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【サービスラーニング】サービスラーニング活動報告会を開催します

12月13日(土)サービスラーニング活動報告会を開催します

社会福祉学部では、2年生を対象に「サービスラーニング」を開講しています。サービスラーニングは1980年からアメリカで始まった教育活動の一つであり、社会活動を通して市民性を育むことを目的とするものです。本学では2009年からプログラムを導入しており、知多半島で活動するNPOと連携した協働による学びを展開しています。この取り組みを通じて「まなぶ力」「つながる力」「やりとげる力」という3つの力を身につけることを狙いとしています。

◆地域のNPOの方と一緒に活動を企画して実施し、ふりかえりをしてきた学生たち

 今回の報告会では、学生たちが1年間のサービスラーニングの活動から見えてきた地域や社会の課題について研究した成果などを発表します。一緒に活動していただいたNPOの方にも参加いただき、学生とともに研究成果についてディスカッションする時間も設けています。
学生・NPOの方以外でもどなたでもご参加いただけます。たくさんの方にご参加いただき、サービスラーニングに関わる学生や教職員、地域のNPOなどに対するご意見や、地域づくりに関するご意見をいただければ幸いです。

【CSVフォーラム】共有価値の創造(CSV:Creating Shared Value)が、企業と地域の未来を結び付ける。

2014年12月12日(金)、日本福祉大学知多半島総合研究所 CSVフォーラムで、知多半島総合研究所の地域・産業部部長で財政学と地方財政の専門家でもある鈴木健司経済学部准教授が、パネルディスカッションのコーディネータを務めました。知多半島総合研究所は、1988年に設立され、知多半島是延滞の歴史・文化・産業・生活などを総合的に調査・分析・研究し、その地域の特色や、発展の経過を明らかにしています。
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この日、知多半島総合研究所の地域・産業部の主催で行われたCSVフォーラムは、「地域にある共通価値の再発見と創出〜企業と地域を結びつけるCSV〜」というテーマで開催されました。CSV(Creating Shared Value)とは、共通価値の創造のことで、企業の利益を生み出す事業活動が地域の問題を改善して社会価値を高めることに着目し、企業と社会が互いの共有価値で結びついているという考え方です。
第一部 基調講演では、脇坂 光氏(キリン株式会社 CSV本部CSV推進部 企画担当主査)が、「CSRからCSVへ、企業と地域の共有価値」のテーマのもと講演され、キリン株式会社での事例をもとにCSVについての理解を深めました。
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CSR(Corporate Social Responsibility)とは、「企業の社会的責任」のことで、これまで法令順守であったり、リスクマネジメントや内部統制を整えることで信頼のおける企業となるといった、狭い範囲で定義される傾向にあった。キリグループでは、さらに踏み込んで、企業市民として企業理念に沿った商品やサービスなど、事業活動そのものによって、「社会課題の解決」に貢献することをめざしています。6つのテーマを設け、3つのアプローチによってCSVを実践します。コンプライアンスのテーマとして「公正な事業慣行」「人権・労働」、サステナビリティのテーマとして「環境」「食の安全・安心」、キリンならではのテーマとしては「人や社会のつながりの強化」「健康の増進」に取り組んでいます1。
CSVは、社会的価値と経済的価値を両立させる競争戦略であり、長期的な企業価値の向上を図ることが目的となっているため、利他的な事業ではなく、あくまでも未来の持続可能な市場づくりのための投資として性格が強いのが特徴である。したがって、すべての社会課題に適応されるものではなく、企業のもつブランド価値をより高める取り組みが行われる。だからこそ、積極的に地域や社会と協働することで積極的に価値を創造していくことができるといえる。
第2部では、「企業が取り組む地域貢献とCSV」というテーマでパネルディスカッションが行われた。山田 厚志氏(株式会社山田組 代表取締役)、戸成 司郎氏(住友理工株式会社 CSR・社会貢献室長 NPO法人中部プロボノセンター代表理事)、池田 美恵子氏(知多信用金庫 企画部 地域貢献部 課長)をパネリストに迎えて、コーディネータの鈴木健司准教授の司会で始まりました。

講演を真剣に聴く、経済学部2年牧川さんと、中根さん

講演を真剣に聴く、経済学部2年牧川さんと、中根さん(地域研究プロジェクト はんだプロジェクト所属)

