2019年2月22日(金)に、福祉の事業所見学会を開催しました。今回で3回目となる福祉の事業所見学会。今年は、福祉用具の製造メーカーと、その用具を利用している医療現場を1日で訪問し、現場力を学びました。
最初に伺った事業所は、岐阜県養老町に本社を置く株式会社松永製作所。創業45年を迎える車椅子業界シェアトップのメーカーです。福祉業界への信用がまだまだ低かった当時、世の中に普及していなかった車椅子を作り始めた会社の成り立ちについて、松永社長から伺いました。
松永製作所では、製品の企画、製造、販売、そしてメンテナンスまで、全ての工程を自社で行なっています。「全てを自分たちの手で行うことで、自分たちの仕事に責任が持てる。お客様が喜んでくれるモノを自分たちで形にできることは素晴らしい」と松永社長は語られました。
お話を伺った後は、現場の見学です。どの現場に伺っても、働いている皆さんが清々しいあいさつで出迎えていただき、会社のあたたかい雰囲気が伝わってきます。中身のいい会社、やりがいのある会社をつくるという社長の想いが、一人一人の働く姿からも感じることができました。
「福祉用具は、何らかの事情で、自分の機能だけでは生活し辛くなった方に使っていただく。その方が持つ能力を活かして、その方の生活を豊かにするために私たちはつくる。この世の中にせっかく授かったオンリーワンの命を使って世の中に貢献することが私の夢」と語られた松永社長の言葉に、学生たちも心を動かされた様子でした。
続いての見学先は、岐阜県の基幹医療を担う高度急性期病院、地方独立行政法人岐阜県総合医療センターです。本学の卒業生も多数活躍しており、人材育成にも熱心に取り組んでいらっしゃいます。
プログラムは病院の概要説明からスタート。病院では「断らない医療」を目標に掲げ、職員のみなさんが動かれています。そのために最先端の医療技術を導入し、どんな方も受け入れられる体制を整えている取り組みなど、説明を伺うことで、地域の方の安心した生活を支えていることが伝わります。また、病院では、医師や看護師だけでなく、社会福祉士や介護福祉士、保健師など「多職種によるチーム医療」を行われています。
次はその現場。医療ソーシャルワーカーの拠点である退院調整部、リハビリテーションの現場、救命救急病棟、そして、重症心身障害児施設「すこやか」を見学しました。各病棟で、職種間の連携の様子や、断らない医療の実施に向けた取り組みを伺うことができました。
最後は、現場の職員様との交流会です。院内で働く介護福祉士、社会福祉士、保育士、看護師の4名の職員様に参加いただき、それぞれの職種の役割や実際の仕事内容についてお話を伺いました。学生からは、自分が目指す職種が、他の職種からどのように求められているのかなどの質問があり、意欲的に学ぶ姿が見られました。
企業見学会は、社会で想いと役割を持って働いている方との出会いの場面。実際にその方たちが働く現場に足を運び、直接お話を伺うことで、大学で学んでいることと社会での仕事が結びついていきます。
来年度も、企業見学会を行います。医療・福祉の現場に出て、学びたい方はぜひ参加ください。