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【卒業生取材】中濃特別支援学校を訪問!

子どもたちのこれまでの背景を知り、立派に社会へ送り出す

岐阜県で活躍する卒業生を取材する企画第2弾も今回が最終回。ラストは、岐阜県立中濃特別支援学校で働かれている林哲平(はやし てっぺい)さん[2016年卒]を訪問しました。林さんは、子ども発達学部を卒業後、現役で教員採用試験に合格され、現在の職場に配属。お父様もお母様も日本福祉大学の卒業生でいらっしゃいます。インタビュアーは、子ども発達学部4年の髙木歩水さん、同じく子ども発達学部の3年生、有本晶香さん、町野愛花さんがつとめます。

━━現在はどのようなお仕事をされていますか?

新任1年目からこれまで、高等部の生徒を受け持っています。現在受け持っている生徒は、軽度の知的障がいがある生徒です。そのため、コミュニケーションや⽂字を書いたり、計算をしたりすることなどに苦手意識や課題のある生徒が多いです。今年は1年生の担任と、進路指導も担当しています。子どもたちに勉強を教えるだけではなく、地域の企業様と、職場体験の企画や、卒業生の定着支援にも取り組んでいます。

━━この仕事の役割はどのように感じていらっしゃいますか?

3 年間で、⼦どもたちに社会で⾃⽴して生活していくための⼒をつけさせることです。

高等部の⽣徒たちは、ほとんどが卒業後すぐに社会⼈として働きます。そのため、社会に出て、⼦どもたち⾃⾝が困らないように、指導していくことが私の役割の⼀つです。

━━教員の仕事は大変だと世間のイメージがありますが、実際はどうですか?

確かに、時には帰りが遅くなり大変なこともあります。でもそれは、他の仕事も同じだと思います。そんな時は、「子どもたちのために働いている」と思うと、大変な気持ちもやわらぎ、頑張ろうという気持ちになれます。

 

━━大学時代の経験で役立ったことは何ですか?

座学だけではなく、体験して学んだことです。例えば、⼤学時代に飲⾷店でアルバイトをしていたのですが、そこで学んだ⾷品衛⽣管理の知識は⼦どもたちの調理実習や作業学習の指導をする際に役⽴ちました。また、⼤きいのは「⾔葉」です。⼤学での⽣活はもちろんですが、サークルやアルバイトを通じて、幅広い世代の多くの⽅と関わってきました。その中で、⾃分でも気づかないうちに⾃分が使う⾔葉の種類が増えていました。教師の仕事は、伝えること。この仕事に、⾔葉というのはとても大切なツールになるため、⾝についた⾔葉の多さは役⽴っています。

━━この仕事をしてから、どのような力が身につきましたか?

それぞれの人に合わせた伝え方ができるようになってきました。教師1年目は、なかなか、自分が伝えたいことが生徒に伝わっていないと感じることがありました。そこで、自分よりキャリアの長い先生のやり方を、とにかく真似てみることから始めてみました。すると、伝わることも多くなったのですが、同じことを言っても、生徒たちへの響き方が先輩と全く違うと気づいたのです。それから、自分なりの伝え方を色々と試しながら、徐々に相手に合わせた対応ができるようになりました。

━━教師をする上で大切にされていることはなんですか?

常に一人の大人として毅然とした態度で生徒と関わることです。子どもたちは、大人のことをとてもよく見ています。そのため、当たり前なのですが、相手に障がいがあるからという接し方ではなく、社会に出ていく一人の人間として接しています。

 

━━他にも大切にされていることや意識していることはありますか?

目の前の状態だけを見て、頭ごなしに指導しないことは意識しています。子どもたちは、自己肯定感が低い傾向があります。そのため、接する際は、どうして自己肯定感が低くなったのか、その背景にどんな体験や想いがあるのかを見るようにしています。問題となる行動も同じで、その行動にいたる背景までしっかり理解し、必要なことを指導しています。

━━この仕事のやりがいはどのようなことですか?

生徒の成長間近で見ることができることです。昨年初めて卒業生を送り出しました。日々生徒と向き合う中、大変なことも少なくありません。でも、卒業して行く姿を見た時に、素直にやってきてよかったと思いました。また、卒業生の職場を訪問して、企業の方と情報交換を行います。その時に、卒業生が話しかけてくれたり、元気な姿を見せてくれると、自分も頑張ろうと思えます。

━━どうして岐阜で働こうと思ったのですか?

岐阜は自分の故郷であり、地元に貢献したいと思ったからです。というのは建前で、1番の理由は、「岐阜の土地」が好きだからです。家族、友人、地域の方など、岐阜には自分とのつながりがあります。そのつながりの中で働き、生活したいと思っていました。実際に岐阜へ戻ってくると、同僚や先輩も岐阜の方がほとんどで、人のつながりの強さを感じます。温かい人が多いので、人間関係はつくりやすいです。

 

━━働いてから感じた岐阜の魅力はありますか?

自然ですね。学校の近くにも山があり、生徒たちと一緒に授業の一環で登山をします。子どもたちが自然の中で、都会では味わえないような良い刺激を受けながら成長していく姿を見ると、この土地はいい場所だと感じます。

━━今、目指している教師像を教えてください?

