2018年6月24日[土]に、COC+参加大学共通プログラムの企業見学会が行われました。
今回は、日本国内外から多くの観光客が訪れる高山市の企業2社をバスで訪問。岐阜大学、中部大学、名古屋学院大学、日本福祉大学の4大学から30名の学生がしました。
1社目は、JTBが選ぶサービス最優秀旅館において、日本一を受賞した株式会社本陣平野屋。
まずは、学生がお客様となり、旅館のおもてなしを体験。グループに分かれ、各客室に仲居さんがつき、接客を受けました。2年目の仲居さんが担当してくださりましたが、教育研修が行き届いており、2年目とは思えないおもてなしをしていただきました。
「旅館を知っていますか?」という若女将の問いかけから始まった企業説明では、旅館の一日の流れとそれぞれの持ち場の仕事・役割について、どのような連携して働いているのかをわかりやすく説明していただきました。
本陣平野屋さんは、ひとりひとりのスタッフが、お客様のことを想い、常に新しい驚きと喜びを提供できる進化する“おもてなし”の宿づくりを心がけていらっしゃいます。そして、飛騨高山から日本の観光産業を盛り上げるべく地域貢献できる会社を目指していると聞かせていただきました。
2社目は、書籍やテレビなどのメディアで取り上げられる、話題の地元密着型スーパー、株式会社ファミリーストアさとう。
「地域の人が求めるものを揃えたい」という思いで、地元企業が作る地元食材を多く取り扱っています。そんな自慢の地元食材を全国に広げるためにネット販売にも力をいれています。
常に、お客様・生産者さん・一緒に働く仲間の目線を大切に、ファミリーストアさとうの個性を磨いて進化をされています。
株式会社ファミリーストアさとうさんは、「すぐやる。相談する。全員でやる。」というスピリットのもと、地域に根ざし、お客様とのコミュニケーションと絆を深め、お客様の満足に向けてもう一歩踏み込んで、新たなチャレンジをしていくと聞かせていただきました。
〜参加学生の声〜
〇地元に根付いた企業の考え方、経営の仕方を学ぶことができ、地域密着型企業について見方が変わった。
〇地元に対する熱意・思い入れというものが地域を支えており、様々な形で地元に貢献できることを知ることができた。
〇自分の就職活動に関しても、企業理念や経営方針などを意識して企業選びに活用したいと思います。
〇今回訪問した企業さんの考え方は福祉にも通ずるものがあると感じました。察して行動に移すことは難しいかもしれませんが、それができてこそ福祉職が務まると思うので、今日学んだことをこの先に活かしていくために「人を観て行動」していきます。
Monthly Archives: 6月 2018
【参加者募集】サマースクール2018in中濃
COC+参加5大学の学生50名が一堂に会して地域の課題に取り組む企画「サマースクール」が今年も開催されます。
今年で3回目となるサマースクールの舞台は岐阜県の関市、美濃市、郡上市の中濃地域。刃物や和紙などの伝統産業と文化が栄えるこの地域でその魅力をさらに発信していく提案を考えます。
一昨年、昨年と、本学からも多くの学生が参加し、たくさんの学びを得て成長を遂げています。
昨年の様子はこちら
・他大学の学生と交流したい方
・地域の課題に取り組みたい方
・この夏、挑戦してみたい方 などなど
皆さんの参加をお待ちしています。
日程 |平成30年9月4〜6日
参加費 |9,000円( 宿泊費、朝食・昼食・夕食各2回分を含む)
研修拠点|郡上ヴァカンス村ホテル
参加定員|50名
申込期限|7月31日
申し込みは、以下フォーム、もしくは、チラシ裏面の申し込み用紙、メールでも受け付けております。
詳細はチラシを参照ください。
申し込みフォーム
サマースクールチラシ
東濃企業見学会2018開催
2018年6月16日[土]に、COC+参加大学共通プログラムの企業見学会が行われました。今回は、岐阜県東濃地域に本拠地を置く2社の企業をバスで訪問。岐阜大学、中部大学、日本福祉大学の3大学から27名の学生がしました。
