日本福祉大学・藤田保健衛生大学 包括連携協定 キックオフシンポジウム

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日本福祉大学と藤田保健衛生大学は9月12日、日本福祉大学東海キャンパスにてシンポジウム「地域包括ケアの推進と多職種連携の課題」を開催しました。両大学は今年2月13日に包括連携協定を締結し、医療及び福祉分野での研究と人材育成を促進するとともに、大規模災害時における医療と福祉の連携した支援のあり方を検討することで、医療・福祉に関する地域の課題解決にも取り組み、地域への貢献を目指しています。
今回のシンポジウムでは、基調講演に厚生労働省老健局の遠藤征也氏をお招きし、日本の現状と、求められている地域包括ケアシステムの在り方について解説していただきました。その後、地域包括ケアの推進にかかわる多職種連携の課題について、それぞれの大学研究者から報告がなされました。
日本福祉大学の藤井博之社会福祉学部教授からは、1980年代から実施されてきた地域医療の実践についての報告の後、社会福祉学部と医学部の両方を含めたIPE(専門職連携教育)のプログラムの必要性等についての課題が提起されました。藤田保健衛生大学の大槻眞嗣医学部教授からは、同大学の4年生が参加し、異なる学科の学生がチームで豊明市民の健康課題の解決に向けて取り組む「アセンブリ」という授業についてご紹介いただきました。
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また、藤田保健衛生大学の金田嘉清医学部教授からは、学校法人として初めて介護保険事業設置許可を得て解説した同大学の「地域包括ケア中核センター」を中心とした人材育成についてお話しいただきました。今年4月からは学生と職員18名が豊明団地での居住を開始するととともに、高齢者向けの介護サービスのみならず「ふじたまちかど保健室」では母子や障害者福祉まで対象を広げて相談受付などを行うなど、同大学による地域包括ケアの取り組みの広がりについてお話しいただきました。日本福祉大学の原田正樹社会福祉学部教授は、住民の参画という視点から地域包括ケアについて話題提供がなされました。本学のある知多半島内のNPOが取り組む「0歳から100歳までの地域包括ケアシステム」について紹介するとともに、様々な人と連携して地域課題に取り組むことのできる人材を「ふくし・マイスター」として養成する本学の取り組みについても述べられました。
シンポジウム後の質疑応答では、これまでに無い学部・学科横断型のIPEのプログラムをどう作っていくか、学生だけではなく、医療や介護の現場で働く専門職へのIPEはどのように実施するかといった議論も交わされました。

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講演会後に開かれたワークショップで意見を話す日本福祉大学の二木立学長


今後も両大学では協働して地域包括ケアをはじめとする医療と福祉の連携の在り方について様々な視点から検討を深めていきます。(Y.I)