Category Archives: 卒業生取材

【Uターン先輩紹介】JAにしみの井上さん取材

地域に自分の役割がある。だからここで働く。

岐阜県養老町出身の井上翔太さん。2015年に子ども発達学部を卒業後、生まれ育った地域で働きたいという強い想いのもと、西美濃農業協同組合(JAにしみの)へ入社。地域のお祭りへの参加や、中学校での卓球のコーチを務めるなど、本業以外でも地域を盛り上げることに力を注いでいる井上さんにお話を伺いました。
━━現在はどんな仕事をされていますか?
主に保険の営業を担当しています。JAの仕事は地域の方が生まれてから生涯を終えるまで関わります。その中でも保険は生命保険や損害保険、自動車保険など7分野あり、幅広くここで暮らす方の生活の助けになると感じています。現在は外回りが多く、一軒一軒ご自宅を訪問してじっくりとお話を伺うことを大切にしています。
━━保険の仕事を始めた頃はいかがでしたか?
最初はお客様と何を話していいか全くわかりませんでした。入社直後は、農業に関わる仕事だったのですが、1年で担当が代わり保険を扱うことになりました。とりあえず、1週間で自動車分野だけを徹底的に勉強して商品知識をつけて、後は現場に出て覚えていった感じです。1年が経って、やっとどんな保険でもお客様の状況に応じて提案できるようになったと感じています。
  
━━職場での井上さんの役割は?
色々な場面でつなぎ役だと感じます。農協と地域、お客様と職場、上司と後輩と、全ての間に入ってつなげていると言った感じでしょうか。お客様から伺った情報で私の担当ではない部分は、その担当者と情報共有をしたりと。また、地域貢献活動として、例えばある田畑で鳥獣対策の柵を作るという情報が入れば、職員みんなで手伝いにいきます。そこで、地域の方と一緒に作業をしながら、仲良くなり、地域を盛り上げていこうとしています。
━━とても地域が好きなように感じますが、どうして岐阜で働こうと?
この地域に自分の役割があったことです。大学時代は知多半島で生活していたので、暮らしやすい知多もいいと思っていたのですが、いざ就職を考える時期になり、あらためて考えてみた結果、生まれ育った地元がいいと思いました。昔から、実家のある地域のお祭りで笛を吹いていたことや、長男であることなど、この場所には、私の役割があるように感じます。その中でもJAの仕事は地域密着型で、その地域で暮らす個人に関わる仕事だったため、ここを生涯の自分の職場に選びました。
━━働いて感じた地域の魅力はありますか?
みなさんおおらかで優しいです。職場にもよく野菜を差し入れに持ってきていただけますし。そして、お元気で、それぞれが地域で役割を持って自立しながらもつながって生活しているように感じます。よく集まって、よく話をしていて、私も自分が知らなかった地元の良さをたくさん教えてもらい、びっくりすることが多いです。地域の方とお話をしてきて、見える景色が変わってきました。
 
━━そのような地域で働くやりがいは何ですか?
今は保険の契約が取れることです。契約が取れるといっても、押し売りをするのではなく、お客様に必要な商品を提案して、そして、その保険がお客様の生活の役にたった時に本当にやっていてよかったと感じます。この担当になって間もない頃、自分のことを優先に考えて保険を提案し、契約はできたものの結果的にお客様のためにならなかったことがありました。それからは、お客様を悲しませることだけはしないと心に決めました。この経験があったからこそ、今の自分があると思います。
地元就職を目指す後輩へのメッセージをお願いします。
まずは、自分が働きたいと思っている地元のことを知ることが大切だと思います。地元に何があって、何が魅力なのか。そして、自分が就く職場、仕事で、地元に何ができるのかを考えて欲しいです。そのことを考えて仕事を選んだことで、私は、今の仕事が自分に大変合っており楽しく働けています。

〜インタビュアーの感想〜
今回のインタビューを通して、地域のつながりを強く感じました。また、岐阜県が本当に大好きだからこそできる仕事だとも思います。地域の方の目線で事業を進める姿や、地域の方がどうしたら笑顔で暮らせるのかという観点を重視していてこのような場所で働けたら幸せだと強く感じました。仕事内容を伺っている時は、幅広い分野で覚えることが多いという印象的を受けましたが、その中でも地域との関わりの深さ、地域貢献など、過ごしやすいまちづくりを支えていると感じ、仕事内容よりも人との関わりを大切にしていると感じます。私自身、地元を今以上に知り、地元愛を深めたいです。

