カテゴリー別アーカイブ: 卒業生取材

【卒業生取材】中濃特別支援学校を訪問!

子どもたちのこれまでの背景を知り、立派に社会へ送り出す

岐阜県で活躍する卒業生を取材する企画第2弾も今回が最終回。ラストは、岐阜県立中濃特別支援学校で働かれている林哲平(はやし てっぺい)さん[2016年卒]を訪問しました。林さんは、子ども発達学部を卒業後、現役で教員採用試験に合格され、現在の職場に配属。お父様もお母様も日本福祉大学の卒業生でいらっしゃいます。インタビュアーは、子ども発達学部4年の髙木歩水さん、同じく子ども発達学部の3年生、有本晶香さん、町野愛花さんがつとめます。

━━現在はどのようなお仕事をされていますか?

新任1年目からこれまで、高等部の生徒を受け持っています。現在受け持っている生徒は、軽度の知的障がいがある生徒です。そのため、コミュニケーションや⽂字を書いたり、計算をしたりすることなどに苦手意識や課題のある生徒が多いです。今年は1年生の担任と、進路指導も担当しています。子どもたちに勉強を教えるだけではなく、地域の企業様と、職場体験の企画や、卒業生の定着支援にも取り組んでいます。

━━この仕事の役割はどのように感じていらっしゃいますか?

3 年間で、⼦どもたちに社会で⾃⽴して生活していくための⼒をつけさせることです。

高等部の⽣徒たちは、ほとんどが卒業後すぐに社会⼈として働きます。そのため、社会に出て、⼦どもたち⾃⾝が困らないように、指導していくことが私の役割の⼀つです。

━━教員の仕事は大変だと世間のイメージがありますが、実際はどうですか?

確かに、時には帰りが遅くなり大変なこともあります。でもそれは、他の仕事も同じだと思います。そんな時は、「子どもたちのために働いている」と思うと、大変な気持ちもやわらぎ、頑張ろうという気持ちになれます。

 

━━大学時代の経験で役立ったことは何ですか?

座学だけではなく、体験して学んだことです。例えば、⼤学時代に飲⾷店でアルバイトをしていたのですが、そこで学んだ⾷品衛⽣管理の知識は⼦どもたちの調理実習や作業学習の指導をする際に役⽴ちました。また、⼤きいのは「⾔葉」です。⼤学での⽣活はもちろんですが、サークルやアルバイトを通じて、幅広い世代の多くの⽅と関わってきました。その中で、⾃分でも気づかないうちに⾃分が使う⾔葉の種類が増えていました。教師の仕事は、伝えること。この仕事に、⾔葉というのはとても大切なツールになるため、⾝についた⾔葉の多さは役⽴っています。

━━この仕事をしてから、どのような力が身につきましたか?

それぞれの人に合わせた伝え方ができるようになってきました。教師1年目は、なかなか、自分が伝えたいことが生徒に伝わっていないと感じることがありました。そこで、自分よりキャリアの長い先生のやり方を、とにかく真似てみることから始めてみました。すると、伝わることも多くなったのですが、同じことを言っても、生徒たちへの響き方が先輩と全く違うと気づいたのです。それから、自分なりの伝え方を色々と試しながら、徐々に相手に合わせた対応ができるようになりました。

━━教師をする上で大切にされていることはなんですか?

常に一人の大人として毅然とした態度で生徒と関わることです。子どもたちは、大人のことをとてもよく見ています。そのため、当たり前なのですが、相手に障がいがあるからという接し方ではなく、社会に出ていく一人の人間として接しています。

 

━━他にも大切にされていることや意識していることはありますか?

目の前の状態だけを見て、頭ごなしに指導しないことは意識しています。子どもたちは、自己肯定感が低い傾向があります。そのため、接する際は、どうして自己肯定感が低くなったのか、その背景にどんな体験や想いがあるのかを見るようにしています。問題となる行動も同じで、その行動にいたる背景までしっかり理解し、必要なことを指導しています。

━━この仕事のやりがいはどのようなことですか?

生徒の成長間近で見ることができることです。昨年初めて卒業生を送り出しました。日々生徒と向き合う中、大変なことも少なくありません。でも、卒業して行く姿を見た時に、素直にやってきてよかったと思いました。また、卒業生の職場を訪問して、企業の方と情報交換を行います。その時に、卒業生が話しかけてくれたり、元気な姿を見せてくれると、自分も頑張ろうと思えます。

━━どうして岐阜で働こうと思ったのですか?

岐阜は自分の故郷であり、地元に貢献したいと思ったからです。というのは建前で、1番の理由は、「岐阜の土地」が好きだからです。家族、友人、地域の方など、岐阜には自分とのつながりがあります。そのつながりの中で働き、生活したいと思っていました。実際に岐阜へ戻ってくると、同僚や先輩も岐阜の方がほとんどで、人のつながりの強さを感じます。温かい人が多いので、人間関係はつくりやすいです。

 

━━働いてから感じた岐阜の魅力はありますか?

自然ですね。学校の近くにも山があり、生徒たちと一緒に授業の一環で登山をします。子どもたちが自然の中で、都会では味わえないような良い刺激を受けながら成長していく姿を見ると、この土地はいい場所だと感じます。

━━今、目指している教師像を教えてください?

もっと⼀⼈ひとりによりそった⽀援ができるようになりたいです。それは、⽣徒だけではなく、周りの教員や外部の⼈なども含めて、その⼈その⼈の⼒になり、頼られる存在でありたいと思います。そして、⾃分がパイプ役となって、周りを調整しながら、皆をつないでいける姿を⽬指しています。

最後に地元就職を目指す後輩へのメッセージをお願いします。

26年間、岐阜で暮らしてきてあらためて感じるのは、過ごしやすい良い地域だということです。地元愛が強い人が多く、周りの先生も保護者の方も皆が温かいです。そのため、生徒たちものびのびと成長しています。ぜひ、岐阜で一緒に働きましょう。

~インタビュアーの感想~

自分がなぜ岐阜県で特別支援学校の先生になりたいのか、どんな教員になりたいのか改めて考えるいい機会になりました。特に印象的だったのは、コミュニケーション能力についてです。子どもたちに関わるときにはもちろん、その子どもたちに関わる周りの大人、支援者の人たちと関わるときにもコミュニケーションが重要であることが分かりました。子どもたちを支えているのは教師だけではなく、保護者や地域の人々そして岐阜という環境が深く関わっていることが実感できたインタビューでした。

子ども発達学部心理臨床学科 町野 愛花

自分自身がなぜ岐阜に戻り教員をしたいのかがわかりました。一緒に働く職場の方も岐阜県の出身者が多く、“地元愛”が強い環境が働きやすいのだと感じました。それは、みなさんがこの土地をどうにか活かして授業ができないか、この土地の良さを伝えたいというベクトルが同じだからこそだと思います。私も来年から岐阜県で教員として働くことを目指していますが、インタビューを通じて、その意欲が湧いてきました。

子ども発達学部子ども発達学科 髙木 歩水

今回の取材を通じて、岐阜県の良い所は人のつながりだということを感じました。特別支援学校で仕事をする際、様々な人との関係を築くことが大切になります。子どもたちや保護者の方々、そして、同じ職場の教員の方、他にも、色々な人たちと関係を築いていることがわかりました。特に、同じ職場の方が、地元愛に溢れ、温かい人が多いということを伺い、私もそんな素敵な職場で働きたいと思いました。

子ども発達学部心理臨床学科 有本 晶香

【卒業生取材】下呂市役所を訪問!

自分が生まれ、育ち、生活する場所

そこが“良い下呂市”になればいい

岐阜県で活躍する卒業生。今回は岐阜県下呂市出身の山下角英(やました かくえい)さん[2001年卒]の職場、下呂市役所を訪問しました。山下さんは、経済学部を卒業後、地元下呂市の職員として働き、今年で19年目に入られています。インタビュアーは、経済学部3年の志津福音さんがつとめます。

━━現在はどのようなお仕事をされていますか?