もっと⼀⼈ひとりによりそった⽀援ができるようになりたいです。それは、⽣徒だけではなく、周りの教員や外部の⼈なども含めて、その⼈その⼈の⼒になり、頼られる存在でありたいと思います。そして、⾃分がパイプ役となって、周りを調整しながら、皆をつないでいける姿を⽬指しています。

最後に地元就職を目指す後輩へのメッセージをお願いします。

26年間、岐阜で暮らしてきてあらためて感じるのは、過ごしやすい良い地域だということです。地元愛が強い人が多く、周りの先生も保護者の方も皆が温かいです。そのため、生徒たちものびのびと成長しています。ぜひ、岐阜で一緒に働きましょう。

~インタビュアーの感想~

自分がなぜ岐阜県で特別支援学校の先生になりたいのか、どんな教員になりたいのか改めて考えるいい機会になりました。特に印象的だったのは、コミュニケーション能力についてです。子どもたちに関わるときにはもちろん、その子どもたちに関わる周りの大人、支援者の人たちと関わるときにもコミュニケーションが重要であることが分かりました。子どもたちを支えているのは教師だけではなく、保護者や地域の人々そして岐阜という環境が深く関わっていることが実感できたインタビューでした。

子ども発達学部心理臨床学科 町野 愛花

自分自身がなぜ岐阜に戻り教員をしたいのかがわかりました。一緒に働く職場の方も岐阜県の出身者が多く、“地元愛”が強い環境が働きやすいのだと感じました。それは、みなさんがこの土地をどうにか活かして授業ができないか、この土地の良さを伝えたいというベクトルが同じだからこそだと思います。私も来年から岐阜県で教員として働くことを目指していますが、インタビューを通じて、その意欲が湧いてきました。

子ども発達学部子ども発達学科 髙木 歩水

今回の取材を通じて、岐阜県の良い所は人のつながりだということを感じました。特別支援学校で仕事をする際、様々な人との関係を築くことが大切になります。子どもたちや保護者の方々、そして、同じ職場の教員の方、他にも、色々な人たちと関係を築いていることがわかりました。特に、同じ職場の方が、地元愛に溢れ、温かい人が多いということを伺い、私もそんな素敵な職場で働きたいと思いました。

子ども発達学部心理臨床学科 有本 晶香

サマースクール2019inひだ 飛騨コース

薬草の有効活用方法を提案!

岐阜COC+参加5大学の学生が一堂に会して、地域の課題解決に取り組むサマースクール。今年は、飛騨圏域の4コースで開催され、それぞれのコースで日本福祉大学の学生が参加しています。前半戦2コース目、本学から3人の学生が参加した飛騨コースの様子をお伝えします。

飛騨コースは、「薬草の有効活用と市民団体の交流を考える」。飛騨市は、市内に自生する薬草を資源として活用しようと20年ほど前から取り組んでいます。徐々にこの地域の文化として定着してきた薬草を通じて、新たなコミュニテイーも生まれています。

今回は、全国薬草シンポジウムに出展するブースを学生たちが考えます。

 

初日は、薬草カレーのランチからスタート。初めての薬草体験に、いい刺激を受けながら、薬草への興味が高まります。

午後からは、薬草を栽培している現場を見学し、これまでの経緯や、薬草についての理解を深めていきます。

夜ご飯では、薬草活用をしている団体のご自宅を訪問し、薬草料理を一緒に調理。薬草のピザや、薬草のおにぎりなど身近な料理への薬草の活用方法も学べました。

 

2日目は、薬草が自生している地域を散策しながら、野草茶を研究しているグループとの交流。色々とお話を伺うことで、午後からのグループワークへつなげていきます。

グループワークでは、発表に向けてグループで案を出し合います。2日間集めた情報をもとに、学生たちなりに真剣に課題に向き合い、シンポジウムのブース案を考えていきます。中間発表で、関係者の方から貴重な意見をいただき、最終発表へ向けて、ブラッシュアップは続きます。

 

そして、3日目の最終発表会。飛騨市長や職員の方、NPOの方などを前に、提案を発表します。

Aチームのテーマは「ぱくぱくベイビーフーズ」。離乳食に薬草を取り入れるという新しい視点での提案です。小さい頃から習慣化することで、味に慣れて長期的に栄養を補える。そのために、シンポジウムのブースでは、離乳食の説明や試食、子育ての相談をおこなう案が発表されました。

Bチームは、「薬草を食す」をテーマに発表。飛騨市の地域資源である温泉と日本酒との組み合わせで、薬草のイメージを変える試みです。ブースでは、薬草入浴剤や石鹸作りの体験、薬草を用いたおつまみの提案がされました。長期的に健康寿命全国1位を目指すことも目標だと訴えました。

 

「メディカルハーブ」をテーマに据えたCチーム。薬草を知ってもらうために、食べ物以外の活用考え、新たな薬草のイメージを作ることを考えました。ブースでは、インテリアとして植物標本のハーバリウムを作る体験を提案。当日の人員や時間配分、材料のコスト試算など、具体的な運営まで発表しました。

最後のDチームは「薬草の新たな試み」として、野草茶ウォーキングラリーを提案しました。薬草の魅力を伝え、親しみを持ってもらうために、市内を歩きながら各所で野草茶を飲む企画。当日使用するスタンプカードの見本を会場で配布するなど、具体的で現実味がある提案になりました。

 

来賓の方々の審査の結果、Dチームの野草茶ウォーキングラリーが最優秀賞を獲得。審査員の方々からは、これまでにない視点での提案が多くあり、非常に充実していた。学生のポテンシャルの高さを感じたと言葉をいただきました。 

サマースクール2019inひだ 高山コース

若者を高山に引き込む企画を提案!

岐阜COC+参加5大学の学生が一堂に会して、地域の課題解決に取り組むサマースクール。今年は、飛騨圏域の4コースで開催され、それぞれのコースで日本福祉大学の学生が参加しています。まずは、本学から4人の学生が参加した高山コースの様子をお伝えします。

高山コースのテーマは、「自然観光資源を活用して、若者観光客を集める」。年間460万人の観光客が訪れる人気スポットの高山市。しかし、市内中心部の古い町並みなどをみて帰ってしまう観光客が増える中、郊外の豊富な自然観光資源が活かしきれていない現状があります。

今回は、その観光資源を自分たちで体験し、若者観光客を集める方法を提案します。

初日は、観光客で賑わう古い町並みを自由散策。学生たちはそれぞれに、歩いて、食べて、市内を味わいます。

午後からは、高山市の観光動向を市役所の方から伺ったのち、郊外の自然観光スポット「飛騨大鍾乳洞」を見学しました。

夜は、星空の観察会。曇り空が心配でしたが、しばらくすると、満天の星空に出会えました。鍾乳洞と星空。自然観光資源の魅力に触れた1日目でした。

 