国際福祉開発学部国際福祉開発学科 若林咲良

【Uターン先輩紹介】岐阜県立希望が丘こども医療福祉センター鷲見さん取材

まずは目の前の相手によりそいたい。それがはじまり。

岐阜県郡上市出身の鷲見真祐加さん。大学時代はソフトボールで汗を流し、チームの中心的存在として活躍されていました。2015年に社会福祉学部を卒業後は、岐阜県の福祉職員として、県の障害児の拠点病院であり、福祉施設でもある「岐阜県立希望が丘こども医療福祉センター」に入職。今年3年目を迎える鷲見さんにお話をうかがいました。
━━現在はどんな仕事をされていますか?
岐阜県内で働いている療育関係者を支える仕事をしています。地域で働く保育士の方など、現場で障がい児の療育に関わっている方々の支援技術アップを目的に、研修の企画や運営、療育に関する情報の伝達、共有を行います。また、センターにいる医療やリハビリのスタッフと現場を訪問し、子どもたちにどんな支援が必要かを現場の方と一緒に考えていきます。
━━入職直後はどのような感じでしたか?
最初はわからないことばかりでした。福祉や障がいについては、大学の授業で学んだ知識だけだったので、この仕事を始めてから覚えたことの方が多いです。1年目は、センター
の先生方と現場に出て、子どもたちの様子や、先生方が子どもに接する姿を見ながら、アドバイスをいただき、自分の肌で感じて学んでいきました。2年目になってやっと自分の意見が言えるようになってきたと思います。
━━職場での役割は?
様々な人たちのつなぎ役だと感じています。私が情報を発信することで、現場で直接支援をしている方がつながり、より良い支援ができていくと思います。私が直接支援をするわけではないのですが、県の職員として働くことで、全ての県民の方のために地域を作っているのだと思い働いています。そもそも、私が岐阜県で働こうと思った理由が、今まで、自分を応援してくれた地域の人のために、今度は自分が応援する側に回りたいと思ったことだったので、今の仕事は嬉しいですね。
  
━━仕事におけるやりがいは何ですか?
現場で子どもの変化を知ると頑張ろうと思えます。最初は全く集団に入れなかった子どもが、周りが本人の特性を考え、本人が過ごしやすい環境を整えることで、集団に入れるようになっていく姿を見るとやっていて良かったと。周りが対応に困っている子どもがいても、一番困っているのは、その子自身。だから、いつでも子どもを中心にして、そこから始まっていくことをみんなで考えていきたいです。
━━働いて感じた地域の魅力はありますか?
一生懸命な方が多いなと感じます。困っている子をなんとか楽しんで保育園に通ってもらおうとみんなが考えています。だから、もっと深く理解したいという想いを持っている方が多く、研修会を開くと、遠方から何回も来てくださる方もいらっしゃいます。各地域で様々な取り組みもたくさん行われています。
━━今後のビジョンを聴かせてください?
相手を第一に考えられる職員でありたいと思っています。どんなこともそこから始まると思っているので。また、異動は自分の希望が100%通るとは限りませんが、できればどこに異動しても子どもと関わる仕事がいいなとは思っています。でも、県職員であれば、本当に広く県民に関われるので、どこかでは子どもに繋がっているとは思います。
  
地元就職を目指す後輩へのメッセージをお願いします。
企業でもどこでも、どんな分野でも、日本福祉大学で学ぶ「ふくし」の視点は、社会では活かせる強みになります。例えば、自然に相手の立場に立つことができることなど。だから、学んだことに自信を持ってそれぞれの分野で活かして欲しいです。また、現場で知ることは本当に多いです。だから、実習の経験は何にも代えられないと今振り返ると思います。色々な経験をしておくことが大切だと思います。
 

〜インタビュアーの感想〜
お話を伺い、今まで具体的ではなかった県福祉職の仕事のイメージを掴むことができました。また、仕事の内容だけでなく、「今度は自分が応援する側になりたい」や「子ども一番の目線」など、岐阜で働く決め手になった思いや仕事への思いを聞かせていただくことができました。今回のインタビューを通して、自分がなぜ岐阜でこの仕事を目指すのかを改めて考えることができたと思います。

