5月11日(月)19時から知多市市民活動センターの一室で、「フードバンクって何?」という講演会(主催:タイム縁ジョイ)が行われ、国際福祉開発学部1年生4人と、この夏サービスラーニングを行う社会福祉学部の2年生4人と職員2人が参加しました。よる遅くにもかかわらず地域の方も多く参加されていて、学生たちはびっくりしていました。市民活動団体「タイム縁ジョイ」では、定期的に外部講師を招いて勉強会を実施しています。
この日、フードバンク事業を愛知県で行っているNPO法人セカンドハーベスト名古屋と、そのフードバンクの提供を受ける知多市の南粕谷ハウスの石井久子代表を講師に招いておこなわれた講演会は、大変充実した内容になっており、参加した学生からは、「ゼミの先生から言われて参加したが、今の社会の現状を知ることができた。地域の方のいろいろな意見を聞くことができて、とても勉強になった。」「サービスラーニングで行く南粕谷ハウスで、まさかフードバンクを活用して地域のサロン活動が展開されているとは知らなかった。地域という視点で考えていくことの重要さを感じた」と感想を聞くことができました。
フードバンク名古屋の山内事務局長では、「食のセーフティネットをつくる」という思いで、まだ食べられる食品が、食料を必要とする人に流れる「水道管」のような人によるインフラづくりに取り組んでいます。それを築くことで、食品廃棄の問題だけでなく、食を必要とする人に対応できる社会を創ることができるとおっしゃっていました。
現在、日本では、年間500万トン〜800万トンの食料が廃棄されているそうです。この数字は、日本が年間に輸入する小麦の量が年間600万トンと比べてみればどれほど大きな数字かがわかるかと思います。さらに衝撃的なのは、WFP(国際連合食料計画)が、発展途上国に年間に支援する食料品が400万トンと考えると、どれほどの量か創造できると思います。
なぜ、これほどの量が廃棄されるのでしょうか。その大きな要因の一つが、私たちの安全を守る「法律」の存在があります。日本では、賞味期限のいわゆる「三分の一」ルールがあります。賞味期限の三分の一が過ぎた段階で、販売業者に納入されなかった食品は、廃棄されます。さらに、三分の二を過ぎた段階で消費者の手に渡らなかったものは廃棄されます。このように、まだ賞味期限を残しているものを私たちは捨てているのです。また、防災などの備蓄品も期限が切れると交換しなければならず、それらの多くも廃棄されるそうです。
フードバンクはこれら、まだ活用できる食品を様々な企業から集めて、それを効果的に分配しています。しかしながら、フードバンクを行う事業社は全国に30ほどで、その量も年間3000トンだそうです。
フードバンクは、引き取ったものは販売せず、配った先からもお金は取らないことをポリシーで運用しており、すべて寄付によって運営を賄っているため、①取引量が少なく、②運営資金が安定しないせず、③知名度が低いという課題を常に抱えているようです・・・。
もし、興味をもった方は、「フードバンク」について調べてみてはいかがでしょうか。
参考:セカンドハーベスト名古屋
WFP(国際連合食料計画)