2日目は、山岳観光からスタートです。新穂高ロープウェイに乗って、西穂高岳へ。標高2,156mの展望台から、北アルプスの山々を望みます。下山後は、濃飛バスの方から、奥飛騨温泉郷や穂高、乗鞍の現状についてお話を伺いました。

 

午後からは、これまで集取してきた情報をもとに、グループごとに分かれ、真剣に課題に向き合いました。短い時間の中、初めて会った学生同士で、発表に向けて意見を出し合い、まとめていきました。

最終日の発表会は中心地にあるまちの博物館で行われました。5つのグループが、自然観光資源を活用して、若者観光客を集める方法を提案します。

 

最初のグループは、今ある資源を活かす方法を提案。特に飛騨鍾乳洞とロープウェイに注目しました。鍾乳洞は、季節ごとのライトアップや、案内板の改善について、ロープウェイは、展望台のカフェを若者向けに改装し、星空観測も加えたカップルプランを発表しました。

2つ目のグループは、テーマを「高山進化論」とし、子どもや家族をターゲットとした企画を提案しました。その目玉は、高山市内への宿泊型ツリーハウスの建設。施設の周辺に体験型アクティビティーも設置し、昼は歴史、夜は自然を感じてもらうプランを発表しました。

続いての班は、レジャーに焦点を当てた提案です。ロープウェイの物足りなさを改善するため、展望台スリルウォーク体験や日本最高峰の滑り台の設置、また、バンジージャンプをできるようにする企画もありました。また、その交通手段として、個室型のバスなど、移動から楽しみまでトータルなプランになりました。

 

続いての班は、大学生に特に特化した内容を提案。貸切タクシーを利用して、晴れの日プランと、雨の日プランを考えました。星空観察ができる宿泊施設を中心に、晴れの日は、バーベキューや川遊びを、雨の日は、日本酒作りや耕作体験など屋内でのアクティビティーを発表しました。

最後の班は、交通手段と宿泊施設から観光資源活用を考えました。飛騨地域の交通網を支えている濃飛バスが宿泊施設を運営したら、もっと観光しやすくなるのではないか。小型電気自動車をもっと普及させたら観光客の新しい足になるのではないかと提案がされました。

発表後は、発表を聞きにしていただいた方からたくさんの質問がありました。どうしたら学生に情報が届くのか、普段どのように旅行を計画しているのか、何に惹かれて旅行先を決めるのかなど、活発な意見交換の場になりました。

 

課題解決型インターンシップ完了!

学生たちが現場の課題を解決

2019年8月26日に、社会福祉法人新生会のサンビレッジ岐阜で課題解決型インターンシップの提案発表会をおこないました。オリエンテーションから一ヶ月。サンビレッジ岐阜でおこなわれていた小学生のお仕事体験にスタッフとして参加しながら、与えられた課題解決のための情報を集めてきました。

今回の課題は3つ。1つ目は「大学生インターンシップの受け入れ方法」。2つ目は「小学生に医療・福祉分野に興味を持ってもらう方法」。そして最後が「来年度に向けたイベントのPR方法」。

お仕事体験は、サンビレッジ岐阜内の診療所や保育園、訪問看護ステーション、また、岐阜駅内にある生涯学習センターでおこなわれました。学生たちは、それぞれの現場に小学生を引率しながら、参加した子どもたちが安心・安全に、そして楽しみながらいい思い出を持って帰れるように関わってきました。

 

学生たちも、自分たちが関わらなかった職業の現場を見ることができ、いい刺激になったようです。

最終日は、これまでの情報を元に課題の解決案を考えます。それぞれが体験してきたこと、観察してきたことを共有して、アイデアを出し合っていきます。最初は、なかなか出なかった意見が出なかった学生たちも、時間が経つにつれて、話し合いが活性化していきます。

 

そして、提案発表会。サンビレッジ岐阜の職員様に向けて、提案を伝えます。学生たちからは、もっと小学生が体験できる内容を増やしてはどうか、一社会人として接するのはどうか、体験だけでなく、医療・福祉の仕事がどうやって人の幸せにつながるのかを考えてもらってはどうかという意見が出ました。

また、PR方法は、ポスターやチラシの新しい配布先や、ポスターにQRコードを掲載して情報量を増やすなどの提案がされました。

 

発表を終えて、スタッフの皆様からは、「イベントに参加してくれる小学生の目線に立った意見がたくさんあった。早速来年の企画から取り入れてたい」と言葉をいただきました。

〜参加学生の感想〜

・子どもたちがどんなことに関心を持っているのかが間近で見ることができ、自分の専門分野の理解が深まった。

・岐阜市の中心で、子どもたちと一緒に社会を学ぶ貴重な体験ができた。地域には、まだ可能性があると感じた。

・学校ではできない経験がたくさんできた。来年も参加したい。

【卒業生取材】下呂市役所を訪問!

自分が生まれ、育ち、生活する場所

そこが“良い下呂市”になればいい

岐阜県で活躍する卒業生。今回は岐阜県下呂市出身の山下角英(やました かくえい)さん[2001年卒]の職場、下呂市役所を訪問しました。山下さんは、経済学部を卒業後、地元下呂市の職員として働き、今年で19年目に入られています。インタビュアーは、経済学部3年の志津福音さんがつとめます。

━━現在はどのようなお仕事をされていますか?

この4月に農務課に異動になり、今は、法律や制度を根拠にして、下呂市内の農地売買の手続きなど、農地に関わる仕事をしています。正直にいうと、この仕事はやらなければならない仕事の部類。他に、コテージやキャンプ、農業体験ができる施設「まるかりの里」の担当もしています。こちらはやりたい仕事の部類。ここをどううまく活用できるかは私の裁量によるので、面白い仕事の一つです。公務員の仕事は、法や制度の縛りがどうしてもありますが、それだけでなく、自分の感性が大切。そこに面白さがあります。

━━これまではどんなお仕事をされてきましたか?

