学童保育の子どもたちに認知症啓発活動!お酢を使った“酢イーツ”づくりを行いました
2015年8月28日
日本福祉大学では、地域貢献をテーマに「あんしん」「にぎわい」「つたえる」の3つの要素をコンセプトとして、正課科目「地域研究プロジェクト」を開講しています。認知症の理解の促進に向けて活動する認知症啓発プロジェクトでは、子どもたちを対象とした啓発運動を8月17日(月)にNPO法人プレママクラブで開催し、児童や学生・教職員などおよそ40人が参加しました。
◆半田キャンパスからもほど近く、会場となったNPO法人プレママクラブ「土っ子クラブ」(写真左側)
学生たちは円陣を組み成功を祈りました(写真右側)
認知症啓発プロジェクトでは、認知症学習アプリを「公益社団法人認知症の人と家族の会愛知県支部(東海市)」の協力を得て大人用・子ども用とそれぞれ開発し、同家族会がユニーグループ各店で定期に開催する認知症啓発イベントに参加し、来場客への試行を続けてきました。この企画は、次世代を担う子どもたちを対象に、健康に良いとされる酢を使った「酢イーツ」づくりのほか学生による認知症に関する啓発を目的に実施されました。また今回は株式会社Mizkan Holdingsから、地元企業としての学生活動全般への支援として、お酢を提供いただきました。会場となったNPO法人プレママクラブは本学半田キャンパスのある亀崎地区にあり、社会福祉学部2年生を対象に開講しているNPO協働型サービスラーニング(※)でもお世話になっています。今回の企画は同法人が運営する学童保育「土っ子クラブ」を利用する小学校4年生から6年生の児童を対象に実施されました。
開始1時間前に会場に到着した学生たちは、これまでに経験したことのない多人数を対象とした企画を前に口数も少なく、スタート前にはメンバー全員で円陣を組むなど緊張する様子がみられました。お揃いの三角巾を付けた子どもたちが現れ会場が元気な声に満ちあふれると、学生たちの表情も次第に柔らかくなっていきました。まずは酢をテーマにした学習会が行われ、子どもたちの好物である食材と酢の関わりを紹介し、身近な存在であることを理解してもらいました。そして酢イーツづくりのスタートです。今回はお酢を使ったカップケーキとオリジナルジュースを作りました。生クリームに砂糖とブルーベリー黒酢を入れ、泡だて器を使って混ぜていき、それを学生たちがフォローします。慣れない作業に苦戦していましたが、交代しながら混ぜ続けていくとブルーベリー黒酢生クリームができあがりました。プラスチックのコップにカステラとフルーツを入れ、そこに先ほどの生クリームをのせて完成しました。オリジナルジュースは3種類の黒酢(ブルーベリー・カモミール&ライチ、リンゴ)に牛乳や炭酸水、リンゴジュースを混ぜて作ります。当初は学生からのアドバイスを聞きながらジュースを作っていた子どもたちでしたが、要領をつかむと思い思いにジュースを作り味見をするたびに喜んでいました。酢イーツを食べ終えてから、学生からお酢が持つ力や認知症に関する説明がなされ、同プロジェクトで開発した認知症学習アプリの試行やクイズラリーが行われました。
◆株式会社Mizkan Holdingsから地元企業としての学生活動全般への支援として、お酢を提供いただきました(写真左下)
参加した子どもたちからは、「初めて酢を飲んだが美味しかった」「友だちと料理できて楽しかった」「家に帰ったらお母さんと一緒に作りたい」などの感想が寄せられました。今回の企画に参加した社会福祉学部3年の廣瀬貴正さんは、「これまでの活動を振り返り、反省点を修正しながらスムーズに運営することができた。子どもたちが楽しそうに酢イーツを作るだけでなく、私たちが知らなかった混ぜ方で美味しいジュースを作る姿には驚いた。これからも機会があれば企画していきたい」と語りました。
◆クイズラリーや認知症学習アプリの試行が行われました(写真中・右側)
※サービスラーニングとは、『学生が直接、自分自身で意味ある経験をすること』『その経験を教員の指導のもと熟考し、ふりかえり、分析すること』という二つの過程を結び付けた学習方法。日本福祉大学では、地域のニーズに応えているNPOの活動に参加し、多くの人々と関わることで、市民性を育むことができるのではないかと考えました。そこで、知多半島のNPO法人をネットワークしている「地域福祉サポートちた」による全面的な協力のもと、大学とNPO法人の皆さんとの協働により、プログラムを創り上げています。