この4月に農務課に異動になり、今は、法律や制度を根拠にして、下呂市内の農地売買の手続きなど、農地に関わる仕事をしています。正直にいうと、この仕事はやらなければならない仕事の部類。他に、コテージやキャンプ、農業体験ができる施設「まるかりの里」の担当もしています。こちらはやりたい仕事の部類。ここをどううまく活用できるかは私の裁量によるので、面白い仕事の一つです。公務員の仕事は、法や制度の縛りがどうしてもありますが、それだけでなく、自分の感性が大切。そこに面白さがあります。

━━これまではどんなお仕事をされてきましたか?

保健衛生や公共交通、市営住宅から観光まで、幅広く経験してきました。最も長く関わった仕事は、観光課です。東京や大阪などの都心に赴き、下呂市に人を呼び込むキャンペーンなどをしていました。岐阜県がおこなっている岐阜の宝ものプロジェクトの認定第1号になった「小坂の滝めぐり」のプロデュースにも携わりました。

━━この仕事をされてきて感じた課題はありますか?

地域づくりを目指すと、地域の魅力を無理に創ろうとしてしまうところですね。大切なのは、本当に地域に根付いた資源を見出し、少しだけ手を加える、切り口を変える、それだけで十分。必要以上にブラッシュアップし過ぎたり、先進事例のマネをしてみたり、流行に流されてみたりと、地域に根付いていない別物を作ってしまいがちです。そうやって無理して創られた地域の魅力は次世代に継続されるわけがなく、地域にとっても良い結果にならないと思います。

━━この仕事をしてから、ご自身にどのような変化がありましたか?

仕事に対する意識が変わりました。特に印象に残っているのは、特別養護老人ホームでの経験です。新入職員として保健福祉課に配属され、4年目に特別養護老人ホームへ出向しました。そこの職員は主婦の方が多く、皆さんのとても効率よく仕事をこなす姿を見て、自分も見習わなければと思いました。それから自分なりに一歩二歩先を意識して仕事をするように心がけています。

━━働く上で意識されていることはなんですか?

単純に“良い下呂市”になればいい、それだけです。今自分がやっている仕事が、下呂市のためになっているのかは常に考えています。先ほどもお伝えしましたが、市役所の仕事は異動のたびに転職したくらい仕事の内容が変わります。その時その時で自分に与えられた仕事をツールとして使い、いかに良い下呂市にしていくかを私は大切にしています。

━━今後携わりたいのはどんな仕事ですか?

今あるものをもっと活かし伸ばしたいです。例えば、下呂市は腕のある大工さんがたくさんいます。その人たちがもっと活躍できる仕組み作りは挑戦したいですね。若者や子どもたちが、継続して「大工になりたい」と思ってもらえるように、市として何かできることがあると考えています。

━━他にも実現したいことはありますか?

農業のイメージ改善です。社会的には、農業と聞くと厳しいイメージがないですか?歴史の教科書でも、武士や商人に比べ身分が低く描かれているので、あまり社会的なイメージがよくないように感じます。でも、今の実際の農業は違う。機械化が進み、最先端をいく仕事です。また近年は若くてオシャレな農家さんも増えています。その魅力をもっと正確に伝えていきたいですね。

━━どうして岐阜で働こうと思ったのですか?

長男であったことは一つ。また、当時は地元に戻ってくる仲間が多かったこともあります。大学時代は、正直にいうとやりたいことは明確になっていませんでしたが、市役所で働くことへの漠然とした憧れはありました。

━━働いてから感じた地域の魅力はありますか?

下呂市には、意外に魅力ある仕事や事業所がたくさんあるのだということです。働くまでは、何もない地域だと思っていました。しかし、いざ働いてみるとそうではない。例えば、旅館。この立地、規模で年間の宿泊者数が100万人を超える温泉地は、全国を見てもそんなに多くはありません。私がこれらの魅力に気づいたのは、就職してからですね。また、自然の豊かさもあらためて感じます。

━━このお仕事を続ける原動力は?

自分の満足感です。他人からどう評価されるかではなく、自分が自分の仕事に良い評価を与えられるか。自分が自分で納得のいく仕事をしているかということです。周囲の評価ばかりを気にしていると楽しくないです。周囲の評価を目標にすると、自分のベストは出せないと私は思っています。ある意味、仕事を全て仕事と捉えず、趣味や楽しみの一部となっているのかもしれません。

━━自分でいい仕事ができたと思えたエピソードを教えてください。

市営住宅を担当していた頃、家賃を滞納している一人の男性との出会いがありました。最初は、「規則だから」と家賃を払う必要性をただ伝えるだけでした。しかし、その方が働けない理由を聴いていくうちに、その方が今の状態になったのは、決してその方だけのせいではないことが見えてきました。そこで、その方が働けるように地元の業者や市役所内での調整を進めていった結果、その方の就労につなぐことができました。さらに、「今後は自分を救ってくれた地域や社会に少しでも貢献したい」という言葉を聞いたときは、自分の仕事がその方の人生や下呂市のために少しは役立ったかなぁ…と感じました。

最後に地元就職を目指す後輩へのメッセージをお願いします。

若い時にしかできないことは、若いうちにやっておくこと。その時にしか楽しめないことは、その時にしっかりと楽しんでおく。少し背伸びをしてでも、手を伸ばしてやってみてほしいです。後悔のないように。就職活動も大事だとは思いますが、就職してからは遊びも含めた様々な経験が重要になってくるので、色々なことに挑戦してみてください。それから、これは持論ですが、仕事ができる人は、自動車の運転が上手で、ご飯を食べるのが早い人が多いです。是非、目指してください(笑)。

~インタビュアーの感想~

自分の持っていた公務員のイメージが良い意味で変わりました。今まではどちらかというと堅いイメージでしたが、いろいろな方向から地域を「良く」していく公務員って面白い仕事だと思いました。それと同時に、とても難しい仕事でもあると感じます。なので、働くことに対しての自信はまだ持てていません。しかし、私は地元が好きなので、地元地域や住民の方のことを全力で考えて、地元を良くしていく仕事をしてみたい。それができるように勉強を頑張り、いろいろなことを経験して成長したいと思えました。

経済学部経済学科 志津 福音

【卒業生取材】児童発達支援・放課後等デイサービスあるてあを訪問!

子どもたちに「いま」できることを考え

共に生き、喜びを感じる

卒業生の活躍を取材する企画。今回は岐阜県山県市出身の嶋井真奈美(しまい まなみ)さん[2004年卒]の職場を訪問しました。山県市の実家から美浜キャンパスへ4年間通い続けたことが自慢だと語る嶋井さん。社会福祉学部で保育士の資格を取得し、卒業後は医療機関での保育や病児保育を経験後、現在は、児童発達支援管理責任者として、児童発達支援・放課後等デイサービスあるてあ(株式会社ALTHEA)で働かれています。インタビュアーは、子ども発達学部4年の髙木歩水さんと、3年有本晶香さんがつとめます。

━━現在はどのようなお仕事をされていますか?

ここは、何らかの障がいがある子どもたちが通っていますが、最終的な目標は、ここに通っている子どもたちが将来、大人になって社会に出て生きていくことができるようにと考えています。そのため、まず基本となる基本的生活習慣であったり、コミュニケーション力や社会性などを身に付けてもらうためにサポートすることが私たちの仕事です。また、子ども達の持っている力をどう発揮させられるかが私たちの役目です。そのなかで、私は責任者という立場で、施設の運営と、子どもたちと直接かかわっている職員のサポートが主な仕事になっています。具体的には、子どもたちの個別支援計画を作ったり、計画や日々の仕事の振り返りを職員とおこなっています。ただ、子どもたちが好きなので、現場に一緒に入ることも多いです。

━━他にはどんなお仕事がありますか?

