真っ暗な世界の中から見えるもの

「暗闇研修」

最近見たテレビ番組で【暗闇研修】というものが取り上げられていました。名前だけを聞くと、怪しげですが、今人気の企業研修で、500社以上の企業が既にこの研修を取り入れ、17万人以上の人がこの研修の体験をしているそうです。

ダイアログ・イン・ザ・ダーク(DID)というこの不思議な研修は、東京サテライトが以前に事務所を構えていた日本青年館のすぐ近くにその研修会場があります。
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参加者は、完全に光を遮断した真っ暗闇の空間の中にグループを組んで入り、「暗闇のエキスパートである視覚障害者の方のアテンド」によって、声と五感を頼りにしながら様々なシーンを体験をし、チームでミッションを遂行していくもので、この【暗闇研修】で目指すのは、視覚以外の感覚の可能性と心地よさへの気づき、コミュニケーション能力の向上と、チームワーク強化だそうです。なんと、人間の脳は情報処理の8割以上を視覚に頼っているのだとか。


少し話が飛躍しますが、このような不自由さを伴う【疑似体験】は、私たちの日常生活の中でも、重いエプロンやおもりを身に着けて、お年寄りや妊婦さんの不自由さや危険を体感するプログラムとして、福祉イベント会場や母親学級等でも取り入れられています。

先日、東京サテライトに、聴覚障害の通信教育の生徒さんが相談にいらっしゃいました。私は当然手話はできませんので、全てが筆談でした。1時間以上、コピー用紙10枚近くにも上る筆談でのコミュニケーション法は、私にとっては【初めての体験】でした。自分なりに、手振り・身振りも交えながら「会話」をしたつもりです。彼女が笑顔で「ありがとう」と帰った後、不思議な充足感を覚えました。【疑似体験】は、人の意識や行動も変えてくれると思います。

教育現場でのこのような【疑似体験】の授業をたくさん取り入れて、暗闇の世界、音のない世界、何かしらの不自由さを抱えた世界を、子どもたちにもっともっと知ってほしいなと、テレビ番組を見て、母親目線で思いました。

真っ暗闇から何が見えるでしょう?・・・きっと大切なことが見えるはずです。