保健衛生や公共交通、市営住宅から観光まで、幅広く経験してきました。最も長く関わった仕事は、観光課です。東京や大阪などの都心に赴き、下呂市に人を呼び込むキャンペーンなどをしていました。岐阜県がおこなっている岐阜の宝ものプロジェクトの認定第1号になった「小坂の滝めぐり」のプロデュースにも携わりました。

━━この仕事をされてきて感じた課題はありますか?

地域づくりを目指すと、地域の魅力を無理に創ろうとしてしまうところですね。大切なのは、本当に地域に根付いた資源を見出し、少しだけ手を加える、切り口を変える、それだけで十分。必要以上にブラッシュアップし過ぎたり、先進事例のマネをしてみたり、流行に流されてみたりと、地域に根付いていない別物を作ってしまいがちです。そうやって無理して創られた地域の魅力は次世代に継続されるわけがなく、地域にとっても良い結果にならないと思います。

━━この仕事をしてから、ご自身にどのような変化がありましたか?

仕事に対する意識が変わりました。特に印象に残っているのは、特別養護老人ホームでの経験です。新入職員として保健福祉課に配属され、4年目に特別養護老人ホームへ出向しました。そこの職員は主婦の方が多く、皆さんのとても効率よく仕事をこなす姿を見て、自分も見習わなければと思いました。それから自分なりに一歩二歩先を意識して仕事をするように心がけています。

━━働く上で意識されていることはなんですか?

単純に“良い下呂市”になればいい、それだけです。今自分がやっている仕事が、下呂市のためになっているのかは常に考えています。先ほどもお伝えしましたが、市役所の仕事は異動のたびに転職したくらい仕事の内容が変わります。その時その時で自分に与えられた仕事をツールとして使い、いかに良い下呂市にしていくかを私は大切にしています。

━━今後携わりたいのはどんな仕事ですか?

今あるものをもっと活かし伸ばしたいです。例えば、下呂市は腕のある大工さんがたくさんいます。その人たちがもっと活躍できる仕組み作りは挑戦したいですね。若者や子どもたちが、継続して「大工になりたい」と思ってもらえるように、市として何かできることがあると考えています。

━━他にも実現したいことはありますか?

農業のイメージ改善です。社会的には、農業と聞くと厳しいイメージがないですか?歴史の教科書でも、武士や商人に比べ身分が低く描かれているので、あまり社会的なイメージがよくないように感じます。でも、今の実際の農業は違う。機械化が進み、最先端をいく仕事です。また近年は若くてオシャレな農家さんも増えています。その魅力をもっと正確に伝えていきたいですね。

━━どうして岐阜で働こうと思ったのですか?

長男であったことは一つ。また、当時は地元に戻ってくる仲間が多かったこともあります。大学時代は、正直にいうとやりたいことは明確になっていませんでしたが、市役所で働くことへの漠然とした憧れはありました。

━━働いてから感じた地域の魅力はありますか?

下呂市には、意外に魅力ある仕事や事業所がたくさんあるのだということです。働くまでは、何もない地域だと思っていました。しかし、いざ働いてみるとそうではない。例えば、旅館。この立地、規模で年間の宿泊者数が100万人を超える温泉地は、全国を見てもそんなに多くはありません。私がこれらの魅力に気づいたのは、就職してからですね。また、自然の豊かさもあらためて感じます。

━━このお仕事を続ける原動力は?

自分の満足感です。他人からどう評価されるかではなく、自分が自分の仕事に良い評価を与えられるか。自分が自分で納得のいく仕事をしているかということです。周囲の評価ばかりを気にしていると楽しくないです。周囲の評価を目標にすると、自分のベストは出せないと私は思っています。ある意味、仕事を全て仕事と捉えず、趣味や楽しみの一部となっているのかもしれません。

━━自分でいい仕事ができたと思えたエピソードを教えてください。

市営住宅を担当していた頃、家賃を滞納している一人の男性との出会いがありました。最初は、「規則だから」と家賃を払う必要性をただ伝えるだけでした。しかし、その方が働けない理由を聴いていくうちに、その方が今の状態になったのは、決してその方だけのせいではないことが見えてきました。そこで、その方が働けるように地元の業者や市役所内での調整を進めていった結果、その方の就労につなぐことができました。さらに、「今後は自分を救ってくれた地域や社会に少しでも貢献したい」という言葉を聞いたときは、自分の仕事がその方の人生や下呂市のために少しは役立ったかなぁ…と感じました。

最後に地元就職を目指す後輩へのメッセージをお願いします。

若い時にしかできないことは、若いうちにやっておくこと。その時にしか楽しめないことは、その時にしっかりと楽しんでおく。少し背伸びをしてでも、手を伸ばしてやってみてほしいです。後悔のないように。就職活動も大事だとは思いますが、就職してからは遊びも含めた様々な経験が重要になってくるので、色々なことに挑戦してみてください。それから、これは持論ですが、仕事ができる人は、自動車の運転が上手で、ご飯を食べるのが早い人が多いです。是非、目指してください(笑)。

~インタビュアーの感想~

自分の持っていた公務員のイメージが良い意味で変わりました。今まではどちらかというと堅いイメージでしたが、いろいろな方向から地域を「良く」していく公務員って面白い仕事だと思いました。それと同時に、とても難しい仕事でもあると感じます。なので、働くことに対しての自信はまだ持てていません。しかし、私は地元が好きなので、地元地域や住民の方のことを全力で考えて、地元を良くしていく仕事をしてみたい。それができるように勉強を頑張り、いろいろなことを経験して成長したいと思えました。

経済学部経済学科 志津 福音

【卒業生取材】児童発達支援・放課後等デイサービスあるてあを訪問!

