【Uターン先輩紹介】岐阜県立希望が丘こども医療福祉センター鷲見さん取材

まずは目の前の相手によりそいたい。それがはじまり。

岐阜県郡上市出身の鷲見真祐加さん。大学時代はソフトボールで汗を流し、チームの中心的存在として活躍されていました。2015年に社会福祉学部を卒業後は、岐阜県の福祉職員として、県の障害児の拠点病院であり、福祉施設でもある「岐阜県立希望が丘こども医療福祉センター」に入職。今年3年目を迎える鷲見さんにお話をうかがいました。
━━現在はどんな仕事をされていますか?
岐阜県内で働いている療育関係者を支える仕事をしています。地域で働く保育士の方など、現場で障がい児の療育に関わっている方々の支援技術アップを目的に、研修の企画や運営、療育に関する情報の伝達、共有を行います。また、センターにいる医療やリハビリのスタッフと現場を訪問し、子どもたちにどんな支援が必要かを現場の方と一緒に考えていきます。
━━入職直後はどのような感じでしたか?
最初はわからないことばかりでした。福祉や障がいについては、大学の授業で学んだ知識だけだったので、この仕事を始めてから覚えたことの方が多いです。1年目は、センター
の先生方と現場に出て、子どもたちの様子や、先生方が子どもに接する姿を見ながら、アドバイスをいただき、自分の肌で感じて学んでいきました。2年目になってやっと自分の意見が言えるようになってきたと思います。
━━職場での役割は?
様々な人たちのつなぎ役だと感じています。私が情報を発信することで、現場で直接支援をしている方がつながり、より良い支援ができていくと思います。私が直接支援をするわけではないのですが、県の職員として働くことで、全ての県民の方のために地域を作っているのだと思い働いています。そもそも、私が岐阜県で働こうと思った理由が、今まで、自分を応援してくれた地域の人のために、今度は自分が応援する側に回りたいと思ったことだったので、今の仕事は嬉しいですね。
  
━━仕事におけるやりがいは何ですか?
現場で子どもの変化を知ると頑張ろうと思えます。最初は全く集団に入れなかった子どもが、周りが本人の特性を考え、本人が過ごしやすい環境を整えることで、集団に入れるようになっていく姿を見るとやっていて良かったと。周りが対応に困っている子どもがいても、一番困っているのは、その子自身。だから、いつでも子どもを中心にして、そこから始まっていくことをみんなで考えていきたいです。
━━働いて感じた地域の魅力はありますか?
一生懸命な方が多いなと感じます。困っている子をなんとか楽しんで保育園に通ってもらおうとみんなが考えています。だから、もっと深く理解したいという想いを持っている方が多く、研修会を開くと、遠方から何回も来てくださる方もいらっしゃいます。各地域で様々な取り組みもたくさん行われています。
━━今後のビジョンを聴かせてください?
相手を第一に考えられる職員でありたいと思っています。どんなこともそこから始まると思っているので。また、異動は自分の希望が100%通るとは限りませんが、できればどこに異動しても子どもと関わる仕事がいいなとは思っています。でも、県職員であれば、本当に広く県民に関われるので、どこかでは子どもに繋がっているとは思います。
  
地元就職を目指す後輩へのメッセージをお願いします。
企業でもどこでも、どんな分野でも、日本福祉大学で学ぶ「ふくし」の視点は、社会では活かせる強みになります。例えば、自然に相手の立場に立つことができることなど。だから、学んだことに自信を持ってそれぞれの分野で活かして欲しいです。また、現場で知ることは本当に多いです。だから、実習の経験は何にも代えられないと今振り返ると思います。色々な経験をしておくことが大切だと思います。
 

〜インタビュアーの感想〜
お話を伺い、今まで具体的ではなかった県福祉職の仕事のイメージを掴むことができました。また、仕事の内容だけでなく、「今度は自分が応援する側になりたい」や「子ども一番の目線」など、岐阜で働く決め手になった思いや仕事への思いを聞かせていただくことができました。今回のインタビューを通して、自分がなぜ岐阜でこの仕事を目指すのかを改めて考えることができたと思います。

社会福祉学部社会福祉学科 田中清二朗