地域をつなげて、地域をつくるを体験
2019年12月21日(土)、岐阜県各務原市のフェニックスグループで、「共生社会のまちづくりワークショップ」を開催し、日本福祉大生8人が参加しました。今回は、フェニックスグループの職員様だけでなく、協力いただいた各務原市からも職員様にお越しいただき、学生たちの学びをお手伝いいただきました。
フェニックスグループは、保健・医療・福祉サービスを通じて、地域づくりを進めているトータルヘルスケア・グループです。今回のワークショップでは、そのフェニックスグループが取り組んでいる地域共生社会モデル『つながる街ゴザーレ計画』の実現に向けて、学生たちが学生視点で提案を考え発表します。
ワークショップは、ドクターズレストラン『GA楽』でのランチからスタート。36種類以上の食材で作られるランチは、毎日売り切れになる人気メニュー。グッドデザイン賞を受賞された建物は、地域の方やデイケアの利用者など、様々な方が利用できる交流スペースにもなっています。
専務理事の長縄直子さんから『GA楽』のコンセプトや、ワークショップのテーマにつながる、今後のフェニックスグループの展望についてお話しいただき、学生たちの意識も高まります。
美味しいランチをいただいた後は、室長の吉田理さんに案内いただき、施設見学へ。フェニックス総合クリニックでは、地域包括支援センターやデイケアセンター、リハビリガーデンを回りました。ほとんどの部屋の壁は、入院される患者さんや各種サービスの利用者さんが、地域で生活する意欲が高まるようにと、外が見える大きなガラス張りになっていることが、学生たちも印象的だったようです。
次は、特別養護老人ホーム『メゾンペイネ』へ移動します。メゾンペイネでは、事業所内託児所や児童クラブが併設されており、利用する子どもたちとの交流もされているとのこと。また、入所されている方とデイサービスの利用者が一緒に活動するなど、交流の仕掛けが様々されていると、施設長の汐見康さんから伺いました。
最後は、ワークショップの会場でもある特別養護老人ホーム『DANKE』へ。本学の卒業生であり、12月1日からスタートした障がい者就労移行支援事業『VIVAローゼ』責任者の山田美穂さんから、フェニックスグループの取り組みや、各務原市の特徴についてお話を伺い、ワークショップが始まりました。
まずは、各務原市の地域課題が書かれたカードから、各チームで取り組む課題を検討。Aチームは、認知症と孤立・孤独、Bチームは、移動難民と孤立・孤独を選びました。ここからは、フェニックスグループの職員様や、市役所の職員様もグループに入り、学生たちと一緒に、課題の解決案を考えていきます。
ただアイデア考えるのではなく、地域資源を「つなげて」新しい取り組みを考えます。学生たちは、地域資源カードをヒントに、そこにない資源も付箋で追加しながら、複数の資源を活用した取り組みのアイデアを捻出しました。最初は、一般的な意見しか出ませんでしたが、徐々に頭もほぐれてきて、学生ならではの斬新な意見も。
最後の発表では、孤立する家庭に訪問し開催する「移動式子ども食堂」や、子どもたちが各家庭に食材を届け、交流を図る「子ども配達」、商業施設や学校内にデイサービスをつくるなど、たくさんのアイデアを提案しました。
職員の皆様からは、新しい視点での意見が聞けて勉強になった。今日考えたことをぜひ社会に出て実現させてほしい。とエールをいただきました。
今日のワークショップは、学生たちにとって、共生社会を考える貴重な経験となりました。ご協力いただいた皆様、ありがとうございました。
〜参加学生の感想〜
・地域共生社の実現に向けたプロセスを知ることができ、実際に現場で仕事をしていく時に、どう考えていくのかイメージができた。
・大学では学ばないことを、具体的に考える良い機会だった。様々な分野が全部つながっていく共生社会のあり方を考えることができた。
・大学では、制度や事例を学んでいるが、その現場に行くことが少なかったため、有意義だった。
・施設の見学から、ワークショップでの職員の方達との意見交換まで、とても貴重な時間だった。もっと柔軟な発想ができるように、様々な場所に足を運んで行きたい。