【卒業生取材】児童発達支援・放課後等デイサービスあるてあを訪問!

子どもたちに「いま」できることを考え

共に生き、喜びを感じる

卒業生の活躍を取材する企画。今回は岐阜県山県市出身の嶋井真奈美(しまい まなみ)さん[2004年卒]の職場を訪問しました。山県市の実家から美浜キャンパスへ4年間通い続けたことが自慢だと語る嶋井さん。社会福祉学部で保育士の資格を取得し、卒業後は医療機関での保育や病児保育を経験後、現在は、児童発達支援管理責任者として、児童発達支援・放課後等デイサービスあるてあ(株式会社ALTHEA)で働かれています。インタビュアーは、子ども発達学部4年の髙木歩水さんと、3年有本晶香さんがつとめます。

━━現在はどのようなお仕事をされていますか?

ここは、何らかの障がいがある子どもたちが通っていますが、最終的な目標は、ここに通っている子どもたちが将来、大人になって社会に出て生きていくことができるようにと考えています。そのため、まず基本となる基本的生活習慣であったり、コミュニケーション力や社会性などを身に付けてもらうためにサポートすることが私たちの仕事です。また、子ども達の持っている力をどう発揮させられるかが私たちの役目です。そのなかで、私は責任者という立場で、施設の運営と、子どもたちと直接かかわっている職員のサポートが主な仕事になっています。具体的には、子どもたちの個別支援計画を作ったり、計画や日々の仕事の振り返りを職員とおこなっています。ただ、子どもたちが好きなので、現場に一緒に入ることも多いです。

━━他にはどんなお仕事がありますか?

保護者の方だけではなく、保育園や幼稚園、学校、各関係機関との連携です。保育園や幼稚園とは、共通のノートを用いて情報共有したり、分からないことは電話で聞いたり、学校だと、送迎時に学校での様子や施設での様子を先生と共有したりしています。また、担当者会議を開いて、時には保護者の方も交えて子どもたちの支援の方針を考えます。しかし、まだまだ十分に連携が取れているとは思っていません。よりよくしていくために、日々、各関係者みんなで考えながら取り組んでいます。

 

━━この仕事の役割はどのように感じていますか?

先ほども少しお話ししましたが、子どもたちが持っている力を、日常の生活の中でどれだけ発揮できるようにするかです。「○○ができた!!!」と周りの人からすると小さなことでも、子どもとも保護者ともスタッフともみんなで喜びながら、この“できた”をもっと長期的な視点でとらえ、子どもたちが大人になったときに、自分で自立して生活ができるようになることを考えます。そのためここに通っている子ども達は、この施設で重要な時期をここで過ごしているのだと常に感じているので、しっかり責任を持って子どもたちと向き合うようにしています。

━━この仕事をしてから、どのような能力が身につきましたか?

子どもたちが乗り越えなければならない「壁」に気づけるようになりました。泣いている子どもが、今、何につまづいて泣いているのか、泣くという事でなにを訴えているのか。言葉を発しない動作について、その子にとってどんな意味があるのかを考える引き出しが増えました。これは、現場の経験がとても大きいです。本に書いてある知識だけでなく、子どもたちと日々接する中で、その子なりの特徴がみえるようになりました。

━━どうして岐阜で働こうと思われたのですか?

大学時代は、地元から通っていたこともあり、地元で働くことしか考えていませんでした。家族が大切で、家族が大好きなので何かあった時に相談するのは家族。その家族と一緒に生活したいという想いはありました。また、今考えると、地元のつながりが強い事も理由の一つです。先ほど、家族に相談すると言いましたが、自分の性格を良く知ってくれている幼馴染にも相談できることは心の支えとなっています。あと、地元で働いていると、同級生や知人と、仕事として出会うことがあります。最初は知り合いだと、相談しにくいかなと思っていたのですが、実際は、安心して相談できるからよかったと言ってくれる方が多く、地元の友人の力になることができるのは、この地で働いているからこそだと思いました。

 

働いてから感じた岐阜の魅力はありますか?

