第5回岐阜しごとサロン開催!


2019年6月27日(木)に、岐阜県で働く社会人と気軽に交流し語り合う企画「岐阜しごとサロン」を開催しました。
今回で5回目の開催。岐阜県の医療法人社団友愛会から佐藤景子さんと、岐阜県総合医療センターの重度心身障がい児施設「すこやか」から中村仁隆さんの2名にお越しいただきました。お二人とも本学の卒業生で、通学期間も重なっていたそうです。久しぶりの再会にもかかわらず息ぴったりでした。
お2人とも医療機関にお勤めということで、学生からは、医療機関の仕事内容やその違いについて掘り下げた質問がありました
--医療ソーシャルワーカーは、実際にどんな仕事をしますか。
病院が担っている役割によって、ソーシャルワーカーに期待される役割も違ってきます。まずは、その病院の役割を知っておくことが大切。岐阜県総合医療センターは、第三次救急医療の指定を受けていることもあり急性期の方に対応することが多くなるので、いろいろな人が救急で搬送されます。例えば、虐待やDVが疑われるケースだと児童相談所と連携することもありますね。
 
--回復期や慢性期は、どのような仕事になるのですか。
友愛会は主に回復期が中心です。回復期では、いろいろな人が協力して、退院させていくことになるので、そこが醍醐味というか、ソーシャルワーカーの腕の見せ所。ただ退院させればいいというのではなく、その人に応じた支援をしていくことが問われます。例えば、若い人だと退院後に復職が待っていたり、障害がある人だと通勤のための運転支援が必要になったりなどの生活課題が出てきます。また、高齢の方だと、どの制度を活用できて、どんな支援が受けられるのかを調べた上で、その人に応じた生活支援を考えていくことが必要です。慢性期は、地域の施設など日常的な連携をしていくことになり、これもすごく大切な役割です。
--医療ソーシャルワーカーの役割は?
患者さんのことを代弁するのがソーシャルワーカーの一番の使命です。その方の“病院”を出たあとの生活環境をどうしていくか考えること。それをするには、地域の中にどういう社会資源があり、どういう制度があるのかを知っておく必要があります。また、チームで関わることになるので、各職種の視点をまとめていくのが腕のみせどころです。チームの中ではとても重要な存在ですよ。
--他の職種と意見がぶつかることはないのですか。
もちろん、あります。そういったときのために、自分の強みをもつことが大事になってきます。それは、地域資源を知っておくことや、ワーカーとしてやるべきことを理解しておくことです。そして、そもそものところで、人と人とのコミュニケーションが求められます。
 
--配属は、どのように決まるのですか。
 それも病院によって違ってきます。友愛会はデイサービスも持っているので、そこで経験を積んで地域について知ってもらってからワーカーになることができます。そこがうちの強みです。よりよい退院支援をするには、地域を知り、そこにある社会資源を理解しておくことが重要。社会福祉士のするコーディネートは、“つなぐ”だけじゃなく、地域に出てからの生活を想像していくことが求められています。自分の土台をしっかりつくって、その後、ワーカーとして活躍してほしいです。
--学生時代にしておいた方がいいことは?
 病院によって持っている機能が違うので、機能の異なる病院を2か所以上は見てほしいです。できれば個人的には、先生や先輩などの人脈をたどって実習をお願いしてみるのもいいと思います。職場の雰囲気を見て、どの部分で活躍したいかを考えながら見に行ってください。
学生は、医療機関の役割の違いから、同じ医療ソーシャルワーカーでも異なる役割を果たすことについて就職に影響する気づきがあったようです。