社会福祉学部の開講科目の「地域研究プロジェクト」の認知症プロジェクト(担当:斎藤雅茂准教授)の取り組み成果が、着実に実を結んでいます。
※「地域研究プロジェクト」とは、地域課題の解決の実践を通して、問題発見・解決力、コミュニケーション力、チームワーク力、リーダーシップ、創造性など「社会人基礎力」に位置付けられる能力の向上に、自ら取り組む教育プログラムです。学生が主体となって地域の課題を発見し、教員が視点を与え、支援者として学修活動をサポートします。
認知症プロジェクトでは、認知症の啓発を目的に活動をしています。問題意識の近い学生が集まって「サロン班」、「ヤングケアラー班」、「啓発ツール班」の3つのグループをつくり、プロジェクトを展開しています。その中の「サロン班」は、これまで知多市の南粕谷ハウスと常滑市の多屋公民館で3回の認知症啓発活動を企画・実施してきました。
(11月26日に知多市の南粕谷ハウスで行われた認知症啓発の活動風景)
高齢者サロンでは、高齢者にただ認知症について知ってもらうのではなく、学生が考えたレクリエーションを一緒に楽しみます。学生たちは、地域の高齢者の方に親しみをもってもらうため考えてきた自己紹介をした後、グループに分かれてレクリエーションを行います。これまでのプロジェクトでの先行研究を通して、「人との交流」が認知症予防に効果があるのではないかと考えた学生たちは、認知機能を活性化するゲームの中に、学生との交流を取り入れることでレクリエーション自体が、認知症予防になるように考えられているそうです。
(多屋公民館で、レクリエーションを通して交流する学生と地域の高齢者)
毎回のサロン活動には、毎回20名ほどの高齢者が参加しているそうです。アンケートを取ってみると、「若い人との交流ができたのがよかった」と回答があり、予期せぬ副産物効果として「世代間交流の場」をつくることができていたようです。
学生は、高齢者の方から、「ありがとう」とお礼をいってもらえるのが励みとなって、また活動したいと次の活動の動機になっているようです。しかしながら、活動を通して、「地域のサロンは男性の利用率が女性に比べて低い」という課題が新たに見えてきたそうで、今は、その課題に対応する課題解決を提案する作業をグループで取り組んでいるそうです。
サロン班のリーダーの野崎涼(社会福祉学部福祉社会コース3年)さんは、「『地域研究プロジェクト』は、自分たちが課題解決に向けたアイディアを出して、まとめて、実践する機会を経験することができる。企画力や創造力が身につけることができるので、これから身近な課題解決にも活かしていきたい。クリエイティブな力は社会から求められているので、是非後輩の皆さんも履修してほしい」と話してくれました。
認知症プロジェクトでは、7月20日(水)6限(18:25~19:55)に行われる予定のプロジェクト報告会に向けて、成果をまとめていくそうです。
(南粕谷ハウスでの活動を終えたサロン班のメンバーの集合写真)
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