GFSⅢの学び② 主権者教育「模擬選挙」
1月、3年生のGFSⅢの授業では、2週にわたって「主権者教育」をテーマに授業をしました。
第1週目は「模擬選挙」です。
全体講義の担当は、地歴公民科の山田尚悟先生。各クラスをGoogle Classroomでつないでの授業となりました。
3限目は「18歳選挙権」のメリットやデメリット、政党のマニュフェスト比較など、パワーポイントを使ったりワークショップをしたりしながら、選挙について学習をしました。
印象に残ったのは「5つのモノサシ」。投票する候補者や政党を決めるときの「基準」になる視点のことです。このときに上げられたのは、
①人物重視、②総合判断、③1点重視、④消去法、⑤身近さ
の5点。
あるクラスのモノサシは、②「総合判断」が7名、⑤「身近さ」が6名。
②を重視する子たちの理由は「バランスよくやらないとだめ」「変えてほしいところはたくさんある」、
⑤を重視する子たちは「身近なところから変えてほしい」「今の私のわかる範囲で考えたい」でした。
特に重視しているのは「消費税」。高校生にとっては身近なものですね。
4限目はいよいよ模擬投票。朝から3年生の教室前には立候補者のポスターが貼られていました。選挙ポスターを貼る掲示板も町中にあるものを再現。選挙の雰囲気ができあがっていました。
立候補者は教員2名。
「日本ふくし党」の山本常夫候補と「日本保守党」の森あゆみ候補。この日のために、山田先生の指導のもと、準備を行ってきました。写真のように放送室で政見放送を録画しました。
生徒たちはチラシを見ながら政見放送を聞き、先ほどの「モノサシ」を基準に、誰に投票するか考えます。
森候補の政策は「①公共交通機関・医療費すべて無料、そのために消費税は25%に引き上げ ②特定給付金の再交付 ③憲法改正」。
一方山本候補の政策は「①消費税減税 ②幼児教育から大学までの学費無償化 ③憲法改正反対 ④若者の雇用を守る」。
政見放送ではこれらをわかりやすく説明しています。
生徒は誰に投票するか決め、「入場整理券」を持って投票に向かいます。
記載台と投票箱は美浜町役場から借りてきたもの。実際の選挙の様子を再現しました。
生徒はその中で、投票用紙に名前を書き、投票箱に入れて、出口で「投票証明書」をもらって教室に戻りました。
出口調査も行いました。教室に戻ったら、ワークシートに「①誰に投票したか ②注目した政策とその理由 ③この候補者を選んだ決め手は何か ④もう一人の候補者を選ばなかった理由」をまとめ、Google Formsに入力しました。
結果は山本常夫候補が当選。選んだ理由は、「消費税引き下げ(コロナ禍の中増税したら生活がより厳しくなる)「教育無償化(若い人の未来が広がりそう)」等、身近な「気になること」が基準になっていました。
また、落選はしましたが森候補へも3割の生徒が投票しました。選んだ理由は、「消費税は25%になるが、医療・交通費無料になる(財源が確保されている、少子高齢化社会に寄り添っている)」というものでした。
生徒は自分の「モノサシ」をもって候補者を見て、選んでいました。選挙が身近に感じられる時間になりました。
〈生徒の感想〉
・政治に興味がなく、選挙に行く気はありませんでした。しかし、今日の授業で少し政治について知りたいなと思いました。
・今回実際に模擬選挙を行って、政治に参加する大切さを知りました。あんまりわからないと思っていたけど、実際に政策などを聞いてみると、自分の意見が意外にあることがわかりました。実際に選挙へ行って、自分の思いが反映しなくても、一意見として投票に参加してみたいと思いました。
・今まで選挙はもっと複雑で難しいことだと思っていましたが、身近に感じることができました。リアルに選挙を体験することができたので、本当の選挙を早くしてみたいと思いました。