社会福祉学部社会福祉学科 田中清二朗

【Uターン先輩紹介】株式会社美濃庄鈴木さん取材

家に帰れる喜びを感じて欲しい、そのためにできることはやる

岐阜県恵那市出身の鈴木涼太さんは岐阜県の地域性がとにかく好き。2015年に卒業後はその岐阜県で大学での福祉の学びを生かして働きたいと、創立120年を超える岐阜県の老舗企業、株式会社美濃庄に就職。現在は在宅で暮らす方を中心に介護用品の提供をされています。常に笑顔を絶やさない鈴木さんにお話を伺いました。
━━現在はどのような仕事をしていますか?
利用者の方に最適な福祉用具を届けることが仕事です。地域のケアマネージャーさんからの依頼が多いですが、利用者のご自宅を訪問して、ご本人、ご家族、ケアマネージャーさんの想いをしっかりと聞いて、数ある福祉用具の中から目の前の方がその環境で生活していくために最適な福祉用具を提案していきます。
━━仕事をして1年が過ぎますがいかがですか?
最初は新人として、利用者の方を含め周りの方に可愛がられていました。でも、だんだんと仕事で求められる水準が高くなっていると感じます。現場で福祉用具の専門家としての意見を求められることも増え、嬉しい部分もありますが、いつまでも新人気分ではいけないと思っています。就職が決まってから福祉用具専門員の資格を取りましたが、現場では資格だけでは通用しませんでした。自分で用具を使ってみて、特徴を体感してやっとわかってきた部分があります。また用具の知識だけでは最適な提案ができないので、介護をする側のことも含め、介護全体をもっと学んでいきたいです。
   
━━仕事で大切にしていることは?
何よりも信頼関係です。ご本人はもちろん、ご家族やケアマネージャーさんなど、色々な方との関係をいかに作れるかがこの仕事では大切だと知りました。このことを意識するようになったのは、仕事で失敗をして、相手の信頼をなくしてしまったことが大きかったですね。だから、相手が何を求めているかをとにかく聴くことを意識しています。相手を観察して、相手の価値観や大切にしていることを理解してコミュニケーションの取り方を変えながら、試行錯誤でやっています。
━━仕事におけるやりがいは何ですか?
「また来てね」の一言は嬉しいですね。私は、ご本人とそのご家族に、人生の最期を後悔なく満足して迎えて欲しいという想いでやっています。もっとああしておけば、こうしておけばということは、どれだけやってもなくならないかもしれませんが、それを少しでも和らげたいというか。ご本人はどうしてもご高齢なので、目の前にすると、正直圧倒されることもありまが、何時間でも話し合う覚悟で真摯に向き合うとこっちを向いてくれます。まずはそこからですね。
━━働いて感じた地域の魅力はありますか?
地域の魅力というか、地元の企業は、社長の想いをみんなが受け継いで働いている一体感のようなものがあります。この事業を始めた頃のエピソードを涙ながらに語る社長を見ていると、自分も同じ想いで頑張りたいと感じます。また、自分が生まれ育ち、地域のことをよく知っていることは、周りの方との関係を作っていく上では強い武器ですね。最終的には、一人前になって実家がある恵那市で働きたいです。
   
━━地元就職を目指す後輩へのメッセージをお願いします。
地域ごとで開催されている地元企業が参加する説明会に行くことをお勧めします。大きな合同説明会と地元の説明会では、話の濃さが違いました。また、インターネットや大手サイトでは、地元企業の情報が見えにくいし良さがわからなかったです。直接会って話をしないと何もわからない。お金と時間はかかっても、将来には変えられないですしね。私が今の会社で働くことを決めたのも、説明会で今の上司と出会い、その方の仕事に対する想いに惹かれたからです。だから、入社後もその上司の元で働く希望を出しました。自分がこの人についていきたいと思う人に出会えるのも地元説明会の魅力だと思います。
〜インタビューを終えて〜
鈴木さん
今回取材の話をもらえて、とても嬉しかったです。岐阜の企業に目を向けてもらえているんだなって。まだ独り立ちして1年が経っておらず、足掻きながらやっていますが、地元で働いてよかったと感じてます。
 
 
星野
鈴木さんとは、社会人になって初めて、久しぶりの再会でしたが、変わらずの素敵な笑顔で自分の仕事を熱く語る姿にこちらも元気をもらえました。電話で関係者の方と話をしながら笑顔でガッツポーズをする姿、周りの方との関係を本当に大切にして働く姿勢を強く感じました。

