事業所取材企画、児童養護施設麦の穂学園訪問!

岐阜県の魅力ある事業所を紹介するガイドブック作成企画の取材。今回は、岐阜県中津川市にある児童養護施設「麦の穂学園」に伺いました。昭和33年、故藤井篤太郎氏から建築物の寄付を受けたことに始まり、施設の増築、改修を経て現在の定員は50名。子ども家庭支援センター麦の穂や乳幼児ホームかがやきも新設され、乳幼児から児童まで支援できる体制をとり、東濃地区の児童福祉地域センターとして機能されています。

今回取材のインタビュアーを務めるのは、社会福祉学部3年の原奏恵さんと、子ども発達学部3年伊藤つかささん。麦の穂学園の横川聖園長から園の方針を伺いながら、施設を案内していただきました。取材日は春休みということもあり、子どもたちが元気に遊ぶ姿が見られました。

一粒の麦は地に落ちて多くの実をつける。自分が成長することでより多くのことを世の中に与えるという想いが込められた「麦の穂」学園。その特徴は、乳児院、養護施設、家庭支援センターの3つが併設されていることです。乳児期から関わることで、子どもたちが施設での生活の中で、自分が大切にされてきたことを振り返ることができることは、子ども達の成長に大きく影響を与える。だから乳幼児期には特に手をかけて接するようにしているとの方針を伺いました。

また、3施設の職員が一緒に研修を受け、情報共有の場を定期的に設けることで、法人全体として様々な視点から子どもたちやその家族に関わっていけることもメリットになっているとのことです。

敷地内全体と、乳幼児ホームかがやきを見学した後は、改めて横川園長へインタビューを行いました。

――生活のルールはどのように決められていますか?

子どもと大人と一緒に話し合って決めています。子どもたちは、小学校、中学校、高校と自治会があり、長期休み中の過ごし方などを主に話し合っています。また、子どもたちからの要望があれば、その都度部会を開いています。例えば、以前は、高校生のお弁当は子どもたちが当番制で詰めていたのですが、話し合いの結果、現在は各自で詰めて持っていくルールになっています。

――子どもたちの意見はどれくらい取り入れていますか?

やりたいことがあれば、職員も一緒になって自由にやっています。先月だと、バレンタインデーのチョコレートを作りたいという声があったので、一緒に作っていました。私たちの仕事は、子どもたちの生活の場を支えています。そのため、様々な行事を通じて、同じ体験をし、子どもの感情を大人が一緒に感じることを大切にしています。また、子どもの「やりたい」を応援し、それを形にすることで、子どもたちが自信を持つことができます。

――情報共有はどのようにされていますか?

全ての職員が参加して顔を合わせて行なっています。特に、炊事係の職員の情報は大きいです。子どもの生活の変化は、朝ごはんを食べない、お弁当を詰めに来ないなど、まず食に現れます。その様子を共有することで、いち早く子どものサポートが行えています。私自身も、朝はできる限り一緒に食べるようにしています。

――子どもたちと関わる時にどのようなことを大切にされていますか?

本気で関わることです。入り込みすぎると客観性がなくなってしまう危険もありますが、それでも、子どもたちに、「ここで過ごして良かった」と本当に思ってもらえるために、真剣に本気で関わります。だから、卒園の時は、旅立つ嬉しさはありますが、寂しさもあり、複雑な想いになります。

――家庭支援センターはどのような役割を担っていますか?

様々な人や機関の間に入り調整を行います。最近は国の方針もあり、里親さんとの関わりが増えています。支援センターが施設と里親さんの間に立つことで、里親さんが施設に直接言いにくいことも支援センターになら話せることも多いのです。間に入りクッションの役割を果たすことで、誰かが傷つくことを避けることができます。

――施設としての役割はどのようなことですか?

専門家としての支援を行うことです。例えば、病気や怪我で入院した際は、医師や看護師などの専門職が連携して患者を支えます。ここも同じで、様々な要因で心が傷つき、社会的に苦しい状況の子どもや家族を、社会福祉士や保育士、心理士などの専門家が支えていく場所です。

――この仕事の醍醐味はどのようなことですか?

子どもを通じて自分が磨かれることです。子どもたちは、関わる相手によって「表す自分」が異なります。そのため、私たちがそれぞれの子どもにとって、どのような存在でいるのかをいつも振り返らされます。子どもたちはたくさんの可能性を持っているため、私たちも一緒に多くの経験ができます。また、この仕事は、結果がすぐに見える仕事ではありません。そのため、自分の仕事のやり方に「これでいいのだろうか」と不安を抱えやすくなります。それでも子どもたちに関わり続けていくために、職員がチームとなってお互いに認め合いながら子どもたちを支えています。

お忙しいなか、取材にご協力いただいた麦の穂学園の皆様、ありがとうございました。

事業所の取材は今後も続きます。関心がある方は、gifuinfo@ml.n-fukushi.ac.jp星野まで連絡をお待ちしています。