保護者の方だけではなく、保育園や幼稚園、学校、各関係機関との連携です。保育園や幼稚園とは、共通のノートを用いて情報共有したり、分からないことは電話で聞いたり、学校だと、送迎時に学校での様子や施設での様子を先生と共有したりしています。また、担当者会議を開いて、時には保護者の方も交えて子どもたちの支援の方針を考えます。しかし、まだまだ十分に連携が取れているとは思っていません。よりよくしていくために、日々、各関係者みんなで考えながら取り組んでいます。

 

━━この仕事の役割はどのように感じていますか?

先ほども少しお話ししましたが、子どもたちが持っている力を、日常の生活の中でどれだけ発揮できるようにするかです。「○○ができた!!!」と周りの人からすると小さなことでも、子どもとも保護者ともスタッフともみんなで喜びながら、この“できた”をもっと長期的な視点でとらえ、子どもたちが大人になったときに、自分で自立して生活ができるようになることを考えます。そのためここに通っている子ども達は、この施設で重要な時期をここで過ごしているのだと常に感じているので、しっかり責任を持って子どもたちと向き合うようにしています。

━━この仕事をしてから、どのような能力が身につきましたか?

子どもたちが乗り越えなければならない「壁」に気づけるようになりました。泣いている子どもが、今、何につまづいて泣いているのか、泣くという事でなにを訴えているのか。言葉を発しない動作について、その子にとってどんな意味があるのかを考える引き出しが増えました。これは、現場の経験がとても大きいです。本に書いてある知識だけでなく、子どもたちと日々接する中で、その子なりの特徴がみえるようになりました。

━━どうして岐阜で働こうと思われたのですか?

大学時代は、地元から通っていたこともあり、地元で働くことしか考えていませんでした。家族が大切で、家族が大好きなので何かあった時に相談するのは家族。その家族と一緒に生活したいという想いはありました。また、今考えると、地元のつながりが強い事も理由の一つです。先ほど、家族に相談すると言いましたが、自分の性格を良く知ってくれている幼馴染にも相談できることは心の支えとなっています。あと、地元で働いていると、同級生や知人と、仕事として出会うことがあります。最初は知り合いだと、相談しにくいかなと思っていたのですが、実際は、安心して相談できるからよかったと言ってくれる方が多く、地元の友人の力になることができるのは、この地で働いているからこそだと思いました。

 

働いてから感じた岐阜の魅力はありますか?

人の温かみですね。例えば、この職場は特にですが、誰かが急に休んでも、すぐに声を掛け合って、率先して助け合っています。それぞれの大変さを分かりあいながら、お互いに不足する部分を補って働けるのは、岐阜県民の良さだと感じています。少し話はそれるかもしれませんが、昨年大雨で3日間停電がありました。その際も、私の地元では、近所の人でお風呂を貸し借りしたり、冷蔵庫の食材を共有して助け合うなど、地元ならではのつながりの大切さを感じました。

━━仕事には、どんなやりがいがありますか?

子どもたちが何かできた時の喜びを、一緒に感じられることはやりがいです。先日、普段は表情が乏しい子とご飯を食べていました。その子と卵焼きを一緒に食べた時に、「おいしいね」と私が言うと笑顔を見せてくれました。一緒に「卵焼きのおいしさ」を感じられた喜びは、その子にとっても大きかったようで、その後も、一緒に遊ぼうと寄ってきてくれるようになりました。具体的に挙げるときりがないほどうれしいことはたくさんあります。

━━他にはどんなことがやりがいですか?

子どもたちの喜びだけでなく、保護者の方や、他の職員の「できた!」を一緒に喜べることです。この事業所には、保育士だけではなく作業療法士、言語聴覚士、特別支援学校の元教員など、いろいろな職種のスタッフがいるので、子どもたちがどうしたらできるようになるか、どう関わればいいかを多方面から考えることができ、いろいろやってみることができます。その上で、子どもたちの“できた”を一緒に喜びを分かち合えることがとても嬉しいです。一緒に悩んで、相談し合い、喜びを分かりあえる仲間の存在は大切です。子ども達それぞれ、課題もいろいろありますが、どんなことでも、たくさん悩んで取り組んだことは、達成感は大きく、やりがいを感じますし、次への意欲に繋がっています。

   

━━嶋井さんがお仕事をする上で最も大切にされていることは何ですか?

人とのつながり、出会いです。ここの事業所を選び、ここに子どもを通わせたいと思っていただけた方とのご縁を大切にしています。ここで過ごす時間は限られています。その時間をどう一緒に過ごすかによって、子どもたちも、保護者も、職員も変わります。子どもたちの成長を感じて、保護者の方に、「ここに来てよかった」と喜んでもらえた時、私たちも出会えてよかったと思います。また、この出会いから、いろいろな方と繋がることもできます。なので、このご縁を大切にしています。

最後に地元就職を目指す後輩へのメッセージをお願いします。

大学のうちに、視野を広げておくといいです。あえて自分が目指す道ではない経験をすると、もっともっと視野は広がります。私も、大学の時に、保育士以外の資格をとるなど、もう少し視野を広げておけばよかったなと思うことが社会に出てたくさんありました。それから、大学でできた仲間を大切にしましょう。学生のころ、「ふくしってなんだろう」と夜通し語り合った仲間たちとは、今もつながっています。何年たっても話し合える場所があることは心の支えにもなります。

~インタビュアーの感想~

印象に残った言葉は、“今ここでできること“です。子どもが成長する場、子どもを育成する場はたくさんありますが、この事業所では、子どもたちのために何ができるのかをしっかりと考え、行動されていることが伝わってきました。私は教師を目指していますが、学校以外で、生活し学んでいる子どもたちの様子をもっと知りたいと思いました。岐阜県で働いている方とお話しし、その方自身の生き方や考え方を知ることで、自分の視野が広がり、多様な知識や考えが身に付けられると感じました。

子ども発達学部子ども発達学科 髙木歩水

私は初めて取材に参加させていただきました。今回の取材を通して、岐阜県で働くことの魅力や放課後デイサービスのやりがいを改めて感じることができました。時期ごとに必要な支援や、長期的な視点で丁寧な支援をすることで、子どもだけではなく、保護者の方々や、その周りの環境をも巻き込んだ支援ができるということがとても素敵だと思いました。そして、岐阜県の地域とのつながりの強さや、穏やかな空気などが、周りの環境により良い影響を与えているのかなと思いました。

子ども発達学部子ども発達学科 有本晶香

【卒業生取材】社会医療法人聖泉会 聖十字病院を訪問!

本人が、本人らしくあられるように

一人の人として本人を大切にする

卒業生の活躍を取材する企画。今回は岐阜県岐阜市出身の鹿内真子(しかない まこ)さん[2018年卒]を訪ねました。美浜キャンパスの社会福祉学部で社会福祉士と精神保健福祉士の資格を取得された鹿内さん。卒業後は岐阜県土岐市にある社会医療法人聖泉会「聖十字病院」でソーシャルワーカーとして活躍しています。インタビュアーは、社会福祉学部4年の麓由名さんと渡辺日菜子さんがつとめます。

━━1年目はどのようなお仕事をされていましたか?

最初は、病院内の相談室に配属され、主に入院されている方の対応をしていました。大学でソーシャルワークの勉強はしてきたのですが、実際に現場でやってみると、思っていたよりも自分ができなくて苦労しました。この1年は、なんとか仕事をこなしていったという感じです。

━━現在はどのようなお仕事をされていますか?

