「現代福祉」コミュニティ創成×福祉〜参加のデザインによる地域ケア支援

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6月23日(火)、「現代福祉」(担当:吉村輝彦国際福祉開発学部)において、特定非営利活動法人岡崎まち育てセンター・りたの事務局次長の三矢勝司先生がのゲスト講師としてお見えになりました。
担当の吉村先生と三矢先生とは、99年からの仲ということで、始終和やかな雰囲気の中で、講義が行われました。
今日の講義は、「コミュニティ創成×福祉〜参加のデザインによる地域ケア支援」というテーマで、「参加のデザイン」という視点から、三矢先生がこれまで手掛けてきた事例を紹介する内容でした。
「中間支援の必要性を痛感」したことがきっかけで、現在のライフワークがカタチづくられていると話してくださいました。今日のテーマである「参加のデザイン」は、①「プロセスデザイン」、②「プログラムデザイン」、③「参加形態のデザイン」の要素からを組み合わせて設計されます。
特に、一番初めに紹介してくださった被災地仙台の、プレハブ応急仮設住宅「あすと長町」の事例では、仮説住宅の中に、どのようにコミュニティを創成して、発展していったのか、そして、その前提にある「グループ入居制度」の果たしたメカニズムについて、具体的な登場人物を挙げて、わかりやすく説明くださいました。
コミュニティの創生において、鍵となっていたのが、仮設住宅の中で内発的に育まれたり、ボランティア団体や企業の呼びかけで始まった「クラブ活動」でした。こういったインフォーマルな関係が豊かに築かれていたからこそ、その上に、まちづくり団体が生まれ、さらにそれらの団体の活動の中から、課題解決の取組が生まれていったことが鮮明に伝わってきました。このようなコミュニティの発達段階過程を⓪多様な移住者の集積→コミュニティの基礎固め→支援組織との協働実践→プラットフォーム形成→祭り、つながりの演出に整理した上で、ここに「参加のデザイン」があったと説明してくださいました。
(これらのプロセスを地域の人と伴走しながら一緒に作られてこられたからこそ、仮設住宅という住みづらい環境の中に、人と人との関係が豊かなコミュニティが創出されたのだと思いました。)
学生からは、コーディネータとしての顔も併せもつ三矢先生に「今、サークル活動で地域のいろいろな方とつながっていきたいと思っているのですが、どうすればうまくできるのか」といった質問があり、先生からは「まずは、その分野ですでに活動している人、や地域にすでにネットワークをもっているキーパーソンを発掘することが大事」とポイントをわかりやすく教えてくださいました。
最後に、「(地域の中にいろいろな声があるが)、自分の中に内なるビジョンが明確にあるから、それをカタチにすることができる。」とまっすぐなメッセージが届けられました。先生、どうもありがとうございました。
特定非営利活動法人岡崎まち育てセンター・りた