1社目は、中津川市の食品製造会社、株式会社サラダコスモ。もやしやスプラウトなどの発芽野菜の生産を中心に事業を展開されています。母親が子を思う気持ちと同じように安全な野菜つくりを目指し、無農薬にこだわった天然のミネラルだけを使用した栽培を行っています。まずは、その現場、「中津川サラダ農園」を見学しました。
無農薬栽培のため衛生管理は徹底されており、そこにいる社員の皆が、その意識を持って働かれている様子を見ることができました。
続いて、教育型・観光生産施設「岐阜中津川ちこり村」へ移動します。土曜日ともあって、施設内は大勢のお客様でにぎわっていました。ヨーロッパでは日常的に食されている野菜「ちこり」をいただきながら、若手社員の方から、会社のこれまでの沿革や、事業概要、今後の展望をうかがいました。野菜を通じて、人々の健康を支える仕事をしているというお話に、学生たちも真剣に耳を傾けていました。
休憩を挟んで、次に訪問したのは、土岐市に本社工場を置く高砂工業株式会社。熱処理技術とその設備は、国内で最大級。東京ドーム30個以上という広大な土地で、国内産業を支えています。
はじめに、社員の方から会社の説明を伺いました。BtoBの企業であるため、日常生活で目にすることはあまりないかもしれませんが、車やスマートフォン、食品や薬まで、私たちの生活に必要なものを作るには、熱処理の技術が必要不可欠です。その生産設備を、メーカーなどの顧客の要望に合わせて作られている企業です。
開発から、生産、アフターフォローまで全ての工程を自社で行うことで、顧客からの信頼は高く、100年企業を目指して社員一丸となって頑張っておられます。
工場見学では、各設備を生産する現場や、商談に使用するショールームなどを回りました。本社事務所は部門ごとの壁がなく、経営者の方たちも同じワンフロアーで働かれています。また、敷地内には川魚の飼育も行っており、年に1回皆さんで食べるパーティーを行うなど、風通しの良さを感じました。
最後は、入社5年目と3年目の若手社員お二方との座談会。お二人が入社した経緯や、現在の仕事内容、働く職場の環境など、学生からの質問にざっくばらんに答えていただきました。
企業見学会は、今後も予定されています。関心がある方はぜひご参加ください。
<申し込み受付中>
2018年7月7日 西濃地区企業見学会
詳しくはこちらのチラシをご覧ください。
企業見学会チラシ
事業所取材企画、木沢記念病院訪問!
岐阜県の魅力ある事業所を紹介するガイドブック作成企画の取材。今回は、岐阜県美濃加茂市にある社会医療法人厚生会「木沢記念病院」に伺いました。木沢記念病院は1952年に開設以来、地域の方の要望に応え、安全で質の高い医療を提供するために、最先端の技術を積極的に取り入れられてきました。さらに、全国に4箇所しかない自動車事故による脳挫傷に起因した意識障がいを専門に治療する医療機関「中部療護センター」を運営しています。また、事業所内保育所やくるみんマーク取得など、働きやすい環境作りに積極的に取り組まれています。
今回の取材のインタビュアーを務めるのは、医療現場で相談職を目指す3名。社会福祉学部4年の岩本雄気さん、上田紗希さん、堀友理香さんです。
本学のOBOGである、経営支援部で活躍されている入社7年目の小川雅朝さんと、中部療護センターでメディカルソーシャルワーカー(以下MSW)をされている入社6年目の岩島志穂美さんのお二人から、入社してから現在までのお仕事の内容を伺いながら自己紹介。そして、人事部の廣瀬聡部長から、病院とセンターの概要を伺いました。
同じ美浜キャンパスで学んでいた先輩を前にして少し緊張したインタビュアーでしたが、岩島さんが、インタビュアーと同じゼミの出身ということがわかり、恩師の話で盛り上がります。
次は、職場の見学。病院内の各病棟と、療護センターを案内していただきました。岐阜県内で初めて外国人患者受入れ医療機関拠点病院に認定されたこともあって、案内表示は多言語表記、関係施設のパンフレットも多言語で充実しています。それぞれの場所で質問しながら熱心にメモするインタビュアー。将来の仕事への熱意がその姿から感じられます。
見学を終えて、先輩方へのインタビュー本番。施設見学で感じたことや法人の特徴、お二人の仕事の内容などを、じっくりと伺いました。
――病棟がたくさんあったのですが、それぞれ担当のMSWがいらっしゃるのですか?