2年目に入って、地域活動支援センターに移りました。ここでは、500円以内で散歩に出かけたり、ランチ会やディナー会を企画するなど、利用者の方と一緒に活動し、交流しています。電話による相談対応も私の仕事です。これからは、もっと、地域のネットワーク作りにも力を入れたいです。

━━この仕事をしてから、どのような能力が身につきましたか?

目の前の方が抱えている困難さが、以前よりわかるようになったと思います。精神障がいの方は、見た目では障がいがわかりにくいこともあります。生活に何も支障がないように見えても、話を伺っていくと、その人なりの生きづらさを感じている。それが前よりは理解できるようになったと思います。

━━他にも変わってきたことはありますか?

目の前の方に対して、自分がどうあれば、心を開いてくれるのか、本心を話してくれるのかを考えるようになりました。この1年いろいろな方と接してきた中で、自分のあり方次第で、相手との関係性が変わってくること、身をもって実感しました。自分のあり方を考えるようになれたのも成長かなと思います。

 

━━働く上で心がけていることはなんですか?

私が大切にしていることは、人として接するということです。疾患がある、障がいがある、ではなく、まずは、同じ「人間」同士。当たり前のようで、当たり前になっていないのではと感じます。だからこそ、この人としての関わりを私は大切にしています。

━━他にはどんなことを大切にされていますか?

相手ができることを奪わないことです。「何かをしてあげる」ではなく、目の前の方ができることは自分でやってもらう。誰かの手助けがあるとできる方であれば、手伝わせていただくが、すべてをやってしまわない。その加減は気をつけるようにしています。

━━仕事のどんなところにやりがいを感じますか?

やりがいというか面白さですが、自分を知れるところです。これまではあまり自分のことを知ろうとはしてこなかったですが、この仕事をしていると、目の前の方を通じて、いろんな自分が見えてきます。何気ない会話の中で「あ、こんな風に感じた」と自己覚知できることが面白いですね。

━━仕事の原動力は何ですか?

「この人のようになりたい!」と、目標になる先輩がいることです。その先輩と全く同じにはなれないけど、少しでも近づきつつ、自分なりの良さどう生かしていけるか考えています。また、忙しく働く方々の姿を見ていると、少しでも力になりたいと思い、頑張らなきゃと思います。

 

━━どうして岐阜で働こうと思ったのですか?

岐阜が好きなことと、この職場に出会えたことです。病院見学に来た時に、対応してくれた方の、患者さんへの接し方や関わりを見て、「ここで働きたい」と思いました。というより、「この人についていきたい」と言った方が正しいかもしれません。自分が目標とする先輩に出会えたことは、就職先を決めるにあたって大きかったです。

最後に地元就職を目指す後輩へのメッセージをお願いします。

自分が何をしたいのかがあると頑張れると思います。それは、今じゃなくても良くて、将来、こうしたいとか、こうなりたいとか。私の場合は、それが先輩でした。まずは、自分を見つめ直して、自分とちゃんと向き合うことで見えてくると思います。「こうしなきゃ」とか、「こうあらねば」と思うと、知らず知らずのうちに自分を型にはめてしまって、自分らしさがなくなってしまうので、ありのままの自分を受け入れてみてください。

~インタビュアーの感想~

働き方のイメージがより具体的になりました。業務は幅広いですが、自分なりにどこからどこまでやるのか考えなければならないと思いました。そのために、この職業の専門性や支援のあり方について今から深めておくべきだと感じます。多くの人と関わりながら自分らしいソーシャルワーカー像を考え、自分らしい働き方をしたいです。

社会福祉学部社会福祉学科 渡辺 日菜子

鹿内さんの話を聞き、就職がゴールだと、どこか甘い考えをしていた自分に気づくことが出来ました。「先輩ワーカーのようになりたい。だけど、私らしくもありたい。」という言葉から、ソーシャルワーカーとしての理想と自身という個性を大事にしていると感じました。日々の業務の中で「どうなりたいか」ということを考え、どう行動すれば、なりたい姿になれるのか、そういう振り返りが大事なんだと学びました。

社会福祉学部社会福祉学科 麓 由名

【卒業生取材】社会医療法人蘇西厚生会 松波総合病院を訪問!

目の前の方が望む生活に、少しでも近づけることを突き詰める

卒業生の活躍を取材する企画。今回は岐阜県岐阜市出身の浅川真由(あさかわまゆ)さん[2018年卒]にお話を伺うために職場を訪問しました。浅川さんは、半田キャンパスで理学療法士の資格を取得。現在は岐阜県笠松町の社会医療法人蘇西厚生会 松波総合病院で働かれています。インタビュアーは、浅川さんと大学時代から関わりがあった、健康科学部4年の河合裕聖さんがつとめます。

━━入社してから、お仕事はどうですか?

1年目は回復期の病棟にいました。大学の時の実習でも回復期に行っていたので、1年かけてなんとか、仕事の流れをつかみ、自分なりに考えられる部分も出てきました。作業療法士や看護師の方など、他の職種と連携することも多いです。先輩と一緒に支援をする時間も以前より少し減ってきました。

━━2年目は何か変わりましたか?

2年目に入って、急性期のチームに入りました。大学時代も合わせて、急性期病棟は初めてなので、また入社したての頃に戻った感じです。回復期では関わってこなかった疾患を持った患者さんもいらっしゃり、勉強することが多くなりました。

━━働き始めてから、どんなことが身につきましたか?

患者さんがどこまでの回復を求めているのかを把握するために、最初に話を伺います。その際に、何を聞けばいいのか、ポイントが絞れるようになりました。また、その方の希望を叶えるために、どんな方法があるのかを考える力が身についたと思います。患者さんの力を高めることも大切ですが、ご家族の協力や、福祉用具の利用など、幅広く検討しています。ただ、急性期ではまだ回復期の時のようには考えられていません(笑)、これからです。

 

━━他にも身についたことはありますか?

身についたというか、自分がわからないことがわかってきました。最初の頃は、自分が何をわかっていないかがわからなかったので、先輩に何を聞いていいのか、質問が出てきませんでした。それでも、一人で抱え込んでいると患者さんにとっても良くないので、相談は早めにするようにしています。

━━どのようなことを大切に働かれていますか?

患者さんが望む元の生活になるべく近づけるにはどうしたらいいかです。私の想いですが、病気や怪我をされて、それが原因で家から出なくなるようにはなってほしくないです。完全に元通りとはいかないこともありますが、少しでもその方が回復できるよう、意識をしています。

━━他にはどんなことを意識していますか?

患者さんのモチベーションです。例えば、入院中にリハビリを続けていると、モチベーションが下がってしまう方も少なくありません。常に、患者さんの様子を見ながら、気持ちが下がっているなと感じたら、良くなっている部分を認めて伝えるようにしています。昨日できなかったことができたり、歩ける距離が伸びたり、前向きな変化がわかると、「もう少し頑張ってみよう」と思っていただける方が多いです。

この仕事のやりがいはどのようなことですか?

