれの学部の学びを学生同士が横断的に共有・活用することで、一人の障がいがある者の「生活」を、多職種連携を意識した課題解決に具体的に取り組み、最終日には半田市に潜在化している課題の解決方法の提案について、以下の4提案を行いました。

<学生の提案>

  1. 半田市民病院移転による駅周辺の人々の交通手段
  2. 肢体不自由児がいる家族の介護負担軽減に向けて
  3. 気管切開のある子供が通える保育園~半田市の事例を活かして~
  4. 医療ケア児が住み慣れた地域で暮らしていくためには~医療ケア児の家族が地域で暮らしていきたいと思える支援へ~

参加学生からは、本講義に参加したことで良い学びになったことの声が多く聞かれ、これから数年後に迎える就職後に向けて、より課題や目標が明確になったことと思います。

中部圏COC事業採択校「学生交流会」で報告しました。


日本福祉大学は、平成27年度より文部科学省「地(知)の拠点整備(大学COC)事業」の採択を受けて、「持続可能な『ふくし社会』の養成を担う『ふくし・マイスター』の養成」に取り組んでいます。同じように、中部地区には、「大学COC事業」に採択され、地域社会と連携をしながら、教育・研究・社会貢献に取り組んでいる大学があります。
2019年3月1日(金)、岐阜大学と金沢工業大学が共催で、平成30年度中部地区COC事業採択校「学生交流会」が岐阜市のぎふメディアコスモスにて開催されました。本学の他、岐阜大学、金沢工業大学、皇学館大学、信州大学、中部大学、富山県立大学、名古屋学院大学、福井大学、三重大学、香川大学(特別参加)の11校から学生代表が参加をして、それぞれの地域で取り組んできた学習や研究について、互いに報告をしあいました。

1部では、ぎふメディアコスモスの「みんなのホール」で、各大学の代表者から事例報告がありました。本学からは、全学教育センター主催「ふくしAWARD」で大賞に選ばれた社会福祉学部医療専修1年の学生グループが報告を行いました。社会福祉学部1年次に行われた知多半島のフィールドワークで児童養護施設を訪れ、それをきっかけに自らゼミ活動の延長で夏休みを利用して2泊3日のボランティア体験を行いました。その経験を踏まえて、「子どもの自立とは」というテーマで研究報告を行いました。

Ⅱ部のポスターセッションでは、他大学の学生や教職員と活動内容を通して交流を行いました。参加した学生は、報告前には緊張をしてグループ間でもあまり会話がなかったメンバーでしたが、ポスターセッションでは、他大学の学生と積極的に交流を楽しんでいました。

COC事業の教育を担当している全学教育センター地域連携教育部門担当で、参加グループの学生が所属していたゼミナールの担当教員でもある佐藤大介全学教育センター助教は、「今回で5回目の交流会であるがいずれの会も日頃他行との交流の少ない本学の学生には、他大学の学生との交流は大変刺激を受ける機会になっている。本学の学生の報告の特徴としては、地域社会でのしっかりとした”経験”があるため、1年生であってもしっかりと自分の考えをもって報告できていたのが印象的だった」と、ゼミ生の成長した姿ににっこりと笑顔で話してくれました。
このような機会をつくってくださった岐阜大学地域協学センターと金沢工業大学の教職員のみなさまに感謝いたします。
関連ぺージ
学園ホームページ「ふくしAWARDを開催しました」
ふくし・マイスターホームページ
COCブログ「COC事業成果報告フォーラムを開催しました」

【東海】2019市民交流プラザまつりに参加しました

Cラボ東海では、毎年恒例で行われる東海市主催の「市民交流プラザまつり」に参加しました。今回も星城大学さんと共有スペースで大学の取組の紹介と舞台発表で参加しました。
今回は「地域づくりのあり方」をテーマに国際福祉開発学部の吉村輝彦教授よる講演が行われました。市民活動団体関係者、行政職員など約80名が参加しました。講演では、吉村教授が取り組んできた対話や交流の場づくりの事例紹介や「これまで」と「これから」をどのように捉えるか問題意識の提示、地域やコミュニティにおける「まちの活性化」とは何かを説いたり、これからの地域づくりについての提言などをお話いただきました。

Cラボ東海では、ブースにパネルを設置し、これまでのCOC事業の取り組みを紹介しました。
舞台発表では、経済学部1年生で構成する「サイリウムダンスサークル」が「サイリウムダンス」を披露しました。この日までに学校内や近隣公園で練習を積み重ね、東海市内でサイリウムダンスの動画を制作したり、東海市観光協会が主催する動画CMやポスターコンテスト「めっちゃいいね東海市」に応募したりして、活動を続けてきました。