子どもたちに「いま」できることを考え

共に生き、喜びを感じる

卒業生の活躍を取材する企画。今回は岐阜県山県市出身の嶋井真奈美(しまい まなみ)さん[2004年卒]の職場を訪問しました。山県市の実家から美浜キャンパスへ4年間通い続けたことが自慢だと語る嶋井さん。社会福祉学部で保育士の資格を取得し、卒業後は医療機関での保育や病児保育を経験後、現在は、児童発達支援管理責任者として、児童発達支援・放課後等デイサービスあるてあ(株式会社ALTHEA)で働かれています。インタビュアーは、子ども発達学部4年の髙木歩水さんと、3年有本晶香さんがつとめます。

━━現在はどのようなお仕事をされていますか?

ここは、何らかの障がいがある子どもたちが通っていますが、最終的な目標は、ここに通っている子どもたちが将来、大人になって社会に出て生きていくことができるようにと考えています。そのため、まず基本となる基本的生活習慣であったり、コミュニケーション力や社会性などを身に付けてもらうためにサポートすることが私たちの仕事です。また、子ども達の持っている力をどう発揮させられるかが私たちの役目です。そのなかで、私は責任者という立場で、施設の運営と、子どもたちと直接かかわっている職員のサポートが主な仕事になっています。具体的には、子どもたちの個別支援計画を作ったり、計画や日々の仕事の振り返りを職員とおこなっています。ただ、子どもたちが好きなので、現場に一緒に入ることも多いです。

━━他にはどんなお仕事がありますか?

保護者の方だけではなく、保育園や幼稚園、学校、各関係機関との連携です。保育園や幼稚園とは、共通のノートを用いて情報共有したり、分からないことは電話で聞いたり、学校だと、送迎時に学校での様子や施設での様子を先生と共有したりしています。また、担当者会議を開いて、時には保護者の方も交えて子どもたちの支援の方針を考えます。しかし、まだまだ十分に連携が取れているとは思っていません。よりよくしていくために、日々、各関係者みんなで考えながら取り組んでいます。

 

━━この仕事の役割はどのように感じていますか?

先ほども少しお話ししましたが、子どもたちが持っている力を、日常の生活の中でどれだけ発揮できるようにするかです。「○○ができた!!!」と周りの人からすると小さなことでも、子どもとも保護者ともスタッフともみんなで喜びながら、この“できた”をもっと長期的な視点でとらえ、子どもたちが大人になったときに、自分で自立して生活ができるようになることを考えます。そのためここに通っている子ども達は、この施設で重要な時期をここで過ごしているのだと常に感じているので、しっかり責任を持って子どもたちと向き合うようにしています。

━━この仕事をしてから、どのような能力が身につきましたか?

子どもたちが乗り越えなければならない「壁」に気づけるようになりました。泣いている子どもが、今、何につまづいて泣いているのか、泣くという事でなにを訴えているのか。言葉を発しない動作について、その子にとってどんな意味があるのかを考える引き出しが増えました。これは、現場の経験がとても大きいです。本に書いてある知識だけでなく、子どもたちと日々接する中で、その子なりの特徴がみえるようになりました。

━━どうして岐阜で働こうと思われたのですか?

大学時代は、地元から通っていたこともあり、地元で働くことしか考えていませんでした。家族が大切で、家族が大好きなので何かあった時に相談するのは家族。その家族と一緒に生活したいという想いはありました。また、今考えると、地元のつながりが強い事も理由の一つです。先ほど、家族に相談すると言いましたが、自分の性格を良く知ってくれている幼馴染にも相談できることは心の支えとなっています。あと、地元で働いていると、同級生や知人と、仕事として出会うことがあります。最初は知り合いだと、相談しにくいかなと思っていたのですが、実際は、安心して相談できるからよかったと言ってくれる方が多く、地元の友人の力になることができるのは、この地で働いているからこそだと思いました。

 

働いてから感じた岐阜の魅力はありますか?

人の温かみですね。例えば、この職場は特にですが、誰かが急に休んでも、すぐに声を掛け合って、率先して助け合っています。それぞれの大変さを分かりあいながら、お互いに不足する部分を補って働けるのは、岐阜県民の良さだと感じています。少し話はそれるかもしれませんが、昨年大雨で3日間停電がありました。その際も、私の地元では、近所の人でお風呂を貸し借りしたり、冷蔵庫の食材を共有して助け合うなど、地元ならではのつながりの大切さを感じました。

━━仕事には、どんなやりがいがありますか?

子どもたちが何かできた時の喜びを、一緒に感じられることはやりがいです。先日、普段は表情が乏しい子とご飯を食べていました。その子と卵焼きを一緒に食べた時に、「おいしいね」と私が言うと笑顔を見せてくれました。一緒に「卵焼きのおいしさ」を感じられた喜びは、その子にとっても大きかったようで、その後も、一緒に遊ぼうと寄ってきてくれるようになりました。具体的に挙げるときりがないほどうれしいことはたくさんあります。

━━他にはどんなことがやりがいですか?

子どもたちの喜びだけでなく、保護者の方や、他の職員の「できた!」を一緒に喜べることです。この事業所には、保育士だけではなく作業療法士、言語聴覚士、特別支援学校の元教員など、いろいろな職種のスタッフがいるので、子どもたちがどうしたらできるようになるか、どう関わればいいかを多方面から考えることができ、いろいろやってみることができます。その上で、子どもたちの“できた”を一緒に喜びを分かち合えることがとても嬉しいです。一緒に悩んで、相談し合い、喜びを分かりあえる仲間の存在は大切です。子ども達それぞれ、課題もいろいろありますが、どんなことでも、たくさん悩んで取り組んだことは、達成感は大きく、やりがいを感じますし、次への意欲に繋がっています。

   

━━嶋井さんがお仕事をする上で最も大切にされていることは何ですか?