人の温かみですね。例えば、この職場は特にですが、誰かが急に休んでも、すぐに声を掛け合って、率先して助け合っています。それぞれの大変さを分かりあいながら、お互いに不足する部分を補って働けるのは、岐阜県民の良さだと感じています。少し話はそれるかもしれませんが、昨年大雨で3日間停電がありました。その際も、私の地元では、近所の人でお風呂を貸し借りしたり、冷蔵庫の食材を共有して助け合うなど、地元ならではのつながりの大切さを感じました。

━━仕事には、どんなやりがいがありますか?

子どもたちが何かできた時の喜びを、一緒に感じられることはやりがいです。先日、普段は表情が乏しい子とご飯を食べていました。その子と卵焼きを一緒に食べた時に、「おいしいね」と私が言うと笑顔を見せてくれました。一緒に「卵焼きのおいしさ」を感じられた喜びは、その子にとっても大きかったようで、その後も、一緒に遊ぼうと寄ってきてくれるようになりました。具体的に挙げるときりがないほどうれしいことはたくさんあります。

━━他にはどんなことがやりがいですか?

子どもたちの喜びだけでなく、保護者の方や、他の職員の「できた!」を一緒に喜べることです。この事業所には、保育士だけではなく作業療法士、言語聴覚士、特別支援学校の元教員など、いろいろな職種のスタッフがいるので、子どもたちがどうしたらできるようになるか、どう関わればいいかを多方面から考えることができ、いろいろやってみることができます。その上で、子どもたちの“できた”を一緒に喜びを分かち合えることがとても嬉しいです。一緒に悩んで、相談し合い、喜びを分かりあえる仲間の存在は大切です。子ども達それぞれ、課題もいろいろありますが、どんなことでも、たくさん悩んで取り組んだことは、達成感は大きく、やりがいを感じますし、次への意欲に繋がっています。

   

━━嶋井さんがお仕事をする上で最も大切にされていることは何ですか?

人とのつながり、出会いです。ここの事業所を選び、ここに子どもを通わせたいと思っていただけた方とのご縁を大切にしています。ここで過ごす時間は限られています。その時間をどう一緒に過ごすかによって、子どもたちも、保護者も、職員も変わります。子どもたちの成長を感じて、保護者の方に、「ここに来てよかった」と喜んでもらえた時、私たちも出会えてよかったと思います。また、この出会いから、いろいろな方と繋がることもできます。なので、このご縁を大切にしています。

最後に地元就職を目指す後輩へのメッセージをお願いします。

大学のうちに、視野を広げておくといいです。あえて自分が目指す道ではない経験をすると、もっともっと視野は広がります。私も、大学の時に、保育士以外の資格をとるなど、もう少し視野を広げておけばよかったなと思うことが社会に出てたくさんありました。それから、大学でできた仲間を大切にしましょう。学生のころ、「ふくしってなんだろう」と夜通し語り合った仲間たちとは、今もつながっています。何年たっても話し合える場所があることは心の支えにもなります。

~インタビュアーの感想~

印象に残った言葉は、“今ここでできること“です。子どもが成長する場、子どもを育成する場はたくさんありますが、この事業所では、子どもたちのために何ができるのかをしっかりと考え、行動されていることが伝わってきました。私は教師を目指していますが、学校以外で、生活し学んでいる子どもたちの様子をもっと知りたいと思いました。岐阜県で働いている方とお話しし、その方自身の生き方や考え方を知ることで、自分の視野が広がり、多様な知識や考えが身に付けられると感じました。

子ども発達学部子ども発達学科 髙木歩水

私は初めて取材に参加させていただきました。今回の取材を通して、岐阜県で働くことの魅力や放課後デイサービスのやりがいを改めて感じることができました。時期ごとに必要な支援や、長期的な視点で丁寧な支援をすることで、子どもだけではなく、保護者の方々や、その周りの環境をも巻き込んだ支援ができるということがとても素敵だと思いました。そして、岐阜県の地域とのつながりの強さや、穏やかな空気などが、周りの環境により良い影響を与えているのかなと思いました。

子ども発達学部子ども発達学科 有本晶香