Tag Archives: 社会福祉学部

【社福】”まちづくり”を進めるポイントは?


みなさん、大学の講義が今、どのように展開されているか気になるところだと思います。
2020年5月28日(木)、社会福祉学部1年次「総合演習」(小林、川島、村川、佐藤ゼミ)の4ゼミ合同講義がZoomを用いて行われました。日本福祉大学では、地域の実践の場から学ぶ地域志向教育を全学的に推進しており、社会福祉学部では「総合演習」において、地域を知る・関心を持つことを目的とした「ふくしコミュニティプログラム」が展開されています。
この日は、半田キャンパスが位置する半田市でシティプロモーションや経済振興に取り組むNPO法人半田市観光協会の池脇観光ディレクターをゲスト講師に迎え、「半田市の観光と地域連携」というテーマでオンライン講義が行われ、行政専修と人間福祉専修の4つのゼミに所属する80名が受講しました。

はじめに、池脇さんから「みなさんが住んでいるまちには、観光協会がありますか」と簡単な質問があり、学生たちはチャットとよばれる掲示板に回答をしました。多くの学生は、観光協会があることは知っているが、何をしているかということまではわからないというような反応でした。
その反応を受けて、池脇さんからは、半田市観光協会では、「情報発信」と「おもてなし」を通じて、訪ずれた人に満足度してもらうことが役割であり、その過程で、市内の施設や飲食店や商店にたくさんの人が訪れることで「経済振興」や、「シティプロモーション」につながることをわかりやすく説明してくださいました。
半田市の魅力を伝えるキーワードは、「山車」「蔵」「南吉」「赤煉瓦」と、半田市の観光資源を紹介するなかで、観光協会の一連の仕事のプロセスは、”まちづくり”ということを意識するようになったそうです。半田運河キャナルナイトというイベントを例に挙げて、行政や商業者だけでなく、学生やボランティア、そして来場者にもまちの魅力づくりに関わってもらうことで、一人では達成できないことをたくさんの関係者が関わることでまちの魅力づくりができるからだそうです。
その後、質疑応答がおこなわれました。はじめに教員から、「率直な質問がいい質問」「当事者意識をもって考えてみて」とアドバイスを受けると、オンライン上でグループ討議を行いそれぞれのグループで質問を考えて、講師の池脇さんに対する質問がおこなわれました。
仕事のやりがいについての質問では、「まちづくりの仕事のやりがいは、反応がダイレクトに伝わってくること」だと話をしてくれました。また、苦労する点では、「たくさんの人や団体が関わりそれぞれの思惑が異なるため、合意形成を図っていくことがとても大変だ」と伝えてくれました。そんな中でも、思いを頻繁に伝え合うこと、相手のことを理解すること、そしてたくさんの人の共感を育むことが、仕事を進める上で重要なポイントだと学生の質問に応えながら話をしてくださいました。
1つのゼミを担当する佐藤大介助教(全学教育センター)は、「観光の仕事は、ふくしの仕事に通ずることも多い。相手に共感しながら相手の立場になって考えることや、協力を引き出して多くの関係者を巻き込んでいく力などは、ふくしの仕事で絶対に必要になる力。また情報発信や、企画力は、行政や社会福祉協議会の職員になったとしても必要なスキルなので、大学生のうちから実践を通して身につけておくと今後必ず役にたつはず。これから地域に出て興味関心をもったらぜひ活動に参加をしてみてほしい。」と、この講義での学びをふりかえりました。
【学生からの質問】
「街づくりにおいて大変だった、有意義だったこと、達成感を感じたことはなんですか。 地域活動で初対面の人とコミュニケーションするコツはなんですか。」
「仕事で苦労したことは何ですか。」
「町づくりの計画中や作業中に失敗したことがありますか?」
「観光協会と大学生が協力する地域イベントは何かありますか?」
「これから池脇さんがやりたいと思っているイベントは何ですか?」
「まちづくりにおいて苦労したこと、大変だったことは何ですか?
「半田以外の地域でも同じような活動はできるでしょうか
「まちづくりをしていく中で、地域の人に言われて一番嬉しかったことは何ですか。」
「企画力をつけるためにはどんな活動が必要ですか。」
「空き家再生プロジェクトの話がありましたが、大学生の活動以外のプロジェクトの活動というのはありますでしょうか。」などなど。

