【卒業生取材】大垣市社会福祉協議会を訪問

その方ができることに目を向け、

自立のために一緒に悩み考え続ける

卒業生の活躍を取材する企画。今回は岐阜県養老郡養老町出身の安部里奈(あんべ りな)さん[2012年卒]の職場を訪問しお話を伺いました。安部さんは、半田キャンパスの健康科学部で介護を学び、特別養護老人ホームの現場経験を経て、現在は社会福祉法人大垣市社会福祉協議会に所属。大垣市障がい者就労支援センターで相談員をされています。インタビュアーは、社会福祉学部3年の小椋将喬さんと麓由名さんがつとめます。

━━現在はどのようなお仕事をされていますか?

大垣市障がい者就労支援センターで、障がい者の方やそのご家族、受け入れ先の企業の相談を受けています。ご本人からの相談が多く、仕事の探し方や、働いた後の職場での悩みなど、幅広く対応しています。事務所にいるだけではなく、働く現場を訪問して本人さんと企業の間に入り、その方が働き続けられるように調整を行うこともあります。

━━仕事ではどのようなことを意識されていますか?

まずはご本人の想いを受け止めることを大切にしています。働く方法はたくさんあって、ご本人の要望や、その方の障がいの特性に合った働き方を一緒に考えるためには、しっかりと話を聴くことから始まります。また、働いていく中での失敗経験もご本人にとっては貴重な体験の一つです。失敗をさせないのではなく、それを経験として一緒に考え、見守ることも大切な支援だと思っています。

 

━━この仕事の役割はどのように感じていますか?

一つ目は、精神的な支えでしょうか。以前、利用者の方に「何か困った時に、まずは安部さんに相談すればなんとかなる」と言われたことがあり、この仕事が、地域の方の支えになっているのだと感じました。二つ目は、橋渡しです。ここで全ての支援をするのではなく、ご本人が地域で自立して暮らしていくために、例えば、利用できる制度を探したり、地域の支援機関や受け入れ先の企業につなぐことなど、ご本人と地域との橋渡しが私の役割です。

━━この仕事をしてから、どのような能力が身につきましたか?

聴く力は初めの頃より身についたと思います。人はそれぞれ物事の受け止め方や価値観が違います。相談を受けるには、ご本人がどのように捉えているのかを、その方とすり合わせていかなければなりません。どうしたら本音を話してもらえるかを意識してきたことで、聴く力が高まったと思います。また、この仕事に就いて、これまでよりも色々な人と接する機会が増えました。関わった方たちから日々学ばせてもらっています。

━━他にも働かれてから変わったことはありますか?

働くということは、当たり前のことじゃないんだなって気づきました。色々なことにぶつかり、色々な人と関わり、働くことって実は難しいことなんだなって。この仕事をしてから、自分が働けていることについて、周りの人に対する感謝の気持ちが出てきました。また、働き始めの頃は、視野が狭く、考え方もどちらかというとネガティブでした。でも、たくさんの人と話をしてきたことで、だんだんと考え方が前向きになり、笑顔で居られることが増えたと感じています。

 

この仕事のやりがいはどのようなことですか?

本人さんの想いが叶った姿を見られた時は、やっていてよかったと感じます。以前、関わった方で、とても不安が強い方がいらっしゃいました。就労が決まって、初出勤日に待ち合わせをして一緒に職場へ向かったのですが、その途中も泣いてばかりで大変でした。でも、1日頑張って働いて、終わった時に活き活きとした笑顔で帰ってきてくれたことがあり、とても嬉しかったことを覚えています。人相手の仕事なので、大変なこともありますが、誰かの人生にここまで一緒に悩んで考えられるのは、素敵な仕事だと感じますね。

━━岐阜で働こうと思ったのはどうしてですか

地元以外考えたことがなかったです。家族がいる生まれ育った地域で働きたいと思っていたので、初めの職場も地元養老町の隣の輪之内町でした。今も、祖父母も一緒に3世代で暮らしています。仕事でうまくいかないことがあっても、なんでも話ができる家族がいるという心の支えは大きいですね。

━━働いてから感じた地域の魅力はありますか?

大垣市は、福祉を地域で育てようという基盤ができていると感じます。各地域の自治会がしっかりと活動していることや、地区ごとに社会福祉推進協議会があることで、サロンや見守り支援などが住民主体でおこなわれています。そのため、住民のニーズが把握できるため、支援につながりやすいです。社会福祉協議会として活動がしやすいことは魅力ですね。

 

最後に地元就職を目指す後輩へのメッセージをお願いします。

学生のうちに、何か自分が熱中できることを見つけておくなど、自分の気分を切り替えることができるようになっておくといいと思います。先ほども話しましたが、福祉業界の仕事は、人と関わる仕事なので、自分の気持ちのコントロールができないと、相手との関係もうまくいきません。ちなみに、私は美味しいものを食べることで気分転換をしています!

あとは、大学で一緒に学んだ仲間の存在も大きいです。悩んだり行き詰まった時に、話ができる仲間がいることは大切ですね。

〜インタビュアーの感想〜
障がい者の持つ力を最大限に引き出し、地域に溶け込んでいける社会を創る仕事であると感じました。その実現のためには、傾聴力や誰にでも分け隔てなく接する力が必要になってくるし、何よりも「笑顔」が大切だと笑顔で語る姿が強く印象に残っています。今回のインタビューを通して、働くことにより、地域の魅力の発見や新たな学びができるなど知り、働くことの意欲がさらに湧きました。

社会福祉学部社会福祉学科 小椋 将喬

地元で働いている先輩の話を聞いて、私も自分の地元に帰り働きたいという気持ちが増してきました。また、大きかったことは、視野が広がったことです。これまでは、今自分が目指している分野で働くことしか考えていませんでしたが、社会人になったら先輩のようにもっとやりたいことも増えると思います。あまり決めつけずに、目の前のことを頑張ろうと思います。

社会福祉学部社会福祉学科 麓 由名