人とのつながり、出会いです。ここの事業所を選び、ここに子どもを通わせたいと思っていただけた方とのご縁を大切にしています。ここで過ごす時間は限られています。その時間をどう一緒に過ごすかによって、子どもたちも、保護者も、職員も変わります。子どもたちの成長を感じて、保護者の方に、「ここに来てよかった」と喜んでもらえた時、私たちも出会えてよかったと思います。また、この出会いから、いろいろな方と繋がることもできます。なので、このご縁を大切にしています。

最後に地元就職を目指す後輩へのメッセージをお願いします。

大学のうちに、視野を広げておくといいです。あえて自分が目指す道ではない経験をすると、もっともっと視野は広がります。私も、大学の時に、保育士以外の資格をとるなど、もう少し視野を広げておけばよかったなと思うことが社会に出てたくさんありました。それから、大学でできた仲間を大切にしましょう。学生のころ、「ふくしってなんだろう」と夜通し語り合った仲間たちとは、今もつながっています。何年たっても話し合える場所があることは心の支えにもなります。

~インタビュアーの感想~

印象に残った言葉は、“今ここでできること“です。子どもが成長する場、子どもを育成する場はたくさんありますが、この事業所では、子どもたちのために何ができるのかをしっかりと考え、行動されていることが伝わってきました。私は教師を目指していますが、学校以外で、生活し学んでいる子どもたちの様子をもっと知りたいと思いました。岐阜県で働いている方とお話しし、その方自身の生き方や考え方を知ることで、自分の視野が広がり、多様な知識や考えが身に付けられると感じました。

子ども発達学部子ども発達学科 髙木歩水

私は初めて取材に参加させていただきました。今回の取材を通して、岐阜県で働くことの魅力や放課後デイサービスのやりがいを改めて感じることができました。時期ごとに必要な支援や、長期的な視点で丁寧な支援をすることで、子どもだけではなく、保護者の方々や、その周りの環境をも巻き込んだ支援ができるということがとても素敵だと思いました。そして、岐阜県の地域とのつながりの強さや、穏やかな空気などが、周りの環境により良い影響を与えているのかなと思いました。

子ども発達学部子ども発達学科 有本晶香

課題解決型インターンシップオリエンテーション開催!

ミッションは「医療福祉の仕事の魅力を伝える!」

2019年7月26日、社会福祉法人新生会のサンビレッジ岐阜で、課題解決型インターンシップのオリエンテーションを開催しました。

サンビレッジ岐阜が入っている岐阜シティータワー43を中心とした施設では、夏休み期間に小学生のお仕事体験を受け入れています。今回のインターンシップは、その現場に大学生がスタッフとして参加。小学生や受け入れ先の事業所の方たちと関わりながら、課題解決に向けた提案を考えて発表します。

お仕事体験は、6年目。今年はのべ170名ほどの小学生が、放送局や診療所、保育園、薬局など、11の職業を体験します。しかし、職種によって申込数に偏りがあり、特に、福祉関係の職業は人気がありません。

そこで、インターンシップに参加する学生たちは、医療福祉の仕事を正しく理解してもらい、その魅力を伝えるにはどうしたらいいのかを考えていきます。

 

オリエンテーションは、サンビレッジ岐阜のコンセプト説明からスタート。本学の卒業生でもある井上さんからお話を伺います。

サンビレッジ岐阜では赤ちゃんから高齢者まで、最期まで安心して暮らせる街づくりをスローガンに、様々な取り組みを実施されています。その中で、なぜ小学生の職場体験を行うのか。それは、子どもたちが集まることで、ここで暮らす高齢者の方たちの笑顔が増え、生活が豊かになる多世代交流の一環として行ってきたとのこと。

そして、本物の現場で、本当の仕事を体験してもらい、その仕事の魅力を知ってほしい。それが、何年か先に一緒に働くために、今後の社会を担う世代への種まきになるという井上さんのお話に、学生たちもインターンシップへの意欲が高まります。

次に、実際に小学生たちが体験をする職場を順番に訪問。それぞれの職場の、昨年の様子などを伺い、課題解決へのヒントを集めていきました。

 

最後に、インターンシップに参加する日程や、どのように進めていくか、どんな情報を集めていくかなど、発表に向けた作戦会議を行い、本日は無事終了です。

いよいよ来週からインターンシップが開始します。学生たちから、どのような提案が出てくるのか、楽しみです。

第5回岐阜しごとサロン開催!

2019年6月27日(木)に、岐阜県で働く社会人と気軽に交流し語り合う企画「岐阜しごとサロン」を開催しました。

今回で5回目の開催。岐阜県の医療法人社団友愛会から佐藤景子さんと、岐阜県総合医療センターの重度心身障がい児施設「すこやか」から中村仁隆さんの2名にお越しいただきました。お二人とも本学の卒業生で、通学期間も重なっていたそうです。久しぶりの再会にもかかわらず息ぴったりでした。

お2人とも医療機関にお勤めということで、学生からは、医療機関の仕事内容やその違いについて掘り下げた質問がありました

--医療ソーシャルワーカーは、実際にどんな仕事をしますか。

病院が担っている役割によって、ソーシャルワーカーに期待される役割も違ってきます。まずは、その病院の役割を知っておくことが大切。岐阜県総合医療センターは、第三次救急医療の指定を受けていることもあり急性期の方に対応することが多くなるので、いろいろな人が救急で搬送されます。例えば、虐待やDVが疑われるケースだと児童相談所と連携することもありますね。

 

--回復期や慢性期は、どのような仕事になるのですか。

友愛会は主に回復期が中心です。回復期では、いろいろな人が協力して、退院させていくことになるので、そこが醍醐味というか、ソーシャルワーカーの腕の見せ所。ただ退院させればいいというのではなく、その人に応じた支援をしていくことが問われます。例えば、若い人だと退院後に復職が待っていたり、障害がある人だと通勤のための運転支援が必要になったりなどの生活課題が出てきます。また、高齢の方だと、どの制度を活用できて、どんな支援が受けられるのかを調べた上で、その人に応じた生活支援を考えていくことが必要です。慢性期は、地域の施設など日常的な連携をしていくことになり、これもすごく大切な役割です。

--医療ソーシャルワーカーの役割は?