最後に、池脇さんから学生たちへ、以下のメッセージを伝えてもらいした。
「これから大学でたくさんのことを学んでいくと思います。学んだことを活かして何ができるかを考えて行動に移すことでさらに深い学びに結びつくと思います。地域は、学びの実践の場だとおもうので、学んだことを活かして是非学生のうちにアウトプットを出していってもらいたいです。」
池脇さん、貴重なお話しありがとうございました。
半田市の観光についてもっと知りたい人は、「半田市観光協会」で検索してみてください。
たくさんの情報とともに見応えのあるパンフレットも掲載されています↓
https://www.handa-kankou.com/pamphlet/
(番外編)
日本福祉大学では、聴覚障害など、さまざまな障壁をかかえながら学ぶ学生もいます。オンラインでの本講義においても、要約筆記など支援を行うボランティア学生がサポートに入りながら講義が展開されています。対面の授業と比較するとオンライン講義のメリット・デメリットあると思いますが、この状況に学生・教職員それぞれが適応している過程にあります。
 

【社福】「総合演習」合同報告会~地域と関わる学びを発表~


12月5日(木)、社会福祉学部「総合演習」の合同報告会が行われました。「総合演習」佐藤クラスと村川クラスでは、それぞれのクラスから合同ゼミの運営委員の司会の元、9つのグループがそれぞれの学びをまとめてプレゼンテーションを行いました。

社会福祉学部「総合演習」は、「ふくし・マイスター」の養成にかかる「ふくしコミュニティプログラム」の実施科目となっており、2つのゼミでは地域と関わる学びを展開してきました。学生たちは、児童養護施設や、地域福祉、精神障がい者の自立、不登校などの児童等を支援するNPO、また地域サロンなどにフィールドワークを行い、現場での体験や実践から得られた気づきや学びをまとめて報告しました。中には、1泊2日で児童養護施設での体験を行ったグループや、複数回施設を訪問するグループもあり主体的なグループ活動を行ってきたことが垣間見えました。

質疑応答の時間では、相互のゼミから質問し合い、積極的なコミュニケーションを通じてそれぞれの学びを共有する姿が印象的でした。
佐藤クラスを担当する佐藤大介全学教育センター助教は、「学生たちは、自らの関心に沿って、自分たちで地域の団体を調べて、アポイントを取りフィールドワーク先を見つけていた。1年次に現場での体験があることで今後の学習の質にもつながってくると思う」と、「総合演習」での学生の学習について総括しました。
(報告テーマ)
1「南海トラフに向けての意識調査」
2「災害から生き抜く力を養うためのゲームBOUSAIすごろくの開発」
3「ゲームによる知識の共有」
4「高齢者同士の親睦を深めるアクティビティの開発」
5「児童養護施設における子どもたちの日常」
6「地域の輪~スポーツによる繋がり~」
7「高齢者の居場所づくりの意義と必要性~認定NPO法人絆の活動を通して~」
8「当事者研究を考える~NPO法人びすた~りを訪問して~」
9「不登校やひきこもりの子どもたちへの支援とは~子どもへの学習支援を通じて学んだこと~」
参考URL
社会福祉学部
 
 

【東海】知多市の市民活動団体と学生が協働でワークショップを開催


知多市の市民活動団体「ちたざっくやろう会」(代表:日比野徳男さん)では、知多市で「ざっくばらん」に、もの・こと・ひとがつながっていくことを目指して、竹灯籠の制作やワークショップの開催など行っています。8月3日に開催された「ちたざっくVol.17 」では、「見えない疾患・障害啓発プロジェクト」代表で、本学の社会福祉学部2年酒井晃太さんが登壇し、プロジェクトの説明を行いました。