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まず始めに3人のパネラーから地域貢献の実践報告が行われた。株式会社山田組は、名古屋市で公園整備などの公共事業の受託を主な事業とする会社である。山田代表取り締まりの「公共事業はエンドユーザーであり、発注者でもある市民のニーズに応えていくことがそのまま社会課題の解決となる」というのが印象的でした。「CSV」という言葉が生まれる前から、地域に根差した企業として地域への貢献活動(なごや環境大学共育講座の開講、都市内農業による地域、地域防災大会の開催、出前講座による地域との絆づくり)に取り組んできており、これからは、企業も地域課題の解決にあたる「公の一員」ということを意識して、「自助」、「共助」しそして、「共助と官助の和=公助」によって支えられる社会になっていくことが必要であるとお話いただきました。その上で、CSVとは、「企業と地域が「便益」を分かち合う仕組み」であると考えていらっしゃるそうです。
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次に、東海理化株式会社の戸成氏からは、CSVを価値創造型CSRとしてCSRを3つにカテゴライズした上で、実践事例を紹介していただきました。まず、コンプライアンス型のCSRとは、法令順守など社会に迷惑をかけないということ。2つめは、共存型CSRで、社会と共存できる企業を目指すもので、地域社会との持続可能な発展が主な内容です。そして、3つ目の価値創造型のCSRとは、社会にポジティブ・インパクトを与えることができる企業を目指すものです。例えば、環境面では、CO2を排出するのではなく、CO2を吸収できるように植林などを通じて森林保全を目指すといった内容です。「ブランドづくりに貢献しないものは社会貢献ではない」との強い意志をお持ちで、自社の事業を通じて社会的価値を創造することを本気で考えています。日頃から、積極的に社員が地域にかかわることで、社会感度を高まり、社会課題を捉える目が養われることで始めて、事業を通して社会課題の解決につながるそうです。
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最後に、知多信用金庫の池田氏からは、地域の金融機関としての役割をお話していただきました。まず、信用金庫は、法的に貸し出し先が中小企業に限定されており、また活動地域も限定されています。このような背景から、信用金庫の預貸率(金融機関の預金残高に対する貸出残高の割合)が年々減少してきており、全国の信用金庫の預貸率は、1998年に70%を超えていたのが、2014年には50%近くまで減少してきています2。このような現状を受けて、知多信用金庫は、「ソーシャル・ビジネスサポート愛知」に参画することで、社会課題を解決するソーシャル・ビジネスやコミュニティビジネスの主体を育てることに積極的に取り組んでいくそうです。
知多信用金庫は、「夢サポート」を通じて、毎年総額1000万円を地域に貢献する団体や個人に助成してきました。すでに10年を越えており、これまでに1億円を地域に投資することで、この地域における社会的価値を創出してきました。今後は、その効果を検証し、さらにしっかりと地域金融機関の役割を果していくことを考えていらっしゃいます。
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この後、鈴木先生からは、市民の視点にたって、「どうすれば企業と上手く連携できるのか?」といった質問が投げかけられ、「ただ○○のために取り組みをしたいと思いをぶつけるのではなく、何を解決するか(What)、どう解決するか(How)、社会がどう変化するか(Impact)を明確にすると、企業としてもかかわり方を具体的に考えることができる」といった議論が行われました。

 大学としても、大学の資源をいかに活かし、活かされて、地域に価値を創造していけるかということは、重要なテーマであると感じました。人を育てるという点で、学生も地域の方も、企業も協働の場をつくっていくことの大切さを改めて考えさせられました。

 
1. キリン株式会社ホームページ CSV活動 参照
2 コミュニティ・ユース・バンクmomo 『お金の地産地消白書2014』 参照

【地域研究プロジェクト】フードPJ)~「皆福米」を収穫しました~

2014年9月17日

 日本福祉大学では、地域貢献をテーマに「あんしん」「にぎわい」「つたえる」の3つの要素をコンセプトとして、経済学部と社会福祉学部の学生を対象に、正課科目『地域研究プロジェクト』を開講しています。この科目は課題解決型学習手法のPBL(※1)を導入したもので、現在、科目内で7つのプロジェクトを展開しています。その1つで、「観光農園の研究と農作物の生産、加工、販売」をテーマとするフードPJ(担当教員:加茂浩靖経済学部准教授)では、 「皆福米(かいふくまい)」と称した米づくりを行っており、 9月11日(木)に稲刈りが行われました。

 5月8日(木)に田植えを行った約10aの水田は、8月に台風に見舞われましたが、すくすくと成長し収穫の時を迎えました。地元農家で水田を提供する久綱さんから、鎌の使い方や、稲の結わい方を教えてもらいながら、慣れない手つきで刈り取りはじめました。上級生たちは、なかなかうまく結わえない下級生を見ると、「ココで挟んでやるとやりやすいよ」などのコツをを教える姿がみられました。刈り取られた稲は稲架掛け(はさかけ) にして、天日干した後に脱穀を行います。最近では、あまり見られなくなった光景で、ほとんどの学生が知りませんでした。

 稲刈りに参加した山田恵美加さん(社会福祉学部3年)は、「今年は雨の日が多く、私たちが植えた苗がちゃんと育つかどうか心配だった。刈ることができるくらい育ち、とにかく嬉しい。稲刈りにはプロジェクトの後輩たちも参加したが、途中で雨が降ってしまい最後まで作業できなかったのが残念。収穫後には脱穀や精米、商品化などが控えており楽しみにしている」と意気込みを語りました。 山田さんは、半年前に、福祉施設でも質の高い商品をつくっているということを知り、「将来、仕事に活かせかもしれない」と話してくれたのが印象的でした。