現在MSWは法人全体で10名おり、1人が2病棟を担当しています。時代の流れや、さまざまな患者様のニーズに対応するために、年々増員してきました。特に退院の支援では、入院の早い段階から専門職のチームで患者様とそのご家族に関わり、より良い支援が行える体制をとっています。
――MSWとしての採用は行っていないと伺ったのですが?
以前は、事務職採用とMSWの採用を分けて行っていたのですが、現在は、一般の事務職員と同様にMSWも事務職として採用しています。そのため、入社後は最初から相談職に就くのではなく、まずは医療事務の仕事を経験してもらっています。事務職を通じて、医療現場の流れを知り、地域の連携先や社会資源を理解することができるなど、相談職を担う上で必要な基礎能力が身につきます。こうした方が、MSWとして患者様への力にもなっています。
――岩島さん、実際にMSWに就く前に事務職を経験してみていかがでしたか?
事務職でのベースがあったから、今のMSWの仕事をこなせています。事務職での最初の1ヶ月は、自分が何を目指してここにきたのかを見失いかけました。しかし、医療事務の仕事の役割の大切さに気づいてからは、その場所でのやりがいも感じ頑張ることができました。MSWの仕事は、地域で生活したい方の希望を実現すること。例えば、訪問看護を必要とする患者様がいたら、どこの事業所が担当してくれるのかなど、患者様が住む地域のことを知っていないと務まりません。私は、2年事務を務めましたが、この経験は大きいですね。
――療護センターでのMSWの役割は?
3年間かけて、患者様とご家族の退院支援を考えていきます。交通事故での入院のため、ご本人とお話できることは少なく、ご家族との話し合いが多くなります。ご家族の本当の気持ちを聴けるには半年はかかります。安心して話してもらえる環境と関係を築いて、しっかりと傾聴し、気持ちの整理を手伝います。退院後の支援は、支援者側がこうした方がいいという提案だと、患者様のためではなく、支援者が支援しやすい内容になってしまうので、患者様とご家族の意向を尊重することは忘れないようにしています。
――どのようにスキルアップされていますか?
岐阜県のソーシャルワーカー協会が主催する勉強会や、関係する学会に参加して学んでいます。療護センターの全国会議も開かれているので、そこで他のセンターの支援状況など、情報を共有することも学びになっています。また、恩師のゼミでは大学院で行われているケーススタディーに卒業生も参加できるので、学べる場所はたくさんあります。
――働いていて感じる職場の魅力はありますか?
職員同士の垣根が低いことです。うち職場では、年齢や職種、役職などの立場に関係なく、意見交換が活発に行われていて、接点も多いです。入社してすぐに仕事で疑問があって、誰に聞いていいかもわからない時、誰に聞いても答えてくれたのはありがたかったです。理事長からも、医師が全ての権限を持つのではなく、それぞれの専門職が、それぞれの立場で専門職としての役割を果たし、多職種で患者様に関わっていこうという方針が出されており、それが実践されています。
――地域とのつながりを深めるために何か取り組まれていることはありますか?
健康フェスティバルや、生涯学習センターで市民向けの講座を開催しています。健康フェスティバルは、地域の方が1,000人ほど来場されるイベントで、無料の健康チェックや、保健指導、身近な医療情報の提供など、来場いただいた地域の方に大変好評です。24時間365日、断らない対応を行っている病院が地域にあることを、統計データをもとに地域の方に知っていただくと、安心した顔が見られ、私たちも嬉しく感じます。
――最後に、私たち学生へメッセージをお願いします。
何事も経験するということを大切にして欲しいです。今日のように、実際に病院に行ってみなければ感じられないことが多いです。今やっている経験は、将来必ず役に立つので。また、一生懸命は大切ですが、頑張りすぎないことも伝えたいです。1年目から自分の力が発揮できるのは難しいです。焦らずに先を見て、仕事に取り組んで欲しいです。仕事は楽しいですよ。
取材終了後、インタビュアーの3人からは、インターネットなどの情報だけではわからなかった病院の魅力や雰囲気を肌で感じることができた。自分が働くことについて、あらためて考えるきっかけになったと感想をもらいました。
貴重なお話をたくさんいただいた廣瀬部長、小川さん、岩島さん、ありがとうございました。事業所の取材は今後も続きます。関心がある方は、gifuinfo@ml.n-fukushi.ac.jp星野まで連絡をお待ちしています。