【社福】”まちづくり”を進めるポイントは?


みなさん、大学の講義が今、どのように展開されているか気になるところだと思います。
2020年5月28日(木)、社会福祉学部1年次「総合演習」(小林、川島、村川、佐藤ゼミ)の4ゼミ合同講義がZoomを用いて行われました。日本福祉大学では、地域の実践の場から学ぶ地域志向教育を全学的に推進しており、社会福祉学部では「総合演習」において、地域を知る・関心を持つことを目的とした「ふくしコミュニティプログラム」が展開されています。
この日は、半田キャンパスが位置する半田市でシティプロモーションや経済振興に取り組むNPO法人半田市観光協会の池脇観光ディレクターをゲスト講師に迎え、「半田市の観光と地域連携」というテーマでオンライン講義が行われ、行政専修と人間福祉専修の4つのゼミに所属する80名が受講しました。

はじめに、池脇さんから「みなさんが住んでいるまちには、観光協会がありますか」と簡単な質問があり、学生たちはチャットとよばれる掲示板に回答をしました。多くの学生は、観光協会があることは知っているが、何をしているかということまではわからないというような反応でした。
その反応を受けて、池脇さんからは、半田市観光協会では、「情報発信」と「おもてなし」を通じて、訪ずれた人に満足度してもらうことが役割であり、その過程で、市内の施設や飲食店や商店にたくさんの人が訪れることで「経済振興」や、「シティプロモーション」につながることをわかりやすく説明してくださいました。
半田市の魅力を伝えるキーワードは、「山車」「蔵」「南吉」「赤煉瓦」と、半田市の観光資源を紹介するなかで、観光協会の一連の仕事のプロセスは、”まちづくり”ということを意識するようになったそうです。半田運河キャナルナイトというイベントを例に挙げて、行政や商業者だけでなく、学生やボランティア、そして来場者にもまちの魅力づくりに関わってもらうことで、一人では達成できないことをたくさんの関係者が関わることでまちの魅力づくりができるからだそうです。
その後、質疑応答がおこなわれました。はじめに教員から、「率直な質問がいい質問」「当事者意識をもって考えてみて」とアドバイスを受けると、オンライン上でグループ討議を行いそれぞれのグループで質問を考えて、講師の池脇さんに対する質問がおこなわれました。
仕事のやりがいについての質問では、「まちづくりの仕事のやりがいは、反応がダイレクトに伝わってくること」だと話をしてくれました。また、苦労する点では、「たくさんの人や団体が関わりそれぞれの思惑が異なるため、合意形成を図っていくことがとても大変だ」と伝えてくれました。そんな中でも、思いを頻繁に伝え合うこと、相手のことを理解すること、そしてたくさんの人の共感を育むことが、仕事を進める上で重要なポイントだと学生の質問に応えながら話をしてくださいました。
1つのゼミを担当する佐藤大介助教(全学教育センター)は、「観光の仕事は、ふくしの仕事に通ずることも多い。相手に共感しながら相手の立場になって考えることや、協力を引き出して多くの関係者を巻き込んでいく力などは、ふくしの仕事で絶対に必要になる力。また情報発信や、企画力は、行政や社会福祉協議会の職員になったとしても必要なスキルなので、大学生のうちから実践を通して身につけておくと今後必ず役にたつはず。これから地域に出て興味関心をもったらぜひ活動に参加をしてみてほしい。」と、この講義での学びをふりかえりました。
【学生からの質問】
「街づくりにおいて大変だった、有意義だったこと、達成感を感じたことはなんですか。 地域活動で初対面の人とコミュニケーションするコツはなんですか。」
「仕事で苦労したことは何ですか。」
「町づくりの計画中や作業中に失敗したことがありますか?」
「観光協会と大学生が協力する地域イベントは何かありますか?」
「これから池脇さんがやりたいと思っているイベントは何ですか?」
「まちづくりにおいて苦労したこと、大変だったことは何ですか?
「半田以外の地域でも同じような活動はできるでしょうか
「まちづくりをしていく中で、地域の人に言われて一番嬉しかったことは何ですか。」
「企画力をつけるためにはどんな活動が必要ですか。」
「空き家再生プロジェクトの話がありましたが、大学生の活動以外のプロジェクトの活動というのはありますでしょうか。」などなど。

最後に、池脇さんから学生たちへ、以下のメッセージを伝えてもらいした。
「これから大学でたくさんのことを学んでいくと思います。学んだことを活かして何ができるかを考えて行動に移すことでさらに深い学びに結びつくと思います。地域は、学びの実践の場だとおもうので、学んだことを活かして是非学生のうちにアウトプットを出していってもらいたいです。」
池脇さん、貴重なお話しありがとうございました。
半田市の観光についてもっと知りたい人は、「半田市観光協会」で検索してみてください。
たくさんの情報とともに見応えのあるパンフレットも掲載されています↓
https://www.handa-kankou.com/pamphlet/
(番外編)
日本福祉大学では、聴覚障害など、さまざまな障壁をかかえながら学ぶ学生もいます。オンラインでの本講義においても、要約筆記など支援を行うボランティア学生がサポートに入りながら講義が展開されています。対面の授業と比較するとオンライン講義のメリット・デメリットあると思いますが、この状況に学生・教職員それぞれが適応している過程にあります。