【Uターン先輩紹介】JAにしみの井上さん取材

地域に自分の役割がある。だからここで働く。

岐阜県養老町出身の井上翔太さん。2015年に子ども発達学部を卒業後、生まれ育った地域で働きたいという強い想いのもと、西美濃農業協同組合(JAにしみの)へ入社。地域のお祭りへの参加や、中学校での卓球のコーチを務めるなど、本業以外でも地域を盛り上げることに力を注いでいる井上さんにお話を伺いました。
━━現在はどんな仕事をされていますか?
主に保険の営業を担当しています。JAの仕事は地域の方が生まれてから生涯を終えるまで関わります。その中でも保険は生命保険や損害保険、自動車保険など7分野あり、幅広くここで暮らす方の生活の助けになると感じています。現在は外回りが多く、一軒一軒ご自宅を訪問してじっくりとお話を伺うことを大切にしています。
━━保険の仕事を始めた頃はいかがでしたか?
最初はお客様と何を話していいか全くわかりませんでした。入社直後は、農業に関わる仕事だったのですが、1年で担当が代わり保険を扱うことになりました。とりあえず、1週間で自動車分野だけを徹底的に勉強して商品知識をつけて、後は現場に出て覚えていった感じです。1年が経って、やっとどんな保険でもお客様の状況に応じて提案できるようになったと感じています。
  
━━職場での井上さんの役割は?
色々な場面でつなぎ役だと感じます。農協と地域、お客様と職場、上司と後輩と、全ての間に入ってつなげていると言った感じでしょうか。お客様から伺った情報で私の担当ではない部分は、その担当者と情報共有をしたりと。また、地域貢献活動として、例えばある田畑で鳥獣対策の柵を作るという情報が入れば、職員みんなで手伝いにいきます。そこで、地域の方と一緒に作業をしながら、仲良くなり、地域を盛り上げていこうとしています。
━━とても地域が好きなように感じますが、どうして岐阜で働こうと?
この地域に自分の役割があったことです。大学時代は知多半島で生活していたので、暮らしやすい知多もいいと思っていたのですが、いざ就職を考える時期になり、あらためて考えてみた結果、生まれ育った地元がいいと思いました。昔から、実家のある地域のお祭りで笛を吹いていたことや、長男であることなど、この場所には、私の役割があるように感じます。その中でもJAの仕事は地域密着型で、その地域で暮らす個人に関わる仕事だったため、ここを生涯の自分の職場に選びました。
━━働いて感じた地域の魅力はありますか?
みなさんおおらかで優しいです。職場にもよく野菜を差し入れに持ってきていただけますし。そして、お元気で、それぞれが地域で役割を持って自立しながらもつながって生活しているように感じます。よく集まって、よく話をしていて、私も自分が知らなかった地元の良さをたくさん教えてもらい、びっくりすることが多いです。地域の方とお話をしてきて、見える景色が変わってきました。
 
━━そのような地域で働くやりがいは何ですか?
今は保険の契約が取れることです。契約が取れるといっても、押し売りをするのではなく、お客様に必要な商品を提案して、そして、その保険がお客様の生活の役にたった時に本当にやっていてよかったと感じます。この担当になって間もない頃、自分のことを優先に考えて保険を提案し、契約はできたものの結果的にお客様のためにならなかったことがありました。それからは、お客様を悲しませることだけはしないと心に決めました。この経験があったからこそ、今の自分があると思います。
地元就職を目指す後輩へのメッセージをお願いします。
まずは、自分が働きたいと思っている地元のことを知ることが大切だと思います。地元に何があって、何が魅力なのか。そして、自分が就く職場、仕事で、地元に何ができるのかを考えて欲しいです。そのことを考えて仕事を選んだことで、私は、今の仕事が自分に大変合っており楽しく働けています。

〜インタビュアーの感想〜
今回のインタビューを通して、地域のつながりを強く感じました。また、岐阜県が本当に大好きだからこそできる仕事だとも思います。地域の方の目線で事業を進める姿や、地域の方がどうしたら笑顔で暮らせるのかという観点を重視していてこのような場所で働けたら幸せだと強く感じました。仕事内容を伺っている時は、幅広い分野で覚えることが多いという印象的を受けましたが、その中でも地域との関わりの深さ、地域貢献など、過ごしやすいまちづくりを支えていると感じ、仕事内容よりも人との関わりを大切にしていると感じます。私自身、地元を今以上に知り、地元愛を深めたいです。

国際福祉開発学部国際福祉開発学科 若林咲良