患者さんのことを代弁するのがソーシャルワーカーの一番の使命です。その方の“病院”を出たあとの生活環境をどうしていくか考えること。それをするには、地域の中にどういう社会資源があり、どういう制度があるのかを知っておく必要があります。また、チームで関わることになるので、各職種の視点をまとめていくのが腕のみせどころです。チームの中ではとても重要な存在ですよ。

--他の職種と意見がぶつかることはないのですか。

もちろん、あります。そういったときのために、自分の強みをもつことが大事になってきます。それは、地域資源を知っておくことや、ワーカーとしてやるべきことを理解しておくことです。そして、そもそものところで、人と人とのコミュニケーションが求められます。

 

--配属は、どのように決まるのですか。

 それも病院によって違ってきます。友愛会はデイサービスも持っているので、そこで経験を積んで地域について知ってもらってからワーカーになることができます。そこがうちの強みです。よりよい退院支援をするには、地域を知り、そこにある社会資源を理解しておくことが重要。社会福祉士のするコーディネートは、“つなぐ”だけじゃなく、地域に出てからの生活を想像していくことが求められています。自分の土台をしっかりつくって、その後、ワーカーとして活躍してほしいです。

--学生時代にしておいた方がいいことは?

 病院によって持っている機能が違うので、機能の異なる病院を2か所以上は見てほしいです。できれば個人的には、先生や先輩などの人脈をたどって実習をお願いしてみるのもいいと思います。職場の雰囲気を見て、どの部分で活躍したいかを考えながら見に行ってください。

学生は、医療機関の役割の違いから、同じ医療ソーシャルワーカーでも異なる役割を果たすことについて就職に影響する気づきがあったようです。

 

【卒業生取材】社会医療法人聖泉会 聖十字病院を訪問!

本人が、本人らしくあられるように

一人の人として本人を大切にする

卒業生の活躍を取材する企画。今回は岐阜県岐阜市出身の鹿内真子(しかない まこ)さん[2018年卒]を訪ねました。美浜キャンパスの社会福祉学部で社会福祉士と精神保健福祉士の資格を取得された鹿内さん。卒業後は岐阜県土岐市にある社会医療法人聖泉会「聖十字病院」でソーシャルワーカーとして活躍しています。インタビュアーは、社会福祉学部4年の麓由名さんと渡辺日菜子さんがつとめます。

━━1年目はどのようなお仕事をされていましたか?

最初は、病院内の相談室に配属され、主に入院されている方の対応をしていました。大学でソーシャルワークの勉強はしてきたのですが、実際に現場でやってみると、思っていたよりも自分ができなくて苦労しました。この1年は、なんとか仕事をこなしていったという感じです。

━━現在はどのようなお仕事をされていますか?

2年目に入って、地域活動支援センターに移りました。ここでは、500円以内で散歩に出かけたり、ランチ会やディナー会を企画するなど、利用者の方と一緒に活動し、交流しています。電話による相談対応も私の仕事です。これからは、もっと、地域のネットワーク作りにも力を入れたいです。

━━この仕事をしてから、どのような能力が身につきましたか?

目の前の方が抱えている困難さが、以前よりわかるようになったと思います。精神障がいの方は、見た目では障がいがわかりにくいこともあります。生活に何も支障がないように見えても、話を伺っていくと、その人なりの生きづらさを感じている。それが前よりは理解できるようになったと思います。

━━他にも変わってきたことはありますか?

目の前の方に対して、自分がどうあれば、心を開いてくれるのか、本心を話してくれるのかを考えるようになりました。この1年いろいろな方と接してきた中で、自分のあり方次第で、相手との関係性が変わってくること、身をもって実感しました。自分のあり方を考えるようになれたのも成長かなと思います。

 

━━働く上で心がけていることはなんですか?

私が大切にしていることは、人として接するということです。疾患がある、障がいがある、ではなく、まずは、同じ「人間」同士。当たり前のようで、当たり前になっていないのではと感じます。だからこそ、この人としての関わりを私は大切にしています。

━━他にはどんなことを大切にされていますか?

相手ができることを奪わないことです。「何かをしてあげる」ではなく、目の前の方ができることは自分でやってもらう。誰かの手助けがあるとできる方であれば、手伝わせていただくが、すべてをやってしまわない。その加減は気をつけるようにしています。

━━仕事のどんなところにやりがいを感じますか?

やりがいというか面白さですが、自分を知れるところです。これまではあまり自分のことを知ろうとはしてこなかったですが、この仕事をしていると、目の前の方を通じて、いろんな自分が見えてきます。何気ない会話の中で「あ、こんな風に感じた」と自己覚知できることが面白いですね。

━━仕事の原動力は何ですか?

「この人のようになりたい!」と、目標になる先輩がいることです。その先輩と全く同じにはなれないけど、少しでも近づきつつ、自分なりの良さどう生かしていけるか考えています。また、忙しく働く方々の姿を見ていると、少しでも力になりたいと思い、頑張らなきゃと思います。

 

━━どうして岐阜で働こうと思ったのですか?