退院された患者さんが、その後、元気な姿で声かけてくれると、私も頑張ろうと思います。先ほども言いましたが、患者さんには、少しでも良い状態になってほしいです。なので、リハビリを頑張って、回復して、元気になってくれることが、とてもやりがいになります。それから、この職場は、患者さんもスタッフも良い人が多く、働きやすいところも、私にとって、仕事を頑張っていける原動力です。

 

━━岐阜で働こうと思ったのはどうしてですか

仕事を始める時は、仕事に集中したかったので、知っている土地が良かったです。それと、今の職場と出会ったことも大きいです。大学時代に、自分がどんな病棟で働きたいのかを決めきることができませんでした。だから、色々と経験ができる総合病院がよかったです。ここに見学に来た時に、対応してくれた方が今の上司ですが、とても安心でき、ここならやっていけそうだと感じました。それと、岐阜の雰囲気が自分に合ってるし、好きだということも岐阜で働くことを決めた理由です。

最後に地元就職を目指す後輩へのメッセージをお願いします。

働き先を選ぶ時には、まず、自分が働く上で何を重視するのかを考えると良いです。私は、職場の雰囲気や場所、総合病院という点でした。そのポイントをもとに見学に行くと、より自分に必要な情報が得られると思います。また、実際に働いている先輩と話をしたことも、私は決め手になりました。自分が目指す先に、日本福祉大学の先輩がいれば、ぜひ話してみてください。

~インタビュアーの感想~

卒業生へのインタビューを経験して、就職前後の生活や働いているときに大切にしていること、仕事をして身についたことなど、直接聞いてみないと分からないことがたくさんあり、とても貴重な経験ができたと感じています。現在、私は就職活動が始まっていますが、具体的にどういう所を意識して施設見学や情報収集をすればいいか、はっきりしていませんでした。しかし、インタビューで先輩が実際に就職活動で行っていたことや、重要視していたことなどもうかがうことができ、自分が悩んでいたことを解決することができました。今回の経験を就職活動だけでなく、就職後にも生かしていきたいと考えています。ありがとうございました。

健康科学部 理学療法専攻 河合裕聖

【卒業生取材】医療法人社団友愛会を訪問!

地域に出て、地域とつながり、地域とともに、地域をつくる

卒業生の活躍を取材する企画。今回は岐阜県関市出身の佐藤景子(さとう けいこ)さん[2001年卒]の職場を訪問しました。美浜キャンパスの社会福祉学部で社会福祉士の資格を取得された佐藤さん。現在は医療法人社団友愛会の在宅介護部で部長補佐を務められています。インタビュアーは、社会福祉学部4年の小林悠さんがつとめます。

━━現在はどのようなお仕事をされていますか?

今は、主に法人内や各事業所の運営など、サポート業務が多くなっています。友愛会には病院だけでなく、介護老人保健施設や訪問看護ステーション、デイサービスセンターなど、様々な介護保険事業所があります。それぞれの事業が円滑におこなえるように、そして、サービスの質を向上していけるように事業所の職員とともに考えています。また、職員採用の担当もしており、説明会や見学に来る方の対応をさせていただくこともあります。

━━これまではどんなお仕事をされてきましたか?

最初は介護の現場からスタートでした。それからは、社会福祉士として様々な施設で相談業務に携わってきました。最近では、小規模多機能型居宅介護を含む複合施設『You&I(ゆうあい)の森いわのだ』の立ち上げプロジェクトに関わりました。ゼロからの立ち上げが初めてだったので、大変ではありましたが、とても想いの詰まった事業所になりました。

 

━━この仕事の役割はどのように感じていますか?

法人の理念やビジョンを形にしていくことが、今の私の役割のひとつです。法人の目指す方向に、「地域の様々な分野の方と一緒にこの地域をより良くしていこう」という想いがあり、私はこのビジョンにとても共感しています。今はマネジメント職となり、現場からは少し遠ざかっていますが、それでも、自分の専門性、ソーシャルワーカーとしての心は持ち続けています。先ほどお話しした新しい事業所には、地域交流スペースを設けています。常に地域に開かれ、地域の方が交流できる場所ができたことは、私にとってとても嬉しいことです。

━━この仕事をしてから、どのような能力が身につきましたか?

視野が広がり、様々な立場、視点から物事を見られるようになりました。新しい職場に行くと、最初の1年はその職場のことを理解することで精一杯です。2年目になると、関係する他の部署や人たちなど、法人内のつながりが見えてきます。それがわかると、今度は、地域の方との関わりがわかるようになります。こうして、自分が関わる全体が見えてくると、相手のことを考えて、先を見越した動きがわかり、スムーズに周りと連携が取れるようになっていきます。例えば、ひとりの患者さんでも病院内のMSWとしてみるその人と、受け入れ先の介護施設の職員としてみるのとでは、全く見え方が異なってきます。連携には、いかに相手の立場から見ることができるかが大切だとわかりました。

 

━━働く上で大切にされていることはなんですか?

『つながる』ことです。この仕事は、地域をつくっていくこと。その地域づくりは、一人では決してできません。様々な人と出会い、つながりをつくり、連携することで地域づくりができると思います。そのためには、相談の場面だけではなく、全ての出会いにおいて、相手を尊重して、相手のことを理解することから始めるように心がけています。

他にも大切にされていることはありますか?

相談支援の仕事でいうと、相手との距離感です。相談者の方を家族のように思うけど、家族ではない。なんでもやってあげることが仕事ではないと思います。社会福祉士の仕事は、『つなげる』こと。でも、ただ制度と人をつなげることではありません。相談に来られた方が、今後の生活を、地域で、その人自身の力で生きていけるように支援することが本来の役割です。「私がいれば大丈夫だから、何でも頼ってね」ではなく、相手を尊重して、よりそって、真摯に向き合うことが大切だと私は考えています。

━━仕事の原動力は何ですか?

もっといろんな人に出会いたいという気持ちでしょうか。私は、根本的に人と関わることが好きです。これまでも、たくさんの人たちと出会い、自分にはない生き方や価値観を教えてもらい、育てていただいたと感じています。良いのか悪いのか、いまだに、新人のような気持ちで働いています(笑)。まだまだ学ぶことは多いですね。

 

━━どうして岐阜で働こうと思ったのですか?

ほっとする安心感が大きいかな。大学では知多半島で生活していましたが、山や川がある実家に帰るたびに感じた心の安らぎは今でも覚えています。この仕事は地域に関わる仕事なので、愛着がある岐阜の地で働きたかったです。ただ、現在は、仕事として地域づくりに関わっていますが、いずれは、自分が暮らす地域で、住民として地域づくりに関わることもしていきたいと考えています。

━━働いてから感じた地域の魅力はありますか?

温かい人と人とのつながりがあることです。都会とは違い、程よい田舎であることの強みは感じますね。自治会など、ご近所同士で情報交換しながら支え合って暮らしている方が多いです。例えば、災害の時に、どこに一人暮らしの方がいるか、誰が声をかけに行くのかなどが共有されています。地域で暮らす方の生活を、公的なサービスだけで支えるには限界があります。その隙間を埋めていけるのがインフォーマルなつながり。専門家として支援するときに、この地域のつながりを奪わないようにすることも大切です。

━━この職場の魅力はどんなところですか?

法人内に、ソーシャルワーカーがたくさん在籍していることです。その仲間の存在は大きいですね。色々と大変なことや辛いことがあっても、一人で抱えずに、素直に話して仲間で分かち合うことができます。また、病院をはじめ、介護施設、地域包括支援センターなど様々な場所でソーシャルワーカーとしての経験を積むことができます。これも、友愛会の強みだと感じています。

最後に地元就職を目指す後輩へのメッセージをお願いします。

ソーシャルワーカーを目指すのであれば特にですが、とにかく自分の引き出しを増やして欲しいです。社会福祉士の資格取得はあくまでスタート。自分の専門以外の学びも、浅くていいので広げていくと社会福祉士としての専門性がより深まると思います。何度も言いますが、この仕事は、目の前の方の暮らしをサポートします。物事を一つの捉え方しかできないと、相手を知ることが難しく、サポートはできなくなってしまいます。色々な経験を自分からして視野を広げてください。

〜インタビュアーの感想〜

今回、卒業生インタビューに伺ったことで、自分自身の将来のことをより考えることができました。私も、将来は医療ソーシャルワーカーとして働きたいと考えていて、最初から現場に入った方がいいように思ってました。しかし、そうではなく、まずは現場で学ぶことで、広い視野から考えることができ、より利用者の方の気持ちに寄り添えると考えました。また、佐藤さんは、「人と話すことが好き」という気持ちが根本にあって、とてもやりがいを感じながら、お仕事をされていると感じました。

社会福祉学部社会福祉学科 小林 悠

【卒業生取材】羽島市役所を訪問!

