いわてGINGA-NETに学ぶゲスト講義が実現!

11月20日(火)、岩手県立大学から素晴らしいゲストをお招きした講義が実現しました。
来学いただいたのは「キャップ」こと山本克彦先生と、この春に岩手県立大学社会福祉
学部を卒業した八重樫綾子さんです。
山本先生は、東日本大震災からの復興支援を行うNPO法人「いわてGINGA-NET」の立ち上げ
と運営を支え、八重樫さんは在学中にGINGA-NETの活動に参加し、その継続を目指して
法人化を実現し、代表に就任しました。
 
ゲスト講義は、原田正樹先生の「福祉教育論」と、野尻紀恵先生の「ソーシャルワーク
演習Ⅱ」が合同で開催する形式で、それぞれの受講生に加えて興味のある学生にも開放
されました。もちろん、ボラセンからもGINGA-NETに参加したスタッフを始め、数名が
出席し、被災地の様子やGINGA-NETのことをあらためてジックリと聞くことができました。

山本先生と八重樫さんが交互にマイクを握り、いろいろな視点や場面の話と画像・映像
プレゼンテーションを行ったので、とても濃い内容の講義になりました。
大学教員の前にも保育や中学校教育など豊かな職歴をお持ちの山本先生から、福祉を学ぶ
学生に宛てられた「常に想像力を持って。災害復興支援でも、日常の福祉活動でも、
対象となる人たちの気持ちや暮らしに対する想像力と、経験から判断する力が大切です。」
というメッセージが印象的でした。また、阪神・淡路大震災や中越、中越沖地震での復興
支援活動の経験から「ボランティアをしたいという気持ちで一方的に行動しても、効果と
成果には限界があります。まず“普通に”お互いが信頼し合えるような関係を築くため、
日頃から積極的に声を掛け合い、コミュニティのつながりを強めておくことも大切です。」
と強調しました。
一人の学生としてGINGA-NETの活動に取り組んできた八重樫さんは「実際にボランティアを
してみると“世間話”の大切さと難しさを実感しました。世間話が円滑・気軽にできることで
自身の対応能力も磨かれるし、たくさんの情報や気づきが得られます。GINGA-NETでは、
ボランティアコーディネート、マッチングの仕事も重要ですが、それらの基盤だと思います。」
と話してくれました。そして「被災者の身近な存在となって支援できれば、私はその都度
“ありがとう”と言われないような関係がいいのかな、と思いました。全国から参加して
くれた学生からは“自分たちの活動に意味や意義はどれくらいあったのだろう”と、短期間
でも目に見える成果を気にする声を聞きましたが、活動の積み重ねの大切さに気付いてもら
えば、と思います。」と締めくくりました。

山本先生と八重樫さんは、今回のゲスト講義だけを目的に知多半島へ来たのではありません
でした。予想される東海地方の大地震・災害に備え、GINGA-NETで力を入れている「コミュニ
ティ支援力養成研修」の取り組みを、美浜町・知多半島でも実施するための下見・情報収集
も行いました。講義の前日、伊勢湾に沈む美しい夕日に感激したお二人は、これからも強い
絆で関わり合いましょうと、ボラセンのメンバーと固い握手を交わして帰られました。