開催前日の準備では、市民活動センター職員と一緒に舞台やイス設置作業を行いました。
発表当日は、本学の経済学部1年生5名と愛知学院大学と名古屋学院大学の学生3名合わせて8名が参加しました。市民活動団体が演技を披露していく中、ほぼ満席となった会場で、若者のパフォーマンスに大変盛り上がりを見せました。

参加したサイリウムダンスサークル代表 宮村隆佑さんは、「サークルとしていい思い出ができた。たくさんに方が応援をしてくださって嬉しかった」と振り返りました。このイベントの運営を担当した市民活動センターの職員の方から、「準備から撤収までお手伝いいただき、大変助かったし、パフォーマンスも学生の真剣なダンスは迫力があった」とお話いただきました。このサークルでは、5月に行われる東海市のイベントに出演するとのことです。

COC事業成果報告フォーラムを開催しました。


2019年2月26日(火)、美浜キャンパス11号館3階(コミュニティセンターホール)にて、日本福祉大学COC事業成果報告フォーラムが開催されました。
2014年度に本学が採択を受けた文部科学省「地(知)の拠点整備事業(大学COC事業)」の助成期間が、今年度末をもって終了するにあたり、「ふくし・マイスター」の養成を目ざす地域連携教育、知多半島の市民・自治体・民間団体等と相互に関係を持ちながら地域課題解決を目指した研究・社会貢献の取組など、5年間にわたる地域を志向した全学的取組を振り返り、その成果を確認するために標記のフォーラムを開催した。今回のフォーラムは、これまでの活動実績について報告し、本事業で得た成果・仕組みと持続可能な地域における地(知)の拠点大学のあり方を考えることをテーマとしています。
フォーラムでは、第Ⅰ部において本学COC事業の各取組の成果につき概括を示した上で、第Ⅱ部のポスターセッションでは各取組の詳細について活発な意見交換を行った。最後の第Ⅲ部シンポジウムにおいては、地域で学んだ学生とそれを支えていただいた地域の方や行政の方に登壇いただき、取組の成果とその要因等について掘り下げるとともに、次年度以降の取組の継承・継続に向けた課題を提示し、フロアからの意見も交えて活発な議論が行われました。
はじめに児玉学長よりCOC事業に協力いただいた自治体や地域の関係者に対して感謝の言葉を伝えた上で、今年度末に約600名の『ふくし・マイスター』をはじめて輩出することを報告されました。次に、中村全学教育センター長より教育の取組の成果が報告されました。本学では、「日本福祉大学スタンダード」の「4つの力」を養う教育プログラムを全学的に進めてきたが、さらにCOC事業の「ふくし・マイスター」養成を通して「地域社会に貢献する力」の育成に取り組んできたことが共有された。具体的取組として、各学部の全1年生を対象に学部の特徴を活かした「ふくし・コミュニティプログラム」が実施され、全学教育センター科目とあわせて、今年度140科目285単位の「地域志向科目」が展開されていることが報告されました。最後に、千頭地域連携推進機構長より、研究・社会貢献の取組報告を行われました。研究では、全国的に類例のない「市民研究員制度」、教員と地域関係者の協働による「地域課題解決型研究」の成果が報告されました。取組を通して、大学の資源を活用して地域課題を解決するだけでなく、例えば市民研究員が後に、「地(知)のマイスター・地(知)のフィールド」の認定を受け大学の教育・研究に係わり続けるなど、持続可能な地域にむけた人材の循環にも繋がっていることが紹介されました。社会貢献では、地域円卓会議等への関わりによる地域課題解決へのネットワーク形成など、各Cラボを拠点とする地域連携コーディネータが地域間・地域と大学間のネットワークをつなぎ合わせることを通して、様々な教育・研究の取組の創造に寄与してきたことが紹介されました。

総括報告を行う児玉善郎学長


教育領域の成果報告:中村信次全学教育センター長


研究・社会貢献領域の成果報告:千頭聡地域連携推進機構長


 
 
 
 
 
第Ⅱ部:教育・研究・社会貢献からのポスターセッション
活動紹介パネルを前に、各担当者から学部・市民研究員・地域課題解決型研究・Cラボなど、教育・研究・社会貢献の領域にわたるそれぞれの活動が報告され、参加者間で活発な交流が図られていました。