【Uターン先輩紹介】美濃加茂市役所三輪さん取材

想いを形にして、自分が住む街を創る

岐阜県関市出身の三輪京士さん。大学時代は水泳部でキャプテンとして活躍されていました。経済学部を2007年に卒業後、美濃加茂市役所に行政事務職として入職。環境整備の部署や福祉の職場を経て10年が経過。現在は議会事務局で3年間書記として活躍されています。様々な現場を経験されてきた三輪さんに現在の仕事についてお話を伺いました。
━━これまではどんな仕事をされてきましたか?
入職当時は、街の環境を整える仕事でした。住みやすい街にするためにどうしたらいいかです。それから、福祉部門に配属されて、生活保護のケースワーカーや障がいなど福祉関係の手続きの仕事をしていました。市役所は異動すると仕事が全く変わり、転職したような感じになります。
━━現在はどのような仕事をしていますか?
主には、議会の運営を行う仕事です。議会の日程調整や、議員さんの調査・視察のお手伝い、市役所職員との話し合いの調整などをしています。議会では、市民の方の暮らしに直接影響することが話し合われ決定されるので、みなさんにもっと関心を持ってもらいたいです。そのために、市民の方から見えにくい議会をどのように透明化してわかりやすく、身近に感じてもらえるかが私の役目です。
━━実際にどんなことに取り組まれましたか?
気付いたことはできるだけやろうとしています。例えば、市民の方向けの議会だより。私が配属されたころは、白黒で文字が多く、正直読みたいとは思いませんでした。そこで、市民の方に読んでもらうために、カラーにして写真も入れ、デザインも変えた結果、発行部数も増え、市民の目に留まるようになったと感じています。また、市政に関心を持ってもらうために、本会議場の演台の花を地元の高校生に作ってもらうなど、何か機会があれば市民の方に参加してもらえる部分がないか考えています。自分たちの生活がどんなところで、どんな風に決められているかは知っていてほしいですね。
  
━━仕事におけるやりがいは何ですか?
自分が思ったことを形にできることです。世の中の変化を、自分が持っている仕事にどうつなげるかを考えていますが、考え付いたことを実行していけることがやりがいです。先ほどの高校生に花を作ってもらったのも、18歳から選挙に投票できるようになることが決まり、自分の仕事の中で、何か高校生に関わってもらえることはないかと考えたことがきっかけでした。このような取り組みを積み重ねて、暮らしと政治をつなげています。自分の仕事で街が成り立っている、自分の街を自分で創っていけることが、この仕事の魅力だと感じています。
━━働いて感じた地域の魅力はありますか?
人と人との距離が適度に近いところです。どこに行っても知らない人がいなくなりましたね。市の規模も5万人程度と、大きすぎず小さすぎず、良い意味で色々なことが浸透しやすいです。働いていて感じるのは、皆さんが「顔」を見て、「人」を見て仕事をしているということです。だから、その方たちとの信頼関係を作っていくためにも、自分から心を開いて接していくことが大切だと学びました。
 
━━地元就職を目指す後輩へのメッセージをお願いします。
自分がどうして地元で働きたいかを、まずは自身がしっかり知っていてほしいです。そして、地域の特性を調べて、自分ならそこで何ができるかを考えてみてください。地元で公務員を目指す学生さんは、特にこの視点が大切だと思います。また、今振り返ると、大学での福祉の学びも色々なところで活かされていると感じます。皆さんも、それを大切にしてください。

〜インタビュアーの感想〜
今回初めて働いていらっしゃる方へインタビューをしました。インタビューを通して市役所の仕事、やりがいを知ることができました。地元の魅力もあらためて発見でき、地元就職への思いが一層強くなりました。また、思ったことを行動へ移すこと大切さ、そして、自分を知ってもらうということ重要だとわかりました。今後の就職活動へいかしていきます。 国際福祉開発学部国際福祉開発学科 若林咲良

【Uターン先輩紹介】社会福祉法人いぶき福祉会森本さん取材

ひとりひとりの幸せと楽しさを支えたい

岐阜県揖斐川町出身の森本結衣さん。社会福祉学部を2016年に卒業後、社会福祉法人いぶき福祉会で生活支援員として活躍されています。いぶき福祉会では障がいを抱えた方、ご家族、職員、地域の方々を、共に働く「仲間」として皆で力を合わせて活動されています。その「仲間」の一員として頑張っている森本さんにお話を伺いました。
━━職場ではどんな仕事をしていますか?
障がいを抱えている方の生活と活動を支援する仕事です。私は通所される仲間と一緒にフェルトを用いた制作物や揖斐町の名産の揖斐茶の選別などをしています。どうしたら目の前の仲間が自分でできることが増えるか、1人で生活をしていけるかを考えて、活動を共にしています。一緒に過ごしていて見えない部分は、ご家族の方からご自宅での様子などを伺うこともあります。同じ障がいを抱えていても、人はみんな違うので、いつも目の前の方一人一人にどう接するかを考えています。
 ━━どんなことを意識して働いていますか?
みんなにやる気を出してもらうためになるべく声をかけることを心がけています。最初は「ダメ、ダメ」と否定的な声かけばかりしていました。でもそうすると、相手の力がなかなか引き出せませんでした。そこで、職員の方と話し合って肯定的に声をかけるにはどうしたらいいかを考えていき、少しずつできるようになってきた気がします。
 