見えない疾患・障害啓発プロジェクト」では、「サポートハートマーク」の周知を活動としています。この「サポートハートマーク」は「へルプマーク」の逆バージョンで、「困っている人を助けたい」という方が身に着けることで、障害や病気を抱える方といった支援を必要としている人(当事者)が、マークを身に着けている人に「手伝ってください」と声をかけやすくして、
当事者が安心して過ごせるようにするためのマークです。多くの方にこの「サポートハートマーク」を付けてもらい、「助けが必要な方、お手伝いします」と言う意思表示をしてもらう人を増やしたいという思いで活動しています。また、酒井さんは、広くサポーハートマークを知ってもらうために、「サポートハートマーク広げ隊、自転車で知多半島一周プロジェクト」を計画し、事業所に周知のお願いをしたり、現在の活動費が酒井さんのアルバイト代から捻出していることや、全国の方々に知ってもらえることも考えて、クラウドファンディングにも挑戦するとお話ししました。酒井さんの説明の後、ワークショップとなりました。本学の学生が中心となっているプロジェクトチームメンバーは各グループに入り、進行を担いました。まずは、参加者に画用紙を渡し、名前、住所、「私の熱中症対策」を書いていただき、それを使って自己紹介をしました。その後グループ毎にサポートハートマークを普及させるためのアイデア出しを行いました。。最後に各グループで話されたことをそれぞれ発表していきました。

この日、登壇した社会福祉学部の2年の酒井さんは「発表では人前であまり話をしたことが無いのでとても緊張した」と振り返りました。また、この会を運営している日比野徳男さんは、「今回は学生、障害をお持ちの方など新しい顔ぶれも多く楽しい会になりました、多くの人を巻き込みながらヘルプマークの活動と一体になった取り組みになれば良いな」とお話しいただきました。
酒井さんの出身地、愛知県東郷町の役場職員さんのほとんどは「サポートハートマーク」身に着けていて、啓発をしています。本学の学生が中心となって取り組む「見えない疾患・障害啓発プロジェクト」「困っている人を助けたい」の意思表示、「サポートハートマーク」普及活動のご支援をどうぞよろしくお願い申し上げます。

【東海】東海市立三ツ池小学校で福祉実践教室に参加しました。

6月29日(土)に開催された福祉実践教室は、東海市と東海市社会福祉協議会が中心となって運営されており、協力として、本学の知(地)フィールドである「オレンジフェスティバル実行委員会」5名のほか、三ツ池小学校区の地域支えあい活動団体、民生委員の方なども参加しました。
この日、社会福祉学部1年の井上紀和さん、経済学部2年の鈴木里奈さん、看護学部4年の近藤雅俊さんの3名の学生が参加しました。

事前に東海市社会福祉協議会、オレンジフェスティバル実行委員会の皆様と打ち合わせをし、役割分担や当日の実施内容について確認しました。この日は、認知症サポーター養成講座として、本学の学生は、寸劇に挑戦したり、認知症啓発の紙芝居の披露を行いました。学部やキャンパスが異なっているため、十分な学生同士の調整は難しかったようですが、子どもたちに認知症紙芝居の読み聞かせの経験のある看護学部の近藤さんがリーダーシップを発揮し、無事、任務を終えました。その後、行方不明高齢者捜索模擬訓練では、路上での児童の見守りも行いました。

今回、この事業は、行政・地域団体・大学と協働し、初めて市内の小学校で実施されたとのことで、参加した地域の方々は、今後の展開に期待をしている様子でした。

【社会福祉学部】春季セミナー~滋賀県長浜市黒壁スクエアをまちあるき~

4月13、14日、社会福祉学部春季セミナーが開催され、4つの専修に所属する1年生を対象に1泊2日の研修合宿が滋賀県長浜市で行われました。
社会福祉学部春季セミナーは、これから4年間学ぶ学生同士、そして学生と教職員との親睦を図ることを大きな目的としています。また1日目には、卒業生による講義を通じて卒業後に社会で活躍するイメージを伝えるとともに、それに向けて社会福祉学部での学びや学生生活などについて考えます。そして、2日目には、宿泊地周辺のフィールドワークを通じて地域に関わる学習(ふくし・コミュニティプログラム)が行われます。

黒漆喰が塗られた建物が立ち並ぶ黒壁スクエア


社会福祉士、精神保健福祉士の合格を願う教職員一同


今年は、滋賀県長浜市の黒壁スクエアをフィールドワークを行いました。黒壁スクエアは、滋賀県長浜市旧市街にある、伝統的建造物群を生かした観光スポットで、まちづくりの成功例として全国から視察を受け入れています。伝統的建築の取り壊しの問題に直面して、地域住民・企業と長浜市が共同で第三セクター方式で株式会社黒壁を立ち上げました。そして、黒漆喰で塗られた伝統的な建物を保存して、観光を通じた地域の活性化に取り組んできました。現在ではガラス工房などの多くのテナントが入っています。

