【Uターン先輩紹介】株式会社美濃庄鈴木さん取材

家に帰れる喜びを感じて欲しい、そのためにできることはやる

岐阜県恵那市出身の鈴木涼太さんは岐阜県の地域性がとにかく好き。2015年に卒業後はその岐阜県で大学での福祉の学びを生かして働きたいと、創立120年を超える岐阜県の老舗企業、株式会社美濃庄に就職。現在は在宅で暮らす方を中心に介護用品の提供をされています。常に笑顔を絶やさない鈴木さんにお話を伺いました。
━━現在はどのような仕事をしていますか?
利用者の方に最適な福祉用具を届けることが仕事です。地域のケアマネージャーさんからの依頼が多いですが、利用者のご自宅を訪問して、ご本人、ご家族、ケアマネージャーさんの想いをしっかりと聞いて、数ある福祉用具の中から目の前の方がその環境で生活していくために最適な福祉用具を提案していきます。
━━仕事をして1年が過ぎますがいかがですか?
最初は新人として、利用者の方を含め周りの方に可愛がられていました。でも、だんだんと仕事で求められる水準が高くなっていると感じます。現場で福祉用具の専門家としての意見を求められることも増え、嬉しい部分もありますが、いつまでも新人気分ではいけないと思っています。就職が決まってから福祉用具専門員の資格を取りましたが、現場では資格だけでは通用しませんでした。自分で用具を使ってみて、特徴を体感してやっとわかってきた部分があります。また用具の知識だけでは最適な提案ができないので、介護をする側のことも含め、介護全体をもっと学んでいきたいです。
   
━━仕事で大切にしていることは?
何よりも信頼関係です。ご本人はもちろん、ご家族やケアマネージャーさんなど、色々な方との関係をいかに作れるかがこの仕事では大切だと知りました。このことを意識するようになったのは、仕事で失敗をして、相手の信頼をなくしてしまったことが大きかったですね。だから、相手が何を求めているかをとにかく聴くことを意識しています。相手を観察して、相手の価値観や大切にしていることを理解してコミュニケーションの取り方を変えながら、試行錯誤でやっています。
━━仕事におけるやりがいは何ですか?
「また来てね」の一言は嬉しいですね。私は、ご本人とそのご家族に、人生の最期を後悔なく満足して迎えて欲しいという想いでやっています。もっとああしておけば、こうしておけばということは、どれだけやってもなくならないかもしれませんが、それを少しでも和らげたいというか。ご本人はどうしてもご高齢なので、目の前にすると、正直圧倒されることもありまが、何時間でも話し合う覚悟で真摯に向き合うとこっちを向いてくれます。まずはそこからですね。
━━働いて感じた地域の魅力はありますか?
地域の魅力というか、地元の企業は、社長の想いをみんなが受け継いで働いている一体感のようなものがあります。この事業を始めた頃のエピソードを涙ながらに語る社長を見ていると、自分も同じ想いで頑張りたいと感じます。また、自分が生まれ育ち、地域のことをよく知っていることは、周りの方との関係を作っていく上では強い武器ですね。最終的には、一人前になって実家がある恵那市で働きたいです。
   
━━地元就職を目指す後輩へのメッセージをお願いします。
地域ごとで開催されている地元企業が参加する説明会に行くことをお勧めします。大きな合同説明会と地元の説明会では、話の濃さが違いました。また、インターネットや大手サイトでは、地元企業の情報が見えにくいし良さがわからなかったです。直接会って話をしないと何もわからない。お金と時間はかかっても、将来には変えられないですしね。私が今の会社で働くことを決めたのも、説明会で今の上司と出会い、その方の仕事に対する想いに惹かれたからです。だから、入社後もその上司の元で働く希望を出しました。自分がこの人についていきたいと思う人に出会えるのも地元説明会の魅力だと思います。
〜インタビューを終えて〜
鈴木さん
今回取材の話をもらえて、とても嬉しかったです。岐阜の企業に目を向けてもらえているんだなって。まだ独り立ちして1年が経っておらず、足掻きながらやっていますが、地元で働いてよかったと感じてます。
 
 
星野
鈴木さんとは、社会人になって初めて、久しぶりの再会でしたが、変わらずの素敵な笑顔で自分の仕事を熱く語る姿にこちらも元気をもらえました。電話で関係者の方と話をしながら笑顔でガッツポーズをする姿、周りの方との関係を本当に大切にして働く姿勢を強く感じました。