 プロジェクトでは、刈り取った稲を天日干しにし、オリジナルパッケージをして「皆福米」という名称で11月の名古屋消費生活フェアで販売を行います。

※1:PBL(Project-Based Learning)とは、実践的な教育手法の一つで、「プロジェクト型学習」や「問題解決型授業」と言われています。この手法の特徴は、教員の役割は何かを教えることではなく、学生の学習を支援することです。また、自治体をはじめとする地域関係者と組織的に課題に取り組むことにより、問題設定・解決力、コミュニケーション、チームワーク、リーダーシップ、創造性など、社会人基礎力に位置付けられる能力を養います。

【シンポジウム】COCキックオフ・フォーラム

今年度の文部科学省「地(知)の拠点整備事業」(大学COC事業)に、本学のプログラム「持続可能な『ふくし社会』を担う『ふくし・マイスター』の養成」が採択されました。
この度、COCキックオフ・フォーラムとして、12月13日(土)15:20から「~域に根ざす大学として~」を開催いたします。(会場:日本福祉大学 美浜キャンパス11号館)

COC事業では、知多半島の美浜町、半田市、東海市を対象に、地域福祉、防災・減災、中心市街地活性化など、各市町の地域課題の解決にむけた取組を地域と協働で進めながら、学生を地域課題に主体的に取組む人材「ふくし・マイスター」として育成していきます。
本フォーラムでは、本事業の内容をご紹介し、地域の方々とともに、大学の新たな教育・研究・社会貢献の取組を作り上げていく契機といたします。
地域の方々のご参加をお待ちいたしております。 (入場無料、要事前申込)

プログラム
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15:20 開会、学長挨拶
15:25 本学のCOC事業の紹介
15:50 トークセッション
テーマ:地域の課題解決および学生の育成における
大学と地域との連携
<登壇者>
近藤淳広 氏 美浜町 企画政策課 政策管理係 係長
前山憲一 氏 半田市社会福祉協議会 ふくし支援グループ長
森 洋司 氏 東海商工会議所 専務理事
加藤龍子 氏 NPO法人まち・ネット・みんなの広場 理事長
今井友乃 氏 NPO法人地域福祉サポートちた 理事
コーディネーター:千頭 聡 本学 地域連携推進機構長
16:50 閉会
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申込方法等の詳細につきましては、本学ホームページをご覧ください。
http://www.n-fukushi.ac.jp/news/14/141128/14112801.html

【地域研究プロジェクト】VCPJ~長野県辰野町で地域おこし事業に参加しました~

日本福祉大学では、地域振興をテーマに「安心」「にぎわい」「つたえる」の3つの要素をコンセプトとして地域研究プロジェクトを社会福祉学部、経済学部を対象に開講しています。人との繋がりによる地域活性化をテーマに学びを深める「ボランティアコーディネートプロジェクト(指導教員・後藤順久経済学部教授 以下、VCPJ)では、長野県辰野町川島地区での地域おこしに協力しており、10月31日に同地区で開催された「第20回横川峡紅葉まつり」に学生や教職員9人が参加しました。

◆川島地区の紅葉は真っ赤に染まり、澄み渡る青空のもと行われました

 日本福祉大学と長野県辰野町、辰野高校は2007年に交流連携協定を締結し、辰野町から川島地区に至るアクセス道路に花を植える花街道整備や川島小学校への支援など地域の皆さんと交流を続けてきました。活動に参加した村上康介さん(2015年度は休学)が、今年4月から辰野町で初となる地域おこし協力隊として赴任するなど、着実な成果を積み上げてきています。活動は周囲の山々の木々が紅葉で赤く染まり、清々しい青空に包まれるなか活動は会場設営から始まりしました。学生たちは地域の皆さんとともに、テントの設営や物品の搬入、什器の設置などを担いました。祭りがスタートすると、バザーの販売や関東東北豪雨への募金活動、苗木配布のほか、地域のゆるキャラとなり子どもたちと接するなど忙しく動き回りました。このほかに、大学独自の企画としてVCPJが各地で取り組んでいる「防災紙芝居」を上映しました。この紙芝居は災害時に弱者となってしまう子どもたちを対象に、日頃から備えることの大切さを上映により理解してもらうだけでなく、保護者との話題とすることで地域の防災力の強化をねらいとしています。通常は本学の学生のみで行われてきましたが、今回は会場のボランティアとして参加していた信州豊南短期大学の学生とともに、非常持ち出し袋の常備や伝言ダイヤルについて紹介する「地震編」が上映されました。

◆川島地区のみなさんと協力して設営から運営に携わり、交流を深めました

 活動に参加した社会福祉学部3年の西村早恵さんは、「今年6月にも辰野町を訪れ、川島地区の子どもたちと交流したり、花街道の整備でドーム菊を植栽する取り組みに参加した。今回は地域の皆さんと祭りの準備や運営等で関わることができた。物品の販売やボランティアを含めた全ての方が地域を盛り上げてい期待という思いを語ってくれた。大学の学びでは、地域住民の意識を変えることに自治体等が苦労していると聞いていたが、川島地区はおういう意味では進んでいる地域であると感じた」と感想を語りました。

◆防災紙芝居には信濃豊南短期大学の学生も急きょ参加し実施されました

◆6月の活動で植栽したドーム菊が黄色い花をつけるなか、川島振興会の船木会長と記念撮影

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