子どもに今起きている状況に思いを巡らせた支援を

日本福祉大学同窓会設立60周年を記念して、6月27日(土)に日本福祉大学東京地域同窓会主催の市民公開講座が、飯田橋レインボーホールで開催され、約70名の同窓生の方、市民の方が参加をされました。
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記念講演では、日本福祉大学卒業生でもある浅井春夫立教大学コミュニティ福祉学部長が、「子どもの貧困と改善の課題」と題して、子どもの貧困の根絶に向けて何が必要かを講演されました。

浅井先生は最初に、実際に起こっている家族と子どもの貧困の例として、「虫歯が20本もあっても治療がされていない子ども」、「給食実施率の低い大阪市では弁当を持参できない子どもが昼休みには教室を出て行く姿」、「修学旅行の積立金を崩して生活費に充てている家庭」等をあげ、こうした状態になってしまう子どもの状況を想像して見極めていくことが大切であるとお話しされました。
日本の子どもの貧困の状況については、いくつかの統計数値等が発表されていますが、数値だけではない実態をつかむことが大切で、その中から具体的な課題の抽出をしていくことが重要であることが指摘されました。
厚生労働省の統計では、「大人が2人以上」の世帯での貧困率は、2012年で12.4%となっていますが、この背景には非正規雇用の問題があり、貧困の解消のためには何に取り組まなければならないか、その問題の背景をつかむことの重要性もお話しいただきました。
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「貧困」は、「経済的貧困」から「貧困の文化」さらに「発達の貧困」から破壊的な暴力行動へという連鎖が生まれていることが指摘され、お金があれば解決するという単純な問題ではないが、「経済的な貧困」が確実に子どもの虐待や暴力の要因となっていることを解説していただきました。
浅井先生は、海外諸国の「貧困」の根絶に向けた取り組みとして、イギリスやフィンランドの事例、アメリカでの調査を紹介したうえで、「子どもの貧困」を克服するための戦略的視点として、年齢に応じた子どもの貧困対策、貧困世帯向けの児童の生活・教育保障制度の拡充、財政的余裕のない中での優先度の設定、子どもの貧困実態調査の必要性など、10の視点を提起されました。
子どもの貧困対策には、「経済的保障」、「食の保障」、学習権・進学権の保障」、将来の「労働生活への連結」の4つの矢が必要であるというお話に、参加した卒業生のみなさんは大いに頷いていました。
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この講演の後、東京地域同窓会の総会が開催され、ミッションとビジョン、活動方針を確認。
さらにその後開催された懇親会では、参加者のみなさんが近況を交換し合い、一層の交流を深めるものとなりました。
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