目の前の方が望む生活に、少しでも近づけることを突き詰める
卒業生の活躍を取材する企画。今回は岐阜県岐阜市出身の浅川真由(あさかわまゆ)さん[2018年卒]にお話を伺うために職場を訪問しました。浅川さんは、半田キャンパスで理学療法士の資格を取得。現在は岐阜県笠松町の社会医療法人蘇西厚生会 松波総合病院で働かれています。インタビュアーは、浅川さんと大学時代から関わりがあった、健康科学部4年の河合裕聖さんがつとめます。
━━入社してから、お仕事はどうですか?
1年目は回復期の病棟にいました。大学の時の実習でも回復期に行っていたので、1年かけてなんとか、仕事の流れをつかみ、自分なりに考えられる部分も出てきました。作業療法士や看護師の方など、他の職種と連携することも多いです。先輩と一緒に支援をする時間も以前より少し減ってきました。
━━2年目は何か変わりましたか?
2年目に入って、急性期のチームに入りました。大学時代も合わせて、急性期病棟は初めてなので、また入社したての頃に戻った感じです。回復期では関わってこなかった疾患を持った患者さんもいらっしゃり、勉強することが多くなりました。
━━働き始めてから、どんなことが身につきましたか?
患者さんがどこまでの回復を求めているのかを把握するために、最初に話を伺います。その際に、何を聞けばいいのか、ポイントが絞れるようになりました。また、その方の希望を叶えるために、どんな方法があるのかを考える力が身についたと思います。患者さんの力を高めることも大切ですが、ご家族の協力や、福祉用具の利用など、幅広く検討しています。ただ、急性期ではまだ回復期の時のようには考えられていません(笑)、これからです。
━━他にも身についたことはありますか?
身についたというか、自分がわからないことがわかってきました。最初の頃は、自分が何をわかっていないかがわからなかったので、先輩に何を聞いていいのか、質問が出てきませんでした。それでも、一人で抱え込んでいると患者さんにとっても良くないので、相談は早めにするようにしています。
━━どのようなことを大切に働かれていますか?
患者さんが望む元の生活になるべく近づけるにはどうしたらいいかです。私の想いですが、病気や怪我をされて、それが原因で家から出なくなるようにはなってほしくないです。完全に元通りとはいかないこともありますが、少しでもその方が回復できるよう、意識をしています。
━━他にはどんなことを意識していますか?
患者さんのモチベーションです。例えば、入院中にリハビリを続けていると、モチベーションが下がってしまう方も少なくありません。常に、患者さんの様子を見ながら、気持ちが下がっているなと感じたら、良くなっている部分を認めて伝えるようにしています。昨日できなかったことができたり、歩ける距離が伸びたり、前向きな変化がわかると、「もう少し頑張ってみよう」と思っていただける方が多いです。
━━この仕事のやりがいはどのようなことですか?
退院された患者さんが、その後、元気な姿で声かけてくれると、私も頑張ろうと思います。先ほども言いましたが、患者さんには、少しでも良い状態になってほしいです。なので、リハビリを頑張って、回復して、元気になってくれることが、とてもやりがいになります。それから、この職場は、患者さんもスタッフも良い人が多く、働きやすいところも、私にとって、仕事を頑張っていける原動力です。
━━岐阜で働こうと思ったのはどうしてですか
仕事を始める時は、仕事に集中したかったので、知っている土地が良かったです。それと、今の職場と出会ったことも大きいです。大学時代に、自分がどんな病棟で働きたいのかを決めきることができませんでした。だから、色々と経験ができる総合病院がよかったです。ここに見学に来た時に、対応してくれた方が今の上司ですが、とても安心でき、ここならやっていけそうだと感じました。それと、岐阜の雰囲気が自分に合ってるし、好きだということも岐阜で働くことを決めた理由です。
━━最後に地元就職を目指す後輩へのメッセージをお願いします。
働き先を選ぶ時には、まず、自分が働く上で何を重視するのかを考えると良いです。私は、職場の雰囲気や場所、総合病院という点でした。そのポイントをもとに見学に行くと、より自分に必要な情報が得られると思います。また、実際に働いている先輩と話をしたことも、私は決め手になりました。自分が目指す先に、日本福祉大学の先輩がいれば、ぜひ話してみてください。
~インタビュアーの感想~
卒業生へのインタビューを経験して、就職前後の生活や働いているときに大切にしていること、仕事をして身についたことなど、直接聞いてみないと分からないことがたくさんあり、とても貴重な経験ができたと感じています。現在、私は就職活動が始まっていますが、具体的にどういう所を意識して施設見学や情報収集をすればいいか、はっきりしていませんでした。しかし、インタビューで先輩が実際に就職活動で行っていたことや、重要視していたことなどもうかがうことができ、自分が悩んでいたことを解決することができました。今回の経験を就職活動だけでなく、就職後にも生かしていきたいと考えています。ありがとうございました。
健康科学部 理学療法専攻 河合裕聖