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GFSⅢの学び③ 主権者教育「模擬立候補」

1月、3年生のGFSⅢの授業では、2週にわたって「主権者教育」を実施しました。
第2週目は「模擬選挙振り返り」と「模擬立候補」です。
今回はGFSⅢの担当者による、クラスごとの授業となりました。
 
 
まずは3限目。前週の振り返りから。
前週の出口調査(アンケート)を元に、選挙結果の分析を行いました。
各々が「なぜ自分が投票しなかった候補者に投票したのか」を考えました。

 
 
 
 
 
 
 
キーワードは、①消費税、②教育無償化。
高校生にとっては(特に私立高校に通ったり、大学進学を考えたりしている生徒にとっては)とても身近な「なんとかしてほしい」問題なのだと思います。
日本の消費税は世界の「消費税の低い国ランキング」の中でも6位。消費税が高い国ランキングの上位には、消費税は25%の北欧諸国が並びます。これらの国は高負担ですが、福祉に関する社会保障制度が充実しています。「高福祉、高負担」です。
②の教育無償化をするためにもやはり問題になるのは財源。
改めて、選挙に行くときに重視したい政策は何か、生徒は考えました。
 
また、若者が選挙に行かない理由も、ワークシートを元に考えました。
いちばん多かった票は「面倒だから」。次いで「政治に関心がないから」。
ではどうしたら若者の投票率は上がるのか、考えました。
〈生徒の意見〉
・どんな政策をしようとしているのか、もっとアピールする。理解ができる場をつくる(人目のつくところで広告したりCMで流したり)
・若い人が立候補し、若い人のために多くの政策をする党があってもいいと思う。
・若者が興味を持つようなインパクトのある政党・政治を作る。
・公約を達成している人をあまり見たことがなくてあまり信頼がないから、投票しに行かない人もいると思う。だからまずは一つでも達成したら、信頼できるし、支持しようと投票しに行くと思う。
・投票はやってみるとすぐ終わるし、簡単だということを知ってもらう。
・ネットでも投票できるようにする。
・義務教育での模擬選挙の授業。授業を通して選挙について知る機会を持つ。
・政治について興味が持てるように学校で学ぶ
 
 
4限目は「模擬立候補」。
架空の「NFU町」の町長選に立候補するという設定で、NFU町の概要を読み、問題点・解決策、理想とするNFU町を考え、ワークシートにまとめます。
そして、「理想とするNFU町」にするための政策を考えます。

 
 
 
 
 
 
 
〈生徒の意見〉
・空き地を利用した移住計画:空き地を格安な値段で売買して人口を増やし、産業をより豊かにする。
・個人経営者を応援:たくさんのお店で経済を豊かに!(食は地産地消を推奨)
・町のふくしの充実:店・産業などを個人に任せ、公共交通機関の充実、医療の面も整えていく。
・移住して来た人、地元に戻ってきた人には特典をつけてより暮らしやすい町にする。
・高齢の方が安心して暮らせるようにインフラの整備、医療・福祉の拡充。
・子育て支援:高校生まで病院代タダ、子どもが生まれた家庭には子育てに必要なもの(ミルクやおむつなど)をプレゼント(子ども1人につき1つ)
・YouTubeで動画を配信する。
・インスタなどを使って、NFU町の魅力を伝え、観光に来てもらう。
 
また、投票率を上げるための工夫も考えました。
〈生徒の意見〉
・ネット投票。仕事場でも投票できるようにする。
・若者から高齢者まで納得のできる公約をする。
・毎日、人の多いところで演説をする。
・地域の人の意見を聞く。
・若者の選挙への関心を上げるために、高等学校を中心とした選挙のための学習を行う。
・各学校で授業をしてもらい、わかりやすくマニュフェストを伝える。
・質問や疑問にもしっかり答え、町民の信頼を得る。
・信頼してもらえるように、実現可能のことを最初にして、見てもらう。
・投票に行った人だけがもらえる、町のお店で使えるクーポンや特典を用意。
・NFU町は高齢者が多いので、できるだけアナログな形でわかりやすく、かつ若い人たちにも伝わるように工夫する。
 
ワークが終わったあと、最後のまとめを行いました。
担当者が強調したのは、「みなさんには変える力が保障されている。その権利を守ってください。権利は守り続けなければなくなってしまうかもしれない。投票率が低ければその世代は無視される。投票率を上げて注目してもらおう。みなさんには社会を動かす力がある」ということ。
2週に渡って授業を担当した教員たちが、18歳が社会に参加する意義をそれぞれの言葉で語りました。
生徒たちも、これまで学んだ知識や感じていたことを手がかりに、政治について考えました。
これから社会に出て行く生徒たちの心に残る授業になったのではないでしょうか。
 
〈生徒の感想〉
・2週間選挙について学んでみて、やっぱり得票率の上げ方を考えるのは難しいなと思いました。私は、今の政府が行っている政治が好きではないし、コロナ対策についてはあんまり納得ができません。だから18歳で有権者になった今、選挙に行ってみたいという気持ちがあります。でも、みんながこういう考えではないと思うし、実際クラスで挙手したとき、選挙に興味がないという人がたくさんいました。その人たちがそう変わるのか、どうやったら興味を持ってもらえるのか考えるのが難しかったです。私は、有権者としてちゃんと選挙に行きたいと思っているので、機会があれば行こうと思っています。私一人で何が変わるのっていうより、一人一人が投票することによって大きな意見になると思うので、地道に投票したいと思います。
・今の若者に一番必要なのは、選挙に行こう!と声かけをすることだけではなくて、いま自分が住んでいる町の状況を知って考えてもらうことだと思いました。また私自身も投票をする時期が近づいてきているので、自分の住んでいる東海市について、もっと知って考えていきたいと思いました。
・今の政治に対して不満を持っている人はたくさんいると感じています。投票している人は政治に対して不満などの意見があっていいと思うけど、投票していない人が政治に対して不満などの意見を外に発信するのは、少しもったいないと思います。政治に対して意見があるなら、自分の意見として投票したいと思います。実際に自分が立候補することを考えると、今までと政治に対する考え方が変わりました。
・自分はその町・国をよくすることはとても難しいことなんだと思いました。立候補する人は本当によく考えているんだなと思ったし、自分も軽い気持ちで投票をしてはいけないなと思いました。