7月31日、第1回の卒後研修会がありました。
名古屋文化学園の24期生9名、23期生1名、合計10名の参加があり、4名の発表について
ディスカッションしました。(日本福祉大学中央福祉専門学校 言語聴覚士科は、名古屋文化学園医療福祉専門学校 言語聴覚科から事業継承をしています)
 
嚥下障害の2症例は、いずれも意識レベルが2桁で、ハッフィングや複数回嚥下
などが指示に従ってできない患者様に対する直接的嚥下訓練に関する話題でした。
QOL重視の流れから、以前ほど「生命の安全第一主義」ではなくなってきているものの、
咳嗽反射の有無や程度、発熱、全身状態の変化、血液データ、SPO2の経過など
得られるデータから、施設ごとにある程度どういう基準で開始、中止するという
プロトコルを作っておく必要性があると感じました。
また、吸引に関しても、「言語聴覚士が実施できる」ことになったとはいえ、
具体的な研修制度や教育体制が整っていない現状ですので、施設ごとに位置づけを
明確にして臨むよう、話をしました。
 
あと2症例はいずれも失語症の喚語困難に対するアプローチの話題でした。
自発書字→音読→呼称といった機能再編成法、デブロッキング、語頭音ヒント、
拡散的思考を賦活し迂言や錯語を利用するなど、呼称を促進する方法は数々
ありますが、やはり初期評価を適切に行い、どのルートを用いるか、最終的に
セルフジェネレイティッドなキューとなりうるものは何か、という視点が
重要である点を確認しました。また、SLTAの語想起と呼称能力とは分けて捉える
こと、コミュニケーションノートの自発的使用のヒント、複視のある患者様への
対応(眼帯や眼鏡の活用)など、様々な話題について話し合うことができました。
 
全体の感想・・・初回でしたが大勢の参加があり、懐かしい皆さんにお会いできて
大変うれしく思いました。また資料も、たいへんコンパクトに用語の使用も適切に
まとまっており、学内でまっかっかに添削をしていたころとは隔世の感がありました。
みんな、りっぱに成長したな~と。これからのご活躍をますます楽しみにしています。
 
※専門家対象の会ですが、どなたでもご参加いただけます。興味の在る方は是非一度ご参加ください。連絡先:日本福祉大学中央福祉専門学校 言語聴覚士科 電話052-339-0200

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