━━仕事におけるやりがいは何ですか?
仲間が元気に過ごしている姿を見ることはやりがいになっています。仕事を始めた頃は、自分がこの仕事を選んだんだからしっかり働かなきゃいけないとばかり思っていて、大変なことばかりでした。でも半年ぐらい経つと楽しいと感じることが増えていった気がします。まだまだ、課題はたくさんあって、その分やることも山積みです。今は、自分がやりたいことを考える前に、まずは目の前のことをやりきろうと思っています。
━━働いて感じた地域の魅力はありますか?
地域の方々の繋がりです。働いていて、この地域の方に支えられているということを強く感じています。農業をしている方が畑を貸してくれたり、近所の方が送迎の運転手をしていただいたりと。地域の方との意見交換会も多くおこなっています。だから、私も散歩に出かけた際は、出会った方に笑顔で挨拶をすることを大切にしています。
 
━━地元就職を目指す後輩へのメッセージをお願いします。
就職は不安もあると思うますが、上手くいくことだけが全てではないので、どんなことも諦めないでほしいと思います。働くと、いろいろと自分なりに考えてやってもなかなか上手くいかないことが多いです。でも、1年目の特権を使って、なんでも聞いてしまえって思って、どんなことでも聞いて、相談して、一人で抱え込まないようにしています。また、もし施設で働くことを考えていたら学生のうちにアルバイトやボランティアで仕事に関わっておくといいと思います。私自身、その経験がとても役に立っています。
 
〜インタビュアーの感想〜
自分が何のために仕事をするのかを考えるきっかけになりました。働くことに少し不安があったけど、1年目はどんどん自分から聞いていんだと思えると、安心して働いていけそうです。大学生活でも、もっといろんな活動をしようと思いました。
社会福祉学部社会福祉学科 原奏恵

【Uターン先輩紹介】岐阜県総合医療センター中村さん取材

子どもたちとその家族を支えるために「つなげる」

岐阜県岐阜市出身の中村仁隆さん。社会福祉学部を2004年に卒業後、地元岐阜市で地域包括支援センターの立ち上げに関わられた後に、社会福祉協議会で地域づくりの現場を経験。現在は、地方独立行政法人岐阜県総合医療センター小児科の医療ソーシャルワーカーを経て、同法人が2016年3月に開設した「重症心身障がい児施設すこやか」で児童発達支援管理責任者として活躍されています。
━━職場ではどんな仕事をしていますか?
入退所されるお子さんとその家族が望まれる暮らしを実現するための仕事をしています。施設では、人工呼吸器が必要であったり、全く身体が動かせないなど、障がいが重いお子さんがいます。その子たちとその家族がいかに安心して生活できるか。そのために、相談しながら制度や地域の社会資源を活用して、経済面や生活面、住環境を整えています。
━━現在の仕事の役割はどんなことですか?
私の役目は、いかにお子さんとそのご家族を地域と「つなげる」か、だと思っています。院内で医師や看護師、介護福祉士との連携はもちろんですが、退所されるお子さんや家族が生活していくのはあくまで地域。そのため、地域で働く医師や看護師などの専門スタッフだけでなく、市役所の職員や保健師、時には救急隊や電力会社もまきこんで支援を考えていきます。関わる多くの方を「点」ではなく、「線」でつないでいくことで、情報共有が徹底でき、安心して地域で生活できていきます。
   