<教育の取組>
社会福祉学部      「地域での学びを共有~春季セミナー・フィールド実践演習~」小松 理佐子 教授子ども発達学部「地域の実践者から学び、子どもを取り巻く課題を捉える」     渡辺 顕一郎 教授スポーツ科学 「導入ゼミ~美浜町の暮しの場をウォークラリー~」         山本 真史 助教健康科学部  「人と地域、文化と歴史に学び、ふくしを考える」  福田 秀志 教授、寺澤朋香・
白井 翼(4年)
経済学部                      「経済・経営を学んで地域で活躍」             曲田 浩和 教授
国際福祉開発学部         「多文化を理解し、ふくしを創造する」        吉村 輝彦 教授
看護学部       「基礎的な看護実践能力を養い、地域と人の健康を考える」   入慶田本 秀美(4年)
全学教育センター 「COCによる教育力の向上と卒業時における学生の質保証」
地域連携コーディネータ 中野 正隆
<研究の取組>
市民研究員(美浜)他市町の事例から学ぶ“美浜流ファミリー・サポート・センター事業のあり方”について」 大嵜 暁美 氏
市民研究員(半田)         『古今半田衆 半田停車場前』            赤坂 雪江 氏
市民研究員(東海   「東海市の重症心身障害児の現状と今後の取り組みについて」 後藤 文江 氏市民研究員(知多) 回想法を用いた多世代交流により、みんなが生き生きと暮らせるまちを創りだすための調査・研究」                           日比野 徳男 氏
地域課題解決研究         「歴史的資源の活かし方-知多市-」   経済学部    曲田 浩和 教授地域課題解決研究         「共感でつながるアサーション」がもたらす子育て支援への影響」
福祉経営学部 水野 節子 助教

地域課題解決研究         「地域包括ケアシステムの推進を目指した『親子ふくし教室』の取り組み」                           健康科学部 宮田 美和子 准教授
地域課題解決研究   「外国人住民に役たつやさしい日本語の生活情報の作成
国際福祉開発学部 カースティ祖父江 助教

<社会貢献の取組>
Cラボ美浜       「地域のネットワークをつくり、課題解決に」
地域連携コーディネータ 小西 優香
Cラボ半田       「人が生きる活動でエンパワメントを高める」
地域連携コーディネータ 池脇 啓太
Cラボ東海       「『楽しむ』『繋がる』『学ぶ』から地域貢献へ」
地域連携コーディネータ 村松 愛子
地(知)のマイスター&フィールド「地域にあふれる知識と経験を学生の学びへ」
企画政策課 大森 皓介
第Ⅲ部:シンポジウム(COC事業の評価)

まず、半田市亀崎での建築を通した多世代交流の取組、東海市での認知症啓発イベントを通した学生のまちづくりへの参加の取組、学生の活動を支える東海市の行政の取組の3事例が、各シンポジストより紹介された。その後、コーディネータの原田学長補佐とのやりとりの中で、大学の地域の連携の枠組や成果に結びついた要因について掘り下げが行われた。学生が地域の日常に入り込んでいく状況が上手く作られてきたこと、地域連携コーディネータが地域と大学・学生の間に入って的確に機能してきたこと、行政と大学の間で多面的な協働関係が築かれてきたことなど、その要因は多岐に亘っている。その後、フロアにいた美浜町、知多市、武豊町の行政関係者より、「COC事業は、大学という財産が地域にあることを再認識させてくれた」、「さまざまな分野で地域課題解決に協力をしてもらっている」、「地域包括協定を結ぶことをきっかけとして実質的な連携をしていきたい」等のコメントをいただきました。
コメンテーターの千頭地域連携推進機構長からは、学生を市民として社会に送り出す教育機関として、断片的な関わりでなく、“自分の経験をつなげられる”学生を育む継続的な支援に取り組んでいくことが課題として提示された。中村全学教育センター長からは、地域との連携した経験を学習として、そこから得られた気づきや学びを蓄積することが課題として提示されました。
最後に、シンポジスト1人ひとりから「学業を専門でやれるのは学生のみ。敷居なく地域に飛び込んできてほしい。」「学生の特権を理解して、地域に受け入れてもらえるように挑戦してほしい。」「“(地域と)大学とのつながり”を改めて実感できた。大学の取り組みの中にもっと地域を巻き込む取り組みを継続してほしい。」「様々な人との出会いの中で自分のやりたいことは何なのかを見つけてそれを口に出していくことで自分の目的が何なのかが明らかになる。」「今後もまちの中のシンクタンクとして期待している。」など、振り返りが行われた。本学COC事業の5年間に亘る取組が、地域と大学・学生の接点や交流をそれ以前よりも大きく拡大・深化させたこと、地域の協力・参画のもとに学生たちの学びが豊かに広がってきたことなどが明確に示されるともに、これらの取組の継承・継続に対する地域の期待の大きさを確認することができた。閉会の挨拶においては、福田副学長より参加者への感謝とともに、市民研究員制度や地域課題解決型研究の助成制度がリニューアルされることも伝えられ、本事業の取組と成果が今後も継承されていくことが示され幕が閉じられました。