社会福祉の原点:「貧困」問題を考える

2016年度に入り、関東地方の地域同窓会のトップを切って、5月14日(土)に神奈川県地域同窓会が横浜市のウィリング上大岡で開催されました。
今年は参加者確保に苦労されたと会長さんは仰っていましたが、メイン企画である本学山田准教授の講演には75名の卒業生・在校生の方が参加し、会場はほぼ満席となる盛況ぶりでした。
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名古屋でホームレスの支援活動を長く続けている山田壮志郎准教授は、「広がる貧困-生活困窮者の支援を通じて福祉の原点を考える-」と題して講演。
その地域に住居があって、住んでいなければ、保育や教育など地域福祉のサービスも受けられないという現実があることから、人間の社会的存在は、住居があることが基盤になっているということから、お話が始まりました。
社会福祉の原点は貧困問題とのこと。バブル期は貧困が見えにくくなった時期もありましたが、今また貧困問題が広がっている現状があるとのこと。
相対的貧困率は1990年代後半から上昇中だそうです。
生活保護受給者も合わせて上昇し、これも2008年のリーマンショック後に急増しており、非正規雇用の増大がその背景にあると山田准教授は指摘します。
現在のホームレスの人には、精神疾患と知的障がいを持つ人が6割を超えており、ホームレスになる人の半数は非正規職からホームレスになったもの。
高齢や不況によって仕事に就けなくなり、ホームレスになるケースがあること、不安定な雇用と不安定な住居が結びつくとホームレスになりやすい情況を解説していただきました。
さらに、仕事と住居の喪失に加えて、人や社会との関係性の喪失もホームレスの問題としてあるとのこと。
湯浅誠氏は、「貧困とは”溜め”の喪失」と述べておられますが、金銭的な「溜め」だけでなく、人間関係や精神的な「溜め」も生きていくためには重要な要素だと山田准教授は語ります。
ホームレスや生活保護を受給している人は、社会的関係性に困難を抱えている人も多いことから、釧路市が実施している「中間的就労」を含めた支援ような、「顔の見える関係」づくりが偏見を取り除いていくことが有効な例と紹介されました。
地域の中で居場所と役割を作ることが大事であり、居場所があるということは、貧困の問題を考える上で共通に大切なこと、アウトリーチの手法を使って働くためや生活するための、共通の基盤を作っていくことが、貧困問題解決には重要であることをお話しいただきました。
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前後して開催された地域同窓会では、2016年度の活動方針を承認。
今年も8月に通信教育部学生の交流会を開催していただくことなど、県内の在校生支援の取り組みを行っていくことなどが確認されました。
同時に取り組まれた熊本地震に対する義援金の訴えには、27,473円が集まり、確認された活動方針を実践する活動も取り組まれました。

その後の懇親会には、卒業して50年以上を迎える大先輩から、現在、通信教育部や通学課程の学部で学ぶ現役の学生まで幅広い年代層が参加。
現役の学部4年生が県内で就職を希望していることが紹介されると、たくさんの先輩たちから「ぜひわが施設へ」とお誘いの声。
最後まで温かい関係性を保ち続ける会となりました。