━━仕事におけるやりがいは何ですか?
子どもたちの成長を見ていけることは楽しいです。ただ、自分の関わりが、子どもたちのこれから長く続く人生に影響すると考えると、仕事は正直に言うとしんどいです。でも、周りを巻き込んでいくと、みんな子どものことだと熱くなります。本当に一生懸命なんです。小児支援の分野はまだまだ未開拓でこれからです。だからこそ、自分が思い描くことを形にしていけることはとても魅力的ですし、それを頑張っている方たちと一緒に創っていけることほど楽しいことはないと感じています。
━━地元の好きなところは?
家族や友人、自分を育ててくれた人、支えてくれた人たちがいることです。さらに、歴史や文化が深く面白い。最初は地元が嫌いだったんです。特に20代の初めは、近くに名古屋という都会があるし、地元から出ることしか頭にありませんでした。働き出してしばらくして、地元でまちづくりをしている人たちに出会い、こんな人たちが岐阜にいるんだなと。そこから、岐阜の歴史や文化について調べるようになり、知れば知るほど、岐阜が好きになっていました。今の職場は、岐阜の中でも私が生まれ育った地域にあります。これからはもっとこの地域に恩返しができたらと思っています。
   
━━地元就職を目指す後輩へのメッセージをお願いします。
学生のうちに、いろんなことに挑戦して、いろんな職場を見て、一人でも多くの方と関わって、視野を広く持てるようになって欲しいです。私は、岐阜を出ることしか考えていなかった頃、全く地域の魅力が見えなくなっていたので。視野が狭かったですね。仕事は就職してから覚えられます。勉強も仕事をしてから必要を感じて学んでいくことの方が絶対に多いですし、自分が必要とするので勉強することも苦じゃないです。逆に、勉強ばかりして頭でっかちな人ほど、理想と現実のギャップにつまずいています。だからこそ、機会を見つけて、仕事の現場をたくさん見て出会って欲しいです。そして、専門職を目指して国家試験に挑戦される方は、必ず合格して下さい。合格して、初めて専門職として認められます。

〜インタビュアーの感想〜
目指している保育士の仕事の幅の広がりが知れたことは良かったですが、保育士以外の仕事について詳しく知れたことも大きかったです。仕事同士のつながりも知れて、自分が保育士として働く時に、どんな人とつながるのかがわかりました。地元を活性化させたい、地元を愛せる方に憧れます。
子ども発達学部子ども発達学科 伊藤つかさ
今まで進路について1つしか考えていませんでしたが、もっと活躍できる場所や職種があることが知れて、今後の選択肢が広がりました。また、初めてのことを創っていく仕事を面白いと感じた自分にも気づきました。わからないことだらけは大変だけど面白そうです。仕事についてもっとたくさん調べていこうと思います。
子ども発達学部子ども発達学科 高橋伶奈

【Uターン先輩紹介】株式会社ゼロワンカンパニー水野さん取材

お客様の仕事への想いやこだわりをデザインする

岐阜県恵那市出身の水野大介さん。半田キャンパス情報社会科学部で4年間学び2004年に卒業。愛知県で就職された後、縁あって地元恵那市で働くことになり13年目が経過されたとのことです。自分がやりたいと思った仕事を自身のものにするために、働きながら勉強と経験を積まれ、現在も新しい挑戦に向けて取り組まれていらっしゃる水野さんにお話を伺いました。
━━職場ではどんな仕事をしていますか?
最近はホームページなどウェブ上のデザインが多くなっていますが、紙面のデザインもあり、お客様の要望に合わせて何でも対応しています。お客様と打ち合わせをするところから、デザインを考え制作するまで、基本的には社内で全てを構築していきます。最初から最後まで、全ての工程に自分が関わることは大変ですが、お客様の要望を細かい部分まで表現できるため、自分には合っていると感じています。
━━お客様の要望はどのように引き出すのですか?
お客様がどんな想いを持って、どんなことを大切にして仕事をしているのかを必ず聴くようにしています。依頼されたものをただデザインして作るだけでは、お客様にとってなんの効果もないと思っています。それを作ることによってお客様がどうしたいのか、お客様が、お客様のお客様に何を伝えたいのかをはっきりさせることで、デザインがお客様のためになると思います。
   
