事業所取材企画、大垣市社会福祉事業団訪問!

岐阜県の魅力ある事業所を紹介するガイドブック作成企画の取材。今回は、岐阜県大垣市にある社会福祉法人大垣市社会福祉事業団に伺いました。大垣市社会福祉事業団は平成2年に大垣市にある福祉施設の管理運営を目的に設立。公益性の強い社会福祉の専門機関として大垣市の社会福祉事業の推進を図り、現在では自主事業で特別養護老人ホームの運営や、地域包括支援センターの経営もされています。また、働く方の相談を受けるジョブサポーターの配置や、岐阜県が実施する「子育てエクセレント企業」にも認定されているなど、働きやすい環境作りに積極的に取り組まれている法人です。
今回取材のインタビュアーを務めるのは、社会福祉学部4年の山下悠さんと、同じく社会福祉学部2年の杉岡真帆さんです。
最初に事務局の臼井課長から事業団が成り立った経緯や背景を伺うとともに、本日インタビュアーの2人が取材に来たことに対して、1歩踏み出して現場へ足を運ぶ大切さをお話しいただきました。
 
事業団では、事務職専門の職員は原則おらず、臼井課長、含め全員が福祉の現場を経験してから事務方の仕事をされているとのこと。現場を知っているからこその強みや仕事の楽しさを体感されている臼井課長からのエールは、インタビュアーにとって心強い言葉となりました。
次は、施設見学。同敷地内にあるデイサービス、養護老人ホーム、ケアハウス、老人福祉センター、救護施設と一度に複数の施設を周り、情報を整理するために質問しながら必死にメモをとるインタビュアーの2人。一つ一つ説明いただきながら見て行くことで、それぞれの施設の違いを体感することができました。
 
 
見学を終えて、インタビュー本番。今回は、入社23年目、育休産休制度を3年取得し、子育てをしながら働き続けている相談員の長澤美里花さんにも参加していただき、お話を伺いました。
――育休制度が3年も取得できるのはどうしてですか?
以前は、法律と水準と同様の1年でした。しかし、職員さんの状況や時代にニーズに合わせて、3年間取得できるようにしていきました。この地域では先を見据えて他よりも早く3年取得に変更しています。
――長澤さんにお伺いしますが、実際に3年休んで復帰していかがですか?
3年経つと利用者さんが変わっていて、施設の雰囲気が以前とは違っているように感じました。また、法改正や制度の変更もあるので、新しく覚えなおすこともありました。私は、復帰半年後に相談員として、新人職員と一緒にデイサービスに配属されました。同じように、覚える事や、わからない事がありましたが、周囲に指示を出す立場でもあり、求められる事も多く、大変なこともありましたが、子育てに関しては、周りの理解がある職場なので働きやすいです。子どもが急に熱を出しても、周りの協力があって休みやすいです。
――今のお仕事(相談員)のやりがいはどのようなことですか?
利用者さんから言われるありがとうは、嬉しいですね。相談員としてのプレッシャーはありますが、現場で長く働いて来た年数と経験があることで、対応できることも多く、ありがとうにつながっていると感じます。
 
――お仕事をされる上で、大切にされていることはありますか?
「サービスをしてあげる」にならないことです。私たちの仕事は利用者さん主体で、相手が求めることをただやってあげるのではなく、ご自身で出来る事は行って頂きながら、出来ない所をお手伝いさせて頂くということだと思っています。そのため、全員に同じ支援ではいけないですね。支援したことで、これまでできていたことができなくなってしまってはいけません。
――職員さんから見た職場の雰囲気はいかがですか?
職員も利用者もいろんな人がいるため、良い部分も悪い部分ももちろんあります。ここでは、職員同士で、職場に足りていない部分を良くしていこうという雰囲気があります。職員の話を聞いてくれるジョブサポーターさんもいるので、安心して働けます。
――ジョブサポーターの方は、具体的に何をされているのですか?
月1回各施設を訪問して、守秘義務の上で、悩みや困りごとを聞いてくれます。上司に相談しにくいことも、個別に安心して話せる場所があることは助かります。解決を求めることもあれば、吐き出すことでスッキリして気持ちが楽になることもあります。
――他に、こちらの職場の強みはありますか?
介護だけでなく、障がい児支援や自立支援など様々な分野の現場があることです。入社してもらう時に希望を伺い、できる限りその希望からスタートしますが、経験とともに異動があり、他の分野を経験することで多くのことを学ぶことができます。そうやって長く続けていくことで、法人内外での人脈ができ、つながりが深まっていきます。そのため、ここでは勤続年数が長い方が多いことも特徴です。
 
――最後に、私たち学生へメッセージをお願いします。
最初にもお伝えしましたが、これから自分が働いて行く職場を選ぶにあたって、必ず現場に足を運んで自分の目でその場所を見て欲しいです。アポイントを取るための電話など緊張すると思いますが、勇気を持って行動すれば、得られることは絶対にあります。そして、自分で「ここで働く」と決めたなら、その職場をもっと良くしていこうと自分で主体的に考えて欲しい。職場や周りの人が悪いと考えてしまうと、辛いだけで何も変わりません。自分から改善していく姿勢、自分から職場に馴染む努力をして働くと楽しいです。
取材終了後、インタビュアーの2人からは、職場や仕事の良い部分だけではなく、現実的な大変さを知れたことで、より自分が働く姿を描けるようになったとの声がありました。
貴重なお話をたくさんいただいた臼井課長、長澤さん、ありがとうございました。事業所の取材は今後も続きます。関心がある方は、gifuinfo@ml.n-fukushi.ac.jp星野まで連絡をお待ちしています。