地域の課題に見合った福祉の充実が健康格差を是正する

5月17日(日)に、千葉県の福祉・保険・医療及び民間企業の現場で活躍されている日本福祉大学卒業生約50名が参加して、日本福祉大学千葉県地域同窓会が、千葉市のバーディーホテル千葉で開催されました。
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この日はまず、近藤克則日本福祉大学客員教授による「福祉と医療の現状と今後の展望」と題する講演が行われました。
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講演では、地域の力で健康格差を是正する取り組みが始まっていることが紹介され、これまでは個人に着目した支援だったが、これから社会環境の質の向上を図る取り組みが重視されると近藤先生は述べられました。
社会参加、すなわち、その人がいる場を社会的に造ることが重視されるとのことで、その地域ごとに福祉や予防などの取り組みが行われることが重要になっているそうです。
これはいわば、ご近所の助け合いの考え方。地域での信頼に基づくネットワークによる助け合いという、日本的な地域関係そのもの。不安や愚痴を聞いてくれたり、買い物を手伝ってくれたり、新しい情報や知識を交換し合ったりという地域コミュニティが大事であると言います。
地域のコミュニティが活発なところほど、ボランティアへの参加率も高いし、スポーツの会や趣味の会が盛んな地域ほど「うつ」の発症も少ないという研究データもあるとのこと。
また意外や、坂道や階段が多い街の方が転倒事故を起こす人が少ないのだそうです。
地域の特長が転倒や「うつ」の発生数、要介護認定になる率、自殺率にも影響するということが分かってきたことから、地域づくりをきちんとすれば健康を維持できるし、介護予防やうつの予防にもつながるということも明らかになってきました。
そのためには、地域診断によって地域課題を把握し、地域の資源を使って環境を変えていく必要あります
千葉県でも、糖尿病などは地域によって明らかに健康の格差があるデータがあるそうで、こうした地域課題を明らかにすることによってその課題を組み合わせ、複合的な課題を解決した例もあると紹介されました。
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近藤先生は、最後に健康格差是正のための7原則を次のようにまとめられ、地域の福祉・医療の向上に貢献されている卒業生のみなさんに期待を述べられました。
1.現状の情報や課題の共有
2.ホントに困っている人たちに手厚くする施策
3.胎児期から生涯にわたる経験と世代に応じた対策(母子の健康が大事)
4.PDCAマネジメントサイクルを回す(短期、中期、長期の目標)
5.国、地方自治体、コミュニティ、NPOなどの特長と関係を活かした重層的な対策
6.地域を超える、縦割りを超える
7.コミュニティづくり、いろんな人と手を組んで協力する
地域参加と幸福・健康の指標は一致するというお話に、参加者のみなさんは大きくうなずきながら聞き入っていました。
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講演の後には総会が開催され、今年度の千葉県地域同窓会の活動方針が確定。
その後行われた懇親会では、各職場の状況についての情報交換や、通信教育部での勉強に関する情報交換などが盛んにおこなわれ、参加者のみなさんの交流を深める一日となりました。
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