学生たちは、ゼミごとに分かれて町並みを見て回りました。また、まちづくりに携わってきた住民の話を聞き、まちづくりに対する住民の思いに触れることで地域に関する学習についての関心を深めました。
 
 
春季セミナー実行委員のある教員は、「長い時間を共にしたことで、親睦という点では、ともても充実した2日間になった。これから大学生として切磋琢磨して学び深めていってもらいたい」とふりかえりました。

【公務員育成チャレンジプロジェクト+(プラス)】美浜町の地域資源を活かした商品開発にチャレンジ

4月27日(木)、「公務員育成チャレンジプロジェクト+」の活動が行われ、連携する美浜町産業課職員の高橋理紗(本学国際福祉開発学部卒業)さんが美浜キャンパスを訪れ、参加する学生との打ち合わせが行われました。
社会福祉学部行政専修では、同専修の1年生を対象とした「公務員育成チャレンジプロジェクト」を2018年5月に立ち上げ、愛知県・東海市・美浜町の行政担当者から提示された課題に対して、学生たちが半年間に渡って検討重ねてきました。担当者を学内に招き、課題への提言(報告会)を開催したところ、美浜町をテーマに提言された1つの企画に対して、美浜町から具体的なオファーが届き、「公務員育成チャレンジプロジェクト+(プラス)」として発展的に継続されることが決まりました。同プロジェクトは、美浜町の特産品を用いて、自治体職員と連携し、約10ヵ月をかけて商品開発をすることを目的としています。

この日は、美浜町の高橋さんから、予算の使い方についての説明があった後、4つのグループに分かれて商品開発にむけた企画会議が行われました。現在、4つのグループごとに美浜町の特産を活かした商品開発がすすめられています。
①美浜町の水産資源であるツメタガイを用いた海鮮キムチ
②美浜町の温室ミカンを活かしたみかん塩
③同じくミカンを使ったみかんサイダー
④美浜町が売り出す恋美豚(こいびとん)を使ったコロッケ
学生たちは、思い思いのアイディアを出し合って、商品化に向けて活発な議論を展開していました。秋に行われる産業まつりにむけて商品化できるようにどのグループも熱がこもっていました。
参加する社会福祉学部行政専修の学生からは、「すこしずつ目に見えないものがカタチになってきた。(美浜町の)高橋さんから、どこにいけば素材が手に入るかを教えてもらったので次回までに足をはこんでみたい」と、意気込みを聞くことができました。

連携する美浜町の高橋さんからは、「だんだんと企画が具体的になってきて、商品化の実現性が高まってきている。」と、フィードバックがありました。担当する末盛慶社会福祉学部准教授からは、「これから商品化に向けてどんどん取組を加速させていく必要がある。そのためには、グループごとで自主的に集まり、その内容を報告してほしい。是非、学生のアイディアを活かして”とがった商品”を実現させ美浜町に活性化に一役買ってほしい。」とアドバイスがありました。このプロジェクトには、学生の自主的な活動を多面的に支援する環境も整えられていて、”チャレンジ”の名にふさわしい取り組みになっていました。
5月30日には、学内で試作会が予定されています。それまでに各グループでどんな商品企画が行われるのか、とても楽しみです。
関連記事
【公務員育成チャレンジプロジェクト+(プラス)】学生と美浜町が特産物を活用した商品開発を行います

【公務員育成】チャレンジプロジェクトがスタート


日本福祉大学では、2018年5月より、公務員を目ざす社会福祉学部行政専修の1年生を対象に、自治体が抱える課題に対して解決策を提言する「公務員育成チャレンジプロジェクト」を始めました。
本年度も取組が継続されることになり、2019年度入学の1年生を対象に2年目のチャレンジプロジェクトのオリエンテーションが行われ、62名の学生が参加しました。

はじめに、このプロジェクトを主導する末盛慶社会福祉学