社会福祉学部では、入学して間もなく、春季セミナーという合宿型研修を毎年行っています。春季セミナーの中で知多半島地域のフィールドワーク(以下、FWと略す)を通して、1年生全員がゼミにごと分かれて、地域を知り・地域を学ぶ体験を培うプログラムを実施しています。今年は、2日間の日程に分かれて18コースでフィールドワークを行いました。
2017年5月14日(日)、大濱ゼミは半田市岩滑地区を訪れ、ゴミ収集の活動や自主防災の活動を通して、住民自治について学びました。まずは、岩滑区民館で、岩滑区長の炭谷重則さんから、岩滑地区の自治の仕組みやふれあいセンターの活動、地域お助け隊の活動についてお話をいただきました。
その後、2つのグループに分かれてFWを行いました。一つのグループは、岩滑地区の白ブロックの自主防災の活動を学びました。この日は、お休みにもかかわらず15名の地域住民の有志の方が出てきてくださり、普段体験することのない放水をさせてもらいました。女性でも扱えるように、自主防災で使うホースは、消防団で使うものよりも細くなっているとのことです。岩滑地区では、6つの地区に分かれて自主防災の活動が行われているそうで、地区ごとに毎年訓練が行われています。
もう1つのグループは、コミュニティの基盤活動になっている「ごみステーション」について、実際の場所を見学しながら区長さんから説明をききました。ブロックごとの地域住民で順番を決めてもちまわりで事に当たることで、顔と顔がみえるコミュニケーションを創りだしているそうです。岩滑区では「ゴミュニケーション」と呼んでいるそうです。岩滑で生まれたゴミの輪番制の自治の仕組みは、知多半島の各自治体のモデルとなってそれぞれの地域に根づいているそうです。
最後のふりかえりの時間では、体験してきたことを互いに共有し合い、気づきや学んだことを地域の人に感想としてお伝えしました。学生は、「区長さんが全体の調整役となって、行政とのやり取りや、地域内の自治の仕組みを機能させいることを学んだ。日頃からの住民同士の関係があるからこそ、何かやろうとしたときに、たくさんの人が協力をしていることが分かった。」とふりかえっていました。
行政専修を担当するこのクラス担任の大濱裕准教授は、「学生には、自治の仕組みが宝箱のように詰まった岩滑地区からたくさんのことを学んでほしい。将来住民と一緒につくる行政職員を志してほしい」と総括されました。