日本福祉大学では、地域貢献をテーマに「あんしん」「にぎわい」「つたえる」の3つの要素をコンセプトとして、正課科目『地域研究プロジェクト』を開講しています。この科目は経済学部と社会福祉学部の学生を対象としており、現在7つのプロジェクトが展開されています。人の繋がりによる地域活性化を目指すボランティアコーディネートプロジェクト(通称:VCPJ、担当教員:後藤順久経済学部教授)では、9月20日(土)に長野県下伊那郡辰野町川島小学校の運動会の支援を目的に、学生4人が参加しました。
日本福祉大学と辰野町・辰野高校は2007年に交流連携協定を締結しました。学生たちは辰野町で川島地域に向かうアクセス道路沿いに花を植栽する花街道整備や高齢者生活実態調査、辰野高校との交流キャンプ事業などを行ってきました。本年度は、新たに川島区住民減少対策委員会と連携を行い、新たに定住・移住促進に向けて取り組みを進めています。川島小学校は町の中心部から北西に10キロほど離れた谷筋に位置し、およそ300世帯が暮らす川島地区にあり、 13人の児童が学んでいます。川島小学校の運動会は、児童だけでなく中学生や、地元の警察官、消防団の方など地域で盛り上げる全員参加型のものでした。児童らは、時間をかけて練習をしてきた一輪車での演技を通して成長の歩み披露していました。演技が終わり全員で礼をした瞬間、会場からは温かい拍手と歓声が湧き起こりました。
◆一輪車での演技を終えて礼をする児童
◆児童や保護者、地域住民と一緒になって
綱引きに参加する学生
この日に向けて、プロジェクトのメンバーは「華のステージ」と称したプログラムを考案し、準備を進めてきました。このプログラムは、あらかじめ設置したビニールシートの上に参加者全員が乗るまでのスピードを競う紅白対抗戦です。本番を前に練習してみると、ビニールシートが広すぎて全員があっという間に乗ってしまいました。そこで当初の8分の1ほど小さくしてみたところ、参加者たちは肩車やおんぶなど工夫し、歓声をあげながら競技する姿が見られました。
この取り組みに参加し、プログラム内容の説明を行った高栁未佳さん(社会福祉学部3年)は、「川島地区のみなさんの団結の強さを感じることができました」と感想を話してくれました。
◆リレー走者をゴールで待ち構える
名取さんと高栁さん
◆どれだけ多くの人が乗れるかを競う
「華のステージ」
運動会の片づけ後、後藤教授と学生たちは、住民減少対策委員会の方と、本年度行う予定の住民意識調査アンケートの打ち合わせを行いました。その際に、名取奏さん(社会福祉学部3年)から、太陽生命厚生財団より助成金の採択を受けたことが報告されました。助成を受けて「地域交流による高齢者孤立化の防止と認知症における正しい知識の啓発 」を行ってきます。VCプロジェクトは、今後、11月に開催される紅葉まつりや、2月に予定されている川島小学校学習発表会にも参加し、辰野町の地域活性化にかかわっていきます。
◆住民アンケートの打合せを終えて、記念撮影する住民と後藤教授、VCプロジェクトの学生たち