8月20日(木)、この日は、東海市市民協働課主催の「NPO現場見学」のバスツアーが企画され、東海市市民活動センターの登録団体である日本福祉大学Cラボ東海として、地域連携コーディネータの中野と、市民活動センターのスタッフを務める岸玲司(国際福祉開発学部1年)さんと、韓国からの留学生の崔烔根(国際福祉開発学部1年)の3人が参加をしました。
この企画の目的の一つは、異なる運営主体が社会課題解決のために取り組む現場を知ることで、それぞれの地域での活動に活かすということでした。まず、知多半島で福祉NPOの中間支援を行うNPO法人地域福祉サポートちたの事務局長の市野めぐみさんから、知多半島のNPOの成り立ちや、知多半島のNPO法人の現状についてお話があったのち、次の行程のバスツアーが実施されました。
↓①自治会活動が基盤となってサロン事業を行っている南粕谷ハウス(知多市)
↓②NPO法人学童保育ざりがにクラブが運営する学齢期の障碍児の放課後等デイサービス事業まるまるね
↓③東海市立大池健康交流の家を拠点に「自治会活動」と高齢者の「居場所づくり」を推進する大池ぬくもりの会
南粕谷ハウスが位置する知多市南粕谷コミュニティは、高齢化率が40%を超える自治区です。知多市全体の高齢化率が24.7%(平成27年4月1日)であることからも、その高さを伺いしることができます。
石井事務局長のお話だと、もともと南粕谷は、新日鉄の企業団地として開発されたため、昭和47年を境に同世代の人が全国から集まってきたそうです。そして、約40年が過ぎた今、その世代の人が高齢世代となっているそうです。もともと住んでいた住民の3倍~4倍の人が移り住んできたことから、当初は新旧住民の交流が課題となっており、生活充実型イベントの推進が行われていたようです。
その後、小学校も同時期にピークを迎え、卒業と同時に空き教室の増加したことがきっかけで、小学校の中に生涯学習ルームを開設して、問題解決型生涯学習の推進が行われてきました。
そして、小学校を中心とした住民同士の連携から、現在では、地域全域の協働型コミュニティの活動が行われています。事務局長の石井さんは、「何かをすると何か課題が見つかる」と、「元気会」という取り組みで工作やダンス教室を行っていたが、何もせずただ話せる居場所がほしいというニーズに気づき、地域コミュニティが社会的基盤となりサロンを運営をはじめたそうです。
ただ課題として、ハード面は、県からの補助でなんとかなったが、ソフト面を回していくために、月15万円の固定費を捻出するのに知恵を絞っているようです。サロンは、ボランティア力で運営を行いメニュー開発をしたり、近隣の農家の方から野菜を提供していただいたり、地域住民で金柑を育てジャムをつくり販売するなど、今は何とか回っているそうです。
「地域は、人材の宝庫」という言葉印象的で、いろんな人やその人がもっている物資、ネットワークを活用することで、できないことはないというお話が大変印象的でした。いただいたお弁当も、品数が多く、とってもおいしかったです。みなさんも、ぜひ一度お昼ご飯を食べにいってみてはいかがでしょうか。
南粕谷ハウス
フードバンクの仕組みも活用して、サロンを運営しています。この日は、偶然、社会福祉学部の2年生が南粕谷ハウスにサービスラーニングに来ていました。フードバンクから物資を取りにいった帰りで、学生からフードバンクの取り組みを紹介してもらいました。「日本は、年間500万トン~800万トンの食糧が廃棄されている。これは年間のお米の生産量に匹敵する」「ただ味付けが規定値からすこし薄いだけですてられてしまうものもあるので、もったいないと思った」と話をしてくれました。
バスツアーの参加者も、真剣に耳を傾けて聞いてくれていました。サロン活動を通して、こうした物資を必要な人に届けることもできると、サポート知多の市野めぐみさんは説明してくれました。
以前フードバンクの講演会で一緒になったバスツアーに参加した学生とも交流をしていました。
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