地域の声を大切に、羽島市で暮らす方の生活の安定をめざす

卒業生の活躍を取材する企画。今回は岐阜県岐阜市出身、現在は羽島市役所で働く水谷浩之(みずたにひろゆき)さん[2006年卒]の職場を訪問しました。水谷さんは、美浜キャンパスの社会福祉学部で学び、障がい者支援の現場経験を経て、羽島市役所で働かれ10年目。その仕事内容や働き方についてお話を伺いました。インタビュアーは、子ども発達学部3年の早崎昌志さん、高平侑佳さんがつとめます。

━━現在のお仕事について教えてください

福祉課の中で、障がい者福祉に関わる仕事を3年間しています。現在の担当は主に児童分野で、福祉サービスを利用する親さんの対応や、申請されたサービスの支給決定などをおこないます。また、行政がおこなうサービスを検討して、国や県から予算をもらう計画を立てるなど、お金に関する仕事も担当しています。市民の方一人ひとりとじっくり関わるというよりは、広く生活に関わる仕事です。

━━働き始めた頃はどんなことが大変でしたか?

様々な方とどのように関わるかです。始めは、同じ福祉課でも生活保護のケースワーカーをしていました。その頃は今よりも個人に関わることが多く、いろいろな状況、立場の人と出会いました。その方達の生活が安定するためにどう対応していくかは、それぞれ違うので大変でした。行政の仕事は、法律や条例など、必ず根拠に基づいていなければなりません。そのため、自分一人で抱えずに、市役所としてどう対応するかを上司や周りの職員と話し合って進めていました。

  

━━この仕事をしてから、どのような力が身につきましたか?

先ほどもお話ししましたが、この仕事は、法律や条例など根拠となる基準があります。その専門知識が身についたこともありますが、自分の対応が、どの根拠に基づいて判断しているのかを常に意識するようになりました。住民の方に正しく説明するには、こちらが細かいところまでしっかりと確認して把握して伝えなければなりません。

また、地域の社会資源と連携する力も高まったと感じます。一人の方を支援するには、民間の支援施設や、保健所、ハローワークなど様々な機関と連携しなければなりません。これまで築かれてきた関係を大事にしながらも、お互いが働きやすいようになることを心がけて連携をしています。

このお仕事のやりがいはどのようなことですか?

関わった方の生活が安定していくことです。生活保護を受けられていた方が、支援を通じて自立されたり、障がい者の方が、制度を利用して安定した生活を送っている姿を見ると、この仕事が皆さんの生活のプラスになっていると感じ、やりがいに思えます。

お仕事のモチベーションはどのようなことですか?

常に仕事があることは、頑張ろうと思える一つの要因です。職場は若い職員が多く、相談もしやすいので、働きやすいですね。もう一つは、家族のためです。羽島市は、子どもが小学校を卒業するまで時短勤務を延長できるようにするなど、仕事と子育てを両立する環境の整備に進んで取り組んでいます。そのような環境もあって、今の仕事は、家族との時間も取りやすく、そのために頑張ろうという気持ちは強いですね。

  

━━岐阜で働こうと思ったのはどうしてですか

家族や友人がいる知った土地で働きたい気持ちがありました。安心感がある地域で生活することで、働き始めた頃も仕事に集中することができましたね。大学時代に、実習で福祉の現場を経験し、地元で福祉の仕事に就くという軸ができたと覚えています。

━━働いてから感じた地域の魅力はありますか?

羽島市は近隣の岐阜市や大垣市に比べたら規模は小さいです。でも、福祉の現場では、昔から地域を支えている法人や、先進的な取り組みをしている法人など、地域の社会資源がとても充実していることが魅力です。住民の暮らしの安定のために、市ができることはほんのわずか。地域で一生懸命活動している方たちがいるからこそ、地域福祉が実現できています。その方たちの活動のために、適正に予算を計画していくことが私の役目ですね。

また、仕事をしていると、日本福祉大学の卒業生ともよくつながります。卒業生がたくさんいることも、この地域の魅力ではないでしょうか。

━━他にはどんな魅力を感じていますか?

福祉の分野に限らず、元気で積極的な方が多いことです。羽島市役所では、各町に担当職員が割り当てられています。私が担当している地域は特に住民の方が積極的で、市民運動会やお祭りなどの行事にたくさんの方が参加されます。行事を通じて、住民の方たちと交流することも、この仕事の楽しみの一つになっています。

   

最後に地元就職を目指す後輩へのメッセージをお願いします。

地元で働くことはいいですよ。自分が生まれ育った地域で暮らし、働き始められる安心感は大きいです。また、大学生活で、何かに一生懸命取り組むことをオススメします。私は、4年間アメフトに打ち込んでいました。あの経験があったからこそ、精神的に強くなったと今でも思います。勉強ももっとしておけばよかったと思うことはありますが、仕事に関係する専門的な知識は社会人になってからでも勉強はできています。頑張ってください。

〜インタビュアーの感想〜

羽島市の人の生活が豊かになることが仕事のやりがいとお伺いしました。私も今就活をしていますが、やりがいを持って働けるように企業選びを丁寧に行わなければいけないと再認識することができました。また地元で働くことの良さを伺った際、話のきっかけを作りやすいという良さをお伺いしました。地元で働くことの良さを聞き、私もより地元で働きたいと思えるようになりました。

子ども発達学部心理臨床学科 早崎 昌志

住民の方々が少しでも暮らしやすくなるためにはどうすることが良いのかを考え、支援していけることがこの仕事の魅力だと感じました。法律などの制約がある中で、その方々のニーズに応えるために自分たちは何ができるのかということを試行錯誤し続けることが大切だと学びました。そして、地元だからこその安心感や人との繋がりがあり、広い視野を持ってニーズを把握して、関係機関との連携ができるのではないかと思いました。

子ども発達学部心理臨床学科 高平 侑佳

【卒業生取材】岐阜県福祉事業団を訪問

人と人の関わりを通じて、日々学び、共に成長していく。

卒業生の活躍を取材する企画。今回は岐阜県八百津町出身の山口信次郎(やまぐちしんじろう)さん[2011年卒]の職場を訪問しました。山口さんは、美浜キャンパスの社会福祉学部で学び、現在は、社会福祉法人岐阜県福祉事業団が運営する関市の岐阜県立ひまわりの丘第三学園で働かれています。同じ職場で働く妻さんも本学の卒業生とのこと。インタビュアーは、社会福祉学部3年の松浦百花さんがつとめます。

━━現在はどのようなお仕事をされていますか?

障がい者の入所施設で生活の支援をしています。日中は、食事や入浴など生活の介助、夜間は、施設内の見回りなどが主な業務です。その季節に合わせた料理を一緒に行うなど、普段の生活を少しでも楽しんでもらえるようにしています。散歩や買い物など外出の時間も作ることも心がけています。

━━働き始めて最初の頃はいかがでしたか?

最初の配属は、就労の支援でした。社会人1年目から、働くとはどういうことかを考える仕事に就き、正直にいうと何が何だか分からず大変でした。ビジネスマナーの基本から、利用者さんと一緒に学ばせてもらっていました。私は、学生の頃は相談職を目指していましたが、最初に直接支援の現場で働けてよかったと感じます。最初から相談業務だと、自分の知識も能力もついていけなかったですね。

━━他にも、ここで働いてよかったと感じることはありますか?

職員が多く、助け合えることです。自分が知らないことを知っている方たちが周りにたくさん居てくれるので、多くを学ばせてもらっています。働きやすい職場です。

 

━━この仕事の役割はどのように感じていますか?

