ホームレス問題は貧困の極限的な現れ

東京都内には2,000人を超える日本福祉大学卒業生の方が、公務員、社会福祉施設、医療機関、民間企業、地域の市民団体等で活躍をされています。
その卒業生の方々の集まりである、東京地域同窓会の講演会と総会・懇親会が、去る6月25日(日)に千代田区麹町の弘済会館会議室で開催されました。
DSC01297DSC01305講演会では、本学社会福祉学部の山田壮志郎准教授が「貧困ビジネスの現状と公的扶助の課題」と題して、約70名の参加者を前に講演を行いました。

山田准教授は、ホームレス問題は貧困の極限的な現れであること。ホームレスであるということは、雨風、暑さ寒さから自分を守る場がないということ。家がないと住民登録ができないため、地域福祉サービスも受けることができない状態であると、「ホームレス」の社会生活上の困難性を解説したうえで、ホームレスの増加と共に無料定額宿泊所が増えてきたという傾向を説明されました。
ホームレスでは生活保護が受けられないため、無料定額宿泊所に入り、居住地を確保して生活保護を受けるという利用者の切実なニーズがその背景にあること、そこにつけこんだ「貧困ビジネス」が発生していること、福祉現場の担当者もその施設に対応を丸投げしている現状あることが、無料定額宿泊所が存在する背景になっているといいます。
行き場のないお年寄りが定額宿泊所に入居している現状があり、低所得の高齢者の居住対策を考える上でも大事な課題であるとしたうえで、山田准教授は、無料定額宿泊所の存在理由を明らかにし、そこに依存しない生活保護対策を考えるべきであると提起しました。
低所得の高齢者の居住問題に警鐘を鳴らしているのが無料定額宿泊所の問題であり、これからの社会福祉の課題が表れていると山田准教授は述べ、無料定額宿泊所に依存しない体制が必要と訴えました。
そのためには、規制の強化、住宅扶助と生活扶助の切り分けと生活支援コストの確保、一般住宅への移行促進が本筋で、生活困窮者への居住政策強化が必要であると参加者に語りました。
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講演の後は、東京地域同窓会の総会。
医療機関や社会福祉施設の見学といった、現場で働く卒業生の学習の場となる企画の実施や、神奈川県地域同窓会と共催で開催する森林セラピーなどの交流企画などの実施を盛り込んだ事業計画案が承認されました。
こうした企画にもさらに多くの同窓生のみなさんの参加が期待されます。
同時に取り組まれた、熊本地震被災者への義援金協力の呼び掛けには、21,710円の募金が集まり、同窓会本部を通じて被災者支援に届けられることが報告されました。

その後行われた懇親会では、日頃の仕事の情報交換や昔の学生生活の想いで話など、久しぶりの再会や世代を超えた交流で親睦を深める一日となりました。