2013夏・萩の花プロジェクト報告(1)

2013年8月9日午後7:00頃、日本福祉大学災害ボランティアセンター(以下、災害VC)の一行は、無事に宮城県名取市の「特養うらやす」に到着しました。「 うらやす」は2年3ヶ月前、災害VCが初めて被災地入りし「大切なもの探し」の活動を行わせていただいた施設です。 今回、高台移転・再建し、リニューアルオープンすることになり、OB・OGを含む災害VCのメンバーを、佐々木施設長から新しい施設に招待していただきました。

建物の内外を案内していただき、工夫が凝らされ た新施設をみて、福祉を学ぶ学生たちは、驚きと 感動の連続でした。 また、今回初めて、新しい大浴場を使わせていた だくこともできました。 調理室で調理した豪華な夕食をいただき、みんな で当時を振り返りながら一夜を過ごしました。翌朝はベッド搬入のボランティアをさせていただ き、その後旧うらやすの建物も伺うことが出来ま した。 今回参加した19名のメンバーは、8名が当時現地で活動したメンバー、11名は今回はじめてう らやすに来たメンバーでした。
私自身は2年3ヶ月前に現地で活動しています。 当時2年生だった私は「大切なものさがし」に参加しながら、自分たちの活動の意義について悩ん でいたことを思い出しました。出口の光の見えな い暗闇の中で、自分の無力さを感じながらもがいていました。今考えると、「大切なもの探し」に よって救われた人たちがいたこと、私自身がとても貴重な体験を出来たことを実感できます。施設長の佐々木さんから、「福祉大の学生の活動が あって今のうらやすがある」といわれた時には、本当に泣きそうになりました。

旧うらやすが壊さ れず残っていることも、私にとっては感慨深いも のがありました。いつかは壊さなければならないのですが、今でもここで亡くなられた方の遺族が 訪問されていることを気にかけて、なかなか壊せずにいると聞き、うらやすとの巡り合わせに特別 なものを感じました。旧うらやす内は、日に日に廃れていっています。私自身は昨年6月にも原田先生、山本事務局長とここを訪れていますが、住 宅地だった周りの建物はほとんど撤去され、草原 の中にぽつんとうらやすが残っている形です。何 も遮るものがなく海から吹き抜ける風が、寂しさ を身に沁みさせました。

8月10日(土)午前中はベッドの搬入をさせていただき、35℃ をこえる暑さの中、メンバーは汗だくになりなが ら、作業に勤しみました。作業をしながら、私は2年3ヶ月前の活動が、すでに再建に向けての活動の一環であったことに気付きました。もちろん、その間にうらやすの職員の方々の壮絶な苦労 があって今に至るのですが、その一助になれたこ とにひたすら嬉しさを感じました。他のメンバー も、それぞれに感じるところがあったと思いま す。大学に帰ってから、そのことをみんなで話し合い、今回現地に行くことの出来なかったメン バーたちにも伝えていきたいと思います。