━━仕事におけるやりがいは何ですか?
お客様から頂ける「ありがとう」はやりがいです。デザインの仕事は終わりがなく、良いものを目指そうとすると時間がどれだけあっても足りず大変なことが多いです。自分が作りたいものだけを作る訳ではないため、やるしかないと意地で乗り切らなければならないこともありますが、最終的にお客様にとってプラスになることができれば良かったと思います。でも、振り返って思い出されるのは、うまくいった仕事よりも、もっと出来たんじゃないかという仕事のことばかりです。
━━地元で働くことについてどう感じてますか?
楽しいです。こんなにも面白い人たちがいる地域だとは思っていませんでした。色々な方と話をしてきたことで、ものを見る視点が広がり、自分の仕事に対する姿勢が変わってきたように感じています。特に、この地域は都心部と違い、昔からこの土地で暮らす方が多く、その方達にどう伝えるかを考えてきたことで、相手に「伝わる」ということを自然に意識するようになりました。あとは、恵那山や周りの山々の景色を見ると気分転換になり、何よりホッとします。私にとって地元の景色はNo.1です。
━━地元就職を目指す後輩へのメッセージをお願いします。
何かに取り組むとき、自分が「やりたい!」と思う気持ちを絶対に大切にしてほしいです。自分のやる気がなければ、何をやってもダメではないでしょうか。そして、やりたいという気持ちを持ったら、自分がやったことがないことでも、とにかく先ずはやってみることが結局近道です。また、自分の地元以外の地域も是非見ておくと良いと思います。外の世界を見ている人は、地元を見る視点が違い、新しい風をその地域に入れることができています。地域が活性化するためには必要なことなので、たくさん経験を積んで自分の地域に戻って還元してほしいと思います。
   
〜インタビュアーの感想〜

インタビューをさせていただいて、働きたいという想いがより強くなりました。私は、働いている人というのは、私よりもずっと大人で遠い存在だと感じていました。ですが、同じ岐阜出身で同じ大学に通っていた先輩とお話し、自身が働く姿を想像できるようになりました。デザインの仕事をするきっかけや、その仕事のやりがいを知り、自分がやりたい仕事はなんなのかを見つめ直すきっかけになりました。この4年生最後の1年間で多くの知識を身につけて、働くことに繋げたいと思います。
健康科学部福祉工学科 武内 暢子

【Uターン先輩紹介】東濃信用金庫の水野さん取材


直接顔を合わせて話ができることから信頼関係がはじまる
岐阜県土岐市出身の水野里香さんは、社会福祉学部で4年間学び、2015年に東濃信用金庫に入社してもうすぐ3年目に入ろうとしています。就業時間の3分の1は、地域に出て、お客様の企業やご自宅を訪問している渉外を担当。卒業生として、美浜や東海キャンパスに学生の支援に来校し、現在も日本福祉大生のために協力いただいています。
━━地元で働こうと思ったのはどうしてですか?
働く環境が大切だと思ったからです。就職活動を始めたころは、都会のオフィスで働くことにあこがれて企業を探していました。でも、色々な企業を見て、色々な方と話をする中で、「私はずっと仕事を続けていきたい」「長く働くなら住み慣れた場所がいい」と、自分の働く軸が地元での就職だという事に気づきました。そんな時に企業展で出会ったのが現在の職場です。
━━職場ではどんな仕事をしていますか?
ほとんどが外回りです。私は個人のお客様が多いので、一軒一軒ご自宅を訪問して、商品の販売や様々な手続きのお手伝いをしています。お金に関する仕事なので、責任感とお客様との信頼関係は特に大切です。とにかく、顔を合わせて、直接お話しをしないことには何も始まらないので、特に初めて訪問するお客様は、玄関先まで顔を出していただけることが始まりです。最初に顔を合わせた時から、玄関の扉が閉まる最後の最後まで、笑顔は絶やさずに接するようにしています。お会いしている時は、お話を聴いていることが多いですね。商品や仕事と全く関係のない話で終わることもありますが、それも信頼してもらうには大切な時間だと思います。
━━仕事におけるやりがいは何ですか?
新しいお客様とお会いして繋がれることは嬉しいですが、自分がお客様に何か出来た時にやりがいを感じています。お客様の話を伺って、その方に合った商品を考えて提案して受け入れてもらえた時は、もっと頑張ろうという気持ちになります。現在の経済状況や世の中の流れをしっかりと理解してもらい、お客様が今の時代で安心して生活をしていけるようにお手伝いすることが私の役割だと思っています。
   
━━大学の学びはどんな風に今の仕事に活かされていますか?
相手の気持ちに気づける心を持てていること、相手の気持ちを気づかう心を持てていることは、大学での学びが大きいです。講義で学んだこともそうですが、それ以上に実習で障がいを持った方や高齢の方など色々な方と接してきたことが私は良かったと感じています。そのおかげで、お客様と接するときに、お客様の気持ちになって話すという事が自然にできている気がします。
━━地元就職を目指す後輩へのメッセージをお願いします。
岐阜県はゆったりしていて自然がありいいところです。地元のつながりや、地域に話ができる人がいる安心感は、社会に出てから大きいと感じています。また、時間を無駄にせず、大切にして行動してほしいです。色々なことを、最初から自分には合わないとか、やりたくないと決めてつけて何もしないのは楽しくないです。それではプライベートも充実しないですね。勉強だけではなく、その他の活動や遊びも、時間があるならやることをお勧めします。
   