福祉現場の職員なので、しっかりした福祉のサービスを実施していくことです。サービスを必要としている方が、そのサービスを受けるためには、現場あってこそだと思っています。私たち現場ができていないと、いくら他の職種の方たちが頑張っていても利用者の生活は良くなりません。

━━この仕事をしてから、どのような能力が身につきましたか?

利用者一人ひとりをよく見て対応できるようになりました。例えば、行動を一つとっても、その人なりの原因があります。例えば、他の人に危害を与えてしまうような行動も、その人がそうせざるを得ない原因を理解することで、事前に対応することもできるようになりました。

━━他にもできるようになったことはありますか?

自分の感情のコントロールができるようになったことは大きいです。自分自身が、心が安定していないと、関わる相手にも影響が出ます。最初の頃は、自分の思い通りにいかないとイライラしてしまうこともありました。でも、職場内の研修や現場での経験を重ねた結果、以前よりもイライラすることが減り、余裕を持って対応できるようになりました。自分に余裕がないと良い仕事はできませんね。

 

この仕事のやりがいはどのようなことですか?

利用者さんと一緒に笑いあえる時間です。この施設は、強度行動障がいがあるなど、比較的重度障がいの方が多いです。コミュニケーションが難しい時もありますが、その方たちの想いを読み取って、一緒に共有できたときは嬉しいですね。毎日、現場の状況は違っていて、利用者さんの気持ちや状態も当然違う。その中で、新しい発見があって、利用者さんから日々学ばせてもらい、一緒に成長していると感じられることが原動力であり、やりがいです。

━━岐阜で働こうと思ったのはどうしてですか

働き始めは、慣れた土地で働きたいと思ったからです。学生時代は知多半島で一人暮らしをしてアルバイトもしていたので、愛知県内の事業所をいくつか見学に行ったのですが、結局、そこで働き生活していくイメージが描けませんでした。地元だと、仕事にも集中できるし、岐阜にいるという安心感がありました。また、この職場は障がいだけではなく多分野の施設も運営しているので、幅広く学んでいけることも魅力でした。

━━働いてから感じた地域の魅力はありますか?

福祉の社会資源の多さです。これは、就労支援の仕事に関わっていた頃に、地域の事業所と関わることが多かったので知ることができました。知多半島も福祉関係の団体は多かったですが、岐阜県もこんなにもあるとは働くまで気づきませんでしたね。岐阜でも十分にサービスは受けられるのだと知りました。また、ひまわりの丘がある地域は、近隣に特別支援学校や福祉に関わる大学があり、福祉に対する地域の理解があります。障がい者の受け入れに前向きな企業が多いです。

  

━━最後に地元就職を目指す後輩へのメッセージをお願いします。

ぜひ、岐阜県で一緒に働きましょう。地元の暖かい風土は、何よりも安心感があります。利用者さんと関わる際にも、岐阜県同士、話が合うので働きやすいです。この職場は職員も県内出身の方が多く、みんなで楽しく働いています。

〜インタビュアーの感想〜

自分が育った環境で就職をするということは「安心」だということを今回改めて取材をしていく中で感じました。取材中、地元のことを知っているようで意外と知らなかったこともあるということを、おっしゃっており、地元で働くことで、新たな発見もあり、さらに地元への思いも深まっていき、モチベーションを保つことができることを感じました。何よりも、ミスは避けたいことではありますが、ミスをしたときに謝って許してもらえるような関係づくりというものはとても大切なことであると感じ、人とのつながりは自身がこれから社会人として大事にしていきたいことだと感じました。

社会福祉学部社会福祉学科 松浦 百花

【卒業生取材】大垣市社会福祉協議会を訪問

その方ができることに目を向け、

自立のために一緒に悩み考え続ける

卒業生の活躍を取材する企画。今回は岐阜県養老郡養老町出身の安部里奈(あんべ りな)さん[2012年卒]の職場を訪問しお話を伺いました。安部さんは、半田キャンパスの健康科学部で介護を学び、特別養護老人ホームの現場経験を経て、現在は社会福祉法人大垣市社会福祉協議会に所属。大垣市障がい者就労支援センターで相談員をされています。インタビュアーは、社会福祉学部3年の小椋将喬さんと麓由名さんがつとめます。

━━現在はどのようなお仕事をされていますか?

大垣市障がい者就労支援センターで、障がい者の方やそのご家族、受け入れ先の企業の相談を受けています。ご本人からの相談が多く、仕事の探し方や、働いた後の職場での悩みなど、幅広く対応しています。事務所にいるだけではなく、働く現場を訪問して本人さんと企業の間に入り、その方が働き続けられるように調整を行うこともあります。

━━仕事ではどのようなことを意識されていますか?

まずはご本人の想いを受け止めることを大切にしています。働く方法はたくさんあって、ご本人の要望や、その方の障がいの特性に合った働き方を一緒に考えるためには、しっかりと話を聴くことから始まります。また、働いていく中での失敗経験もご本人にとっては貴重な体験の一つです。失敗をさせないのではなく、それを経験として一緒に考え、見守ることも大切な支援だと思っています。

 

━━この仕事の役割はどのように感じていますか?

一つ目は、精神的な支えでしょうか。以前、利用者の方に「何か困った時に、まずは安部さんに相談すればなんとかなる」と言われたことがあり、この仕事が、地域の方の支えになっているのだと感じました。二つ目は、橋渡しです。ここで全ての支援をするのではなく、ご本人が地域で自立して暮らしていくために、例えば、利用できる制度を探したり、地域の支援機関や受け入れ先の企業につなぐことなど、ご本人と地域との橋渡しが私の役割です。

━━この仕事をしてから、どのような能力が身につきましたか?

聴く力は初めの頃より身についたと思います。人はそれぞれ物事の受け止め方や価値観が違います。相談を受けるには、ご本人がどのように捉えているのかを、その方とすり合わせていかなければなりません。どうしたら本音を話してもらえるかを意識してきたことで、聴く力が高まったと思います。また、この仕事に就いて、これまでよりも色々な人と接する機会が増えました。関わった方たちから日々学ばせてもらっています。

━━他にも働かれてから変わったことはありますか?

働くということは、当たり前のことじゃないんだなって気づきました。色々なことにぶつかり、色々な人と関わり、働くことって実は難しいことなんだなって。この仕事をしてから、自分が働けていることについて、周りの人に対する感謝の気持ちが出てきました。また、働き始めの頃は、視野が狭く、考え方もどちらかというとネガティブでした。でも、たくさんの人と話をしてきたことで、だんだんと考え方が前向きになり、笑顔で居られることが増えたと感じています。

 

この仕事のやりがいはどのようなことですか?

本人さんの想いが叶った姿を見られた時は、やっていてよかったと感じます。以前、関わった方で、とても不安が強い方がいらっしゃいました。就労が決まって、初出勤日に待ち合わせをして一緒に職場へ向かったのですが、その途中も泣いてばかりで大変でした。でも、1日頑張って働いて、終わった時に活き活きとした笑顔で帰ってきてくれたことがあり、とても嬉しかったことを覚えています。人相手の仕事なので、大変なこともありますが、誰かの人生にここまで一緒に悩んで考えられるのは、素敵な仕事だと感じますね。

━━岐阜で働こうと思ったのはどうしてですか

地元以外考えたことがなかったです。家族がいる生まれ育った地域で働きたいと思っていたので、初めの職場も地元養老町の隣の輪之内町でした。今も、祖父母も一緒に3世代で暮らしています。仕事でうまくいかないことがあっても、なんでも話ができる家族がいるという心の支えは大きいですね。

━━働いてから感じた地域の魅力はありますか?

