【卒業生取材】医療法人社団友愛会を訪問!

地域に出て、地域とつながり、地域とともに、地域をつくる

卒業生の活躍を取材する企画。今回は岐阜県関市出身の佐藤景子(さとう けいこ)さん[2001年卒]の職場を訪問しました。美浜キャンパスの社会福祉学部で社会福祉士の資格を取得された佐藤さん。現在は医療法人社団友愛会の在宅介護部で部長補佐を務められています。インタビュアーは、社会福祉学部4年の小林悠さんがつとめます。

━━現在はどのようなお仕事をされていますか?

今は、主に法人内や各事業所の運営など、サポート業務が多くなっています。友愛会には病院だけでなく、介護老人保健施設や訪問看護ステーション、デイサービスセンターなど、様々な介護保険事業所があります。それぞれの事業が円滑におこなえるように、そして、サービスの質を向上していけるように事業所の職員とともに考えています。また、職員採用の担当もしており、説明会や見学に来る方の対応をさせていただくこともあります。

━━これまではどんなお仕事をされてきましたか?

最初は介護の現場からスタートでした。それからは、社会福祉士として様々な施設で相談業務に携わってきました。最近では、小規模多機能型居宅介護を含む複合施設『You&I(ゆうあい)の森いわのだ』の立ち上げプロジェクトに関わりました。ゼロからの立ち上げが初めてだったので、大変ではありましたが、とても想いの詰まった事業所になりました。

 

━━この仕事の役割はどのように感じていますか?

法人の理念やビジョンを形にしていくことが、今の私の役割のひとつです。法人の目指す方向に、「地域の様々な分野の方と一緒にこの地域をより良くしていこう」という想いがあり、私はこのビジョンにとても共感しています。今はマネジメント職となり、現場からは少し遠ざかっていますが、それでも、自分の専門性、ソーシャルワーカーとしての心は持ち続けています。先ほどお話しした新しい事業所には、地域交流スペースを設けています。常に地域に開かれ、地域の方が交流できる場所ができたことは、私にとってとても嬉しいことです。

━━この仕事をしてから、どのような能力が身につきましたか?

視野が広がり、様々な立場、視点から物事を見られるようになりました。新しい職場に行くと、最初の1年はその職場のことを理解することで精一杯です。2年目になると、関係する他の部署や人たちなど、法人内のつながりが見えてきます。それがわかると、今度は、地域の方との関わりがわかるようになります。こうして、自分が関わる全体が見えてくると、相手のことを考えて、先を見越した動きがわかり、スムーズに周りと連携が取れるようになっていきます。例えば、ひとりの患者さんでも病院内のMSWとしてみるその人と、受け入れ先の介護施設の職員としてみるのとでは、全く見え方が異なってきます。連携には、いかに相手の立場から見ることができるかが大切だとわかりました。

 

━━働く上で大切にされていることはなんですか?

『つながる』ことです。この仕事は、地域をつくっていくこと。その地域づくりは、一人では決してできません。様々な人と出会い、つながりをつくり、連携することで地域づくりができると思います。そのためには、相談の場面だけではなく、全ての出会いにおいて、相手を尊重して、相手のことを理解することから始めるように心がけています。

他にも大切にされていることはありますか?

相談支援の仕事でいうと、相手との距離感です。相談者の方を家族のように思うけど、家族ではない。なんでもやってあげることが仕事ではないと思います。社会福祉士の仕事は、『つなげる』こと。でも、ただ制度と人をつなげることではありません。相談に来られた方が、今後の生活を、地域で、その人自身の力で生きていけるように支援することが本来の役割です。「私がいれば大丈夫だから、何でも頼ってね」ではなく、相手を尊重して、よりそって、真摯に向き合うことが大切だと私は考えています。

━━仕事の原動力は何ですか?

もっといろんな人に出会いたいという気持ちでしょうか。私は、根本的に人と関わることが好きです。これまでも、たくさんの人たちと出会い、自分にはない生き方や価値観を教えてもらい、育てていただいたと感じています。良いのか悪いのか、いまだに、新人のような気持ちで働いています(笑)。まだまだ学ぶことは多いですね。

 

━━どうして岐阜で働こうと思ったのですか?

ほっとする安心感が大きいかな。大学では知多半島で生活していましたが、山や川がある実家に帰るたびに感じた心の安らぎは今でも覚えています。この仕事は地域に関わる仕事なので、愛着がある岐阜の地で働きたかったです。ただ、現在は、仕事として地域づくりに関わっていますが、いずれは、自分が暮らす地域で、住民として地域づくりに関わることもしていきたいと考えています。

━━働いてから感じた地域の魅力はありますか?

温かい人と人とのつながりがあることです。都会とは違い、程よい田舎であることの強みは感じますね。自治会など、ご近所同士で情報交換しながら支え合って暮らしている方が多いです。例えば、災害の時に、どこに一人暮らしの方がいるか、誰が声をかけに行くのかなどが共有されています。地域で暮らす方の生活を、公的なサービスだけで支えるには限界があります。その隙間を埋めていけるのがインフォーマルなつながり。専門家として支援するときに、この地域のつながりを奪わないようにすることも大切です。

━━この職場の魅力はどんなところですか?

法人内に、ソーシャルワーカーがたくさん在籍していることです。その仲間の存在は大きいですね。色々と大変なことや辛いことがあっても、一人で抱えずに、素直に話して仲間で分かち合うことができます。また、病院をはじめ、介護施設、地域包括支援センターなど様々な場所でソーシャルワーカーとしての経験を積むことができます。これも、友愛会の強みだと感じています。

最後に地元就職を目指す後輩へのメッセージをお願いします。

ソーシャルワーカーを目指すのであれば特にですが、とにかく自分の引き出しを増やして欲しいです。社会福祉士の資格取得はあくまでスタート。自分の専門以外の学びも、浅くていいので広げていくと社会福祉士としての専門性がより深まると思います。何度も言いますが、この仕事は、目の前の方の暮らしをサポートします。物事を一つの捉え方しかできないと、相手を知ることが難しく、サポートはできなくなってしまいます。色々な経験を自分からして視野を広げてください。

〜インタビュアーの感想〜

今回、卒業生インタビューに伺ったことで、自分自身の将来のことをより考えることができました。私も、将来は医療ソーシャルワーカーとして働きたいと考えていて、最初から現場に入った方がいいように思ってました。しかし、そうではなく、まずは現場で学ぶことで、広い視野から考えることができ、より利用者の方の気持ちに寄り添えると考えました。また、佐藤さんは、「人と話すことが好き」という気持ちが根本にあって、とてもやりがいを感じながら、お仕事をされていると感じました。

社会福祉学部社会福祉学科 小林 悠