 
〜インタビュアーの感想〜

社会で働く方と仕事について色々なお話することは初めてで貴重な体験でした。まだ1年生なので就職に対してはぼんやりしたイメージしかなかったですが、お話できたことで、地元で働くことの良さや、私も色んな人と会って、話をする仕事に興味が出てきました。
経済学部経済学科 美濃島 咲菜
 

【Uターン先輩紹介】郡上市社会福祉協議会の足立さん取材

地域のニーズをしっかりと聴き、形にしていきたい

岐阜県郡上市出身の足立駿介さんは、2013年に社会福祉学部を卒業後、郡上市社会福祉協議会に入職。障がい者支援の現場を3年経験後、2016年度から事務局で障がい者支援事業所の副統括を担われています。今回は、地元郡上市のために日々頑張っている足立さんに現場でお話を伺いました。
━━地元で働こうと思ったのはどうしてですか?
家族へ恩返しをしたかったからです。大学に4年間通わせてもらっていたので、今思えば、大学に入った頃から、働くなら地元だとなんとなくは考えていたんだと思います。長男でもあるので。そこで、地元での求人を探していた時に社会福祉協議会を見つけ応募しました。
━━地元で働くのはどうですか?
地元の人たちの温かさが過ごしやすいです。郡上の人たちは都会のようにせかせかしておらず、いい意味での「ゆるさ」が魅力ですね。誰とでも仲良くなるので、どこに行っても知り合いがいる感じです。下手なことはできないですね
 
━━実際にどんな仕事をしていますか?
郡上の社会福祉協議会では地域福祉と在宅福祉の大きく二つの柱があり、私は在宅福祉に関わっています。その中で私の担当は、市内にある事業所のよりよい運営です。障がい者の事業所で働く方から意見を聞いて、どうしたらその職場が、職員にとって働きやすく、そして利用者の方々にとって居心地の良い場所になるかを考える仕事です。勉強会の企画をしたり、地域の方との調整をしたり、時には、施設のボイラーを直しにいくこともあります。
━━大学の勉強で役立っていることは?
障がいに関わることでしょうか。正直に言うと、もっとしっかりと勉強をしておけばよかったと感じています。職場に入って、仕事を始めてから、勉強しておけばよかったことが見えてきた感じですね。なので、入って1年目は先輩に聞いたり、勉強会に出たりして、かなり頑張りました。社会福祉協議会で働くことを考えている学生がいたら、幅広い分野を勉強しておくことをぜひお勧めします。
━━今の仕事のやりがいは何ですか?
現場にいたころは、利用者さんと直接お会いしていたので、利用者さんと信頼関係ができたなと思えることはやりがいでした。今は、現場からは少し離れているのですが、現場に行った際に、利用者さんが楽しく過ごしている姿を見ると頑張ろうと感じます。今の仕事に異動したころは、自分の中で、自分の仕事と、利用者さんがつながらなかったのですが、やっと、自分がやっていることの意味が分かるようになり、自分の仕事が利用者さんの姿につながっていることが実感できるようになってきました。
━━今後の目標は?
地域のニーズをもっと聴きだして、自分が動くことで、いろんなところがうまく回る歯車的な存在になっていきたいです。それによって、地域がよくなっていく実感が持てるようになれば、もっとやりがいを感じられると思います。
 
 
〜インタビュアー感想〜
今回のインタビューを通して知ることの大切さを学びました。実際に働いている方のお話を聞くことにより、社会福祉協議会が行っている様々な取り組みについて知ることができました。また、そこで働く方がどのような役割で働いているのかを知ることができたのは私にとって大きかったです。仕事内容から地元で働くことの魅力がわかり、社会福祉協議会や地元で働くということの具体的なイメージを掴むことができました。知るからこそ、考え方も変わり、やってみたいと思うことが増えるため、今後も知るということを大切にしていきたいです。
社会福祉学部 岡田 優花
 
笑顔で丁寧にインタビューに答えていただく足立さんの姿は、足立さんの仕事への向き合い方そのもののように感じました。大学時代のお話や、地域の魅力、お仕事のことなど、お話は尽きず、時間がどれだけあっても足りないほど。お忙しいなか、お時間をいただきありがとうござました。
岐阜県で活躍する卒業生の取材は今後も続きます。みなさんお楽しみに。