岐阜が好きなことと、この職場に出会えたことです。病院見学に来た時に、対応してくれた方の、患者さんへの接し方や関わりを見て、「ここで働きたい」と思いました。というより、「この人についていきたい」と言った方が正しいかもしれません。自分が目標とする先輩に出会えたことは、就職先を決めるにあたって大きかったです。

最後に地元就職を目指す後輩へのメッセージをお願いします。

自分が何をしたいのかがあると頑張れると思います。それは、今じゃなくても良くて、将来、こうしたいとか、こうなりたいとか。私の場合は、それが先輩でした。まずは、自分を見つめ直して、自分とちゃんと向き合うことで見えてくると思います。「こうしなきゃ」とか、「こうあらねば」と思うと、知らず知らずのうちに自分を型にはめてしまって、自分らしさがなくなってしまうので、ありのままの自分を受け入れてみてください。

~インタビュアーの感想~

働き方のイメージがより具体的になりました。業務は幅広いですが、自分なりにどこからどこまでやるのか考えなければならないと思いました。そのために、この職業の専門性や支援のあり方について今から深めておくべきだと感じます。多くの人と関わりながら自分らしいソーシャルワーカー像を考え、自分らしい働き方をしたいです。

社会福祉学部社会福祉学科 渡辺 日菜子

鹿内さんの話を聞き、就職がゴールだと、どこか甘い考えをしていた自分に気づくことが出来ました。「先輩ワーカーのようになりたい。だけど、私らしくもありたい。」という言葉から、ソーシャルワーカーとしての理想と自身という個性を大事にしていると感じました。日々の業務の中で「どうなりたいか」ということを考え、どう行動すれば、なりたい姿になれるのか、そういう振り返りが大事なんだと学びました。

社会福祉学部社会福祉学科 麓 由名

【卒業生取材】社会医療法人蘇西厚生会 松波総合病院を訪問!

目の前の方が望む生活に、少しでも近づけることを突き詰める

卒業生の活躍を取材する企画。今回は岐阜県岐阜市出身の浅川真由(あさかわまゆ)さん[2018年卒]にお話を伺うために職場を訪問しました。浅川さんは、半田キャンパスで理学療法士の資格を取得。現在は岐阜県笠松町の社会医療法人蘇西厚生会 松波総合病院で働かれています。インタビュアーは、浅川さんと大学時代から関わりがあった、健康科学部4年の河合裕聖さんがつとめます。

━━入社してから、お仕事はどうですか?

1年目は回復期の病棟にいました。大学の時の実習でも回復期に行っていたので、1年かけてなんとか、仕事の流れをつかみ、自分なりに考えられる部分も出てきました。作業療法士や看護師の方など、他の職種と連携することも多いです。先輩と一緒に支援をする時間も以前より少し減ってきました。

━━2年目は何か変わりましたか?

2年目に入って、急性期のチームに入りました。大学時代も合わせて、急性期病棟は初めてなので、また入社したての頃に戻った感じです。回復期では関わってこなかった疾患を持った患者さんもいらっしゃり、勉強することが多くなりました。

━━働き始めてから、どんなことが身につきましたか?

患者さんがどこまでの回復を求めているのかを把握するために、最初に話を伺います。その際に、何を聞けばいいのか、ポイントが絞れるようになりました。また、その方の希望を叶えるために、どんな方法があるのかを考える力が身についたと思います。患者さんの力を高めることも大切ですが、ご家族の協力や、福祉用具の利用など、幅広く検討しています。ただ、急性期ではまだ回復期の時のようには考えられていません(笑)、これからです。

 

━━他にも身についたことはありますか?

身についたというか、自分がわからないことがわかってきました。最初の頃は、自分が何をわかっていないかがわからなかったので、先輩に何を聞いていいのか、質問が出てきませんでした。それでも、一人で抱え込んでいると患者さんにとっても良くないので、相談は早めにするようにしています。

━━どのようなことを大切に働かれていますか?

患者さんが望む元の生活になるべく近づけるにはどうしたらいいかです。私の想いですが、病気や怪我をされて、それが原因で家から出なくなるようにはなってほしくないです。完全に元通りとはいかないこともありますが、少しでもその方が回復できるよう、意識をしています。

━━他にはどんなことを意識していますか?

患者さんのモチベーションです。例えば、入院中にリハビリを続けていると、モチベーションが下がってしまう方も少なくありません。常に、患者さんの様子を見ながら、気持ちが下がっているなと感じたら、良くなっている部分を認めて伝えるようにしています。昨日できなかったことができたり、歩ける距離が伸びたり、前向きな変化がわかると、「もう少し頑張ってみよう」と思っていただける方が多いです。

この仕事のやりがいはどのようなことですか?

退院された患者さんが、その後、元気な姿で声かけてくれると、私も頑張ろうと思います。先ほども言いましたが、患者さんには、少しでも良い状態になってほしいです。なので、リハビリを頑張って、回復して、元気になってくれることが、とてもやりがいになります。それから、この職場は、患者さんもスタッフも良い人が多く、働きやすいところも、私にとって、仕事を頑張っていける原動力です。

 

━━岐阜で働こうと思ったのはどうしてですか

仕事を始める時は、仕事に集中したかったので、知っている土地が良かったです。それと、今の職場と出会ったことも大きいです。大学時代に、自分がどんな病棟で働きたいのかを決めきることができませんでした。だから、色々と経験ができる総合病院がよかったです。ここに見学に来た時に、対応してくれた方が今の上司ですが、とても安心でき、ここならやっていけそうだと感じました。それと、岐阜の雰囲気が自分に合ってるし、好きだということも岐阜で働くことを決めた理由です。

最後に地元就職を目指す後輩へのメッセージをお願いします。

働き先を選ぶ時には、まず、自分が働く上で何を重視するのかを考えると良いです。私は、職場の雰囲気や場所、総合病院という点でした。そのポイントをもとに見学に行くと、より自分に必要な情報が得られると思います。また、実際に働いている先輩と話をしたことも、私は決め手になりました。自分が目指す先に、日本福祉大学の先輩がいれば、ぜひ話してみてください。

~インタビュアーの感想~

卒業生へのインタビューを経験して、就職前後の生活や働いているときに大切にしていること、仕事をして身についたことなど、直接聞いてみないと分からないことがたくさんあり、とても貴重な経験ができたと感じています。現在、私は就職活動が始まっていますが、具体的にどういう所を意識して施設見学や情報収集をすればいいか、はっきりしていませんでした。しかし、インタビューで先輩が実際に就職活動で行っていたことや、重要視していたことなどもうかがうことができ、自分が悩んでいたことを解決することができました。今回の経験を就職活動だけでなく、就職後にも生かしていきたいと考えています。ありがとうございました。

健康科学部 理学療法専攻 河合裕聖