大垣市は、福祉を地域で育てようという基盤ができていると感じます。各地域の自治会がしっかりと活動していることや、地区ごとに社会福祉推進協議会があることで、サロンや見守り支援などが住民主体でおこなわれています。そのため、住民のニーズが把握できるため、支援につながりやすいです。社会福祉協議会として活動がしやすいことは魅力ですね。

 

最後に地元就職を目指す後輩へのメッセージをお願いします。

学生のうちに、何か自分が熱中できることを見つけておくなど、自分の気分を切り替えることができるようになっておくといいと思います。先ほども話しましたが、福祉業界の仕事は、人と関わる仕事なので、自分の気持ちのコントロールができないと、相手との関係もうまくいきません。ちなみに、私は美味しいものを食べることで気分転換をしています!

あとは、大学で一緒に学んだ仲間の存在も大きいです。悩んだり行き詰まった時に、話ができる仲間がいることは大切ですね。

〜インタビュアーの感想〜
障がい者の持つ力を最大限に引き出し、地域に溶け込んでいける社会を創る仕事であると感じました。その実現のためには、傾聴力や誰にでも分け隔てなく接する力が必要になってくるし、何よりも「笑顔」が大切だと笑顔で語る姿が強く印象に残っています。今回のインタビューを通して、働くことにより、地域の魅力の発見や新たな学びができるなど知り、働くことの意欲がさらに湧きました。

社会福祉学部社会福祉学科 小椋 将喬

地元で働いている先輩の話を聞いて、私も自分の地元に帰り働きたいという気持ちが増してきました。また、大きかったことは、視野が広がったことです。これまでは、今自分が目指している分野で働くことしか考えていませんでしたが、社会人になったら先輩のようにもっとやりたいことも増えると思います。あまり決めつけずに、目の前のことを頑張ろうと思います。

社会福祉学部社会福祉学科 麓 由名

 

【卒業生取材】サンビレッジ岐阜を訪問

目に前の方に、自身を尊く思い、

人生を全うする意義を感じてもらいたい

卒業生の活躍を取材する企画。今回は岐阜県郡上市出身の井上梓美(いのうえ あずみ)さん[2008年卒]の職場を訪問しました。井上さんは、美浜キャンパスの社会福祉学部で社会福祉士を取得後、専門学校で言語聴覚士を学ばれています。現在は社会福祉法人新生会のサンビレッジ岐阜で働かれて10年目。インタビュアーは、社会福祉学部2年の杉岡真帆さんがつとめます。

━━現在はどのようなお仕事をされていますか?

言語聴覚士としては、言語に障がいがある方に対してリハビリをしています。高齢者の方が多いですが、小さなお子さんも担当しています。集団でリハビリを行うこともあれば、ご自宅を訪問して1対1で行うこともあります。利用者の方が、その方の暮らしの中で困らないようにリハビリをすることが役目ですね。

━━他にはどんなお仕事をされていますか?

社会福祉士が活かされているのは、まちづくりの仕事です。ここサンビレッジ岐阜は「赤ちゃんから高齢まで安心して暮らせるまちづくり」をコンセプトに、シティータワー43自体が一つの“まち”として機能しています。その中で、住民の方やそのご家族、地域の方が楽しく交流してつながれるように、様々な仕掛けづくりをしています。例えば、体操をしたり、小物づくりの教室を開いたり、茶話会を企画しています。専門職という立場で関わるのではなく、町の住民としてみなさんと関わっている感じです。

  

━━この仕事の役割はどのように感じていますか?

私の全ての仕事は、目の前の方や、そのご家族が望んでいる暮らし方や生き方を実現していくことだと思っています。例えば、研修の企画をする委員会の委員長を担当しています。その中で、色々な職種の方が集まって学ぶ「ごちゃまぜ研修」に携わっています。その研修では、参加者の方に、いかにお互いの仕事を理解して、自分がどう動けばいいかを考えてもらいます。現場で多職種の連携が高まることで、利用者さんやご家族の望む暮らしにより近づいていきます。

━━この仕事をしてから、どのような能力が身につきましたか?

相手の言動の背景にある意図や本当の想いを意識できるようになりました。働き始めたころは、その方がおっしゃったことをそのまま自分の中に入れるだけで精一杯でした。でも、仕事を続けてきて、高齢者の方にどのように残りの人生を生きてもらうか、いかに最期を迎えてもらうか、そのために自分に何ができるのかを考えるようになりました。そうした時に、相手の方がこれまでの人生をどう生きてきたのかまで考えながら、お話を伺うようになりました。

━━人生の最期に関わることは、辛いことも多くないですか?

確かに、突然の別れなど、悲しいこともあります。その時は、ご家族と一緒にご本人のことを話して、悲しみをわかち合います。また、スタッフ同士でも想いを話して共有し、支え合っていますね。関わった後は、毎回必ず、自分がしたことがご本人にどう影響していたか、ご本人の本当の想いを理解できていたか、ご家族が納得できた別れになっていたかなどを振り返って、次の仕事につなげていくことを意識しています。

  

この仕事のやりがいはどのようなことですか?

利用者の方の姿や声はやりがいですね。「井上さんがきてくれると家の中が明るくなる」と言われると、関係が築けたなと嬉しく感じます。この仕事は、利用者さんやそのご家族と一番近い位置で働けます。その方々の想いにも近くで触れていくため、信頼関係をつくらないとできない仕事です。自分の意思が言葉で伝えにくい人が多いですが、関係ができて、やり取りの中でお互いに気持ちが通じ合えた瞬間は、本当に嬉しいです。

━━岐阜で働こうと思ったのはどうしてですか

自分が目指していたことにぴったりのフィールドが岐阜にあったからです。私は、祖母の言語障がいがきっかけで言語聴覚士に関心を持ったのですが、福祉も学びたいと思い、日本福祉大学へ進学しました。その後、やっぱり最初に目指した言語聴覚士も勉強しようと決めて卒業後に専門学校へ通いました。就職の際に、福祉の現場で、より生活に密着した環境で働いていきたいと思っていた時、今の職場と出会うことができ、ずっと岐阜で働いています。

━━働いてから感じた地域の魅力はありますか?

人間関係が希薄でなく温かいところです。ここでも毎月防災訓練を行いますが、皆が参加してくれて、つながりができていきます。また、地域に出ると社会資源がたくさんあることに気づきました。今はまだ活用しきれていない部分もあるので、今後は、地域の方が、地域の中にその人なりの居場所を感じられるように、もっと地域とつながっていきたいと考えています。

  

━━この職場の魅力はどんなところですか?

色々ありますが、子育てをしながら働けるところは非常に助かっています。職場の中に保育園があるので、子どもと一緒に出勤して働いていました。また、会議も子連れOKの職場なので、卒園した後も子どもを連れて来て会議や職員向けのエアロビ教室に参加しています。

最後に地元就職を目指す後輩へのメッセージをお願いします。

高齢者分野の仕事はとても素敵な仕事です。働く中で、自分もこんな風に年を取りたいなと思える方にたくさん出会えます。もちろん、悲しいことや大変なこともありますが、一人の人間が、人生の最期の姿を見せてくれるということは、とても大切な事なのだと感じます。その方のこれまでの生き方、人生をたくさん聴いて、高齢者の方に育ててもらい、自分の人としての幅が広がりました。そんな幸せな仕事に岐阜で関わる学生さんが増えてくれると嬉しいです。

〜インタビュアーの感想〜

井上さんにお話を伺い、大変な事や今課題と感じている事、苦労している事も含め、「仕事を楽しんでいる」ということが伝わってきました。「命が続く限り、1日でも長く長生きしてもらうために支援はしているけど、死は終わりじゃなくて思い出と共に生きている」という話を聞いて、私もそんな時が来たら利用者に後悔のない関わり方をしたい。利用者自身もこの人たちに看取ってもらえて良かったと思われたいと感じました。「看取る」というのは悲しい事だと思っていましたが、とても幸せな事なのだと思えるようになりました。
私も、年をとることを楽しみだと感じられる人生を送れるようにしたいです。

社会福祉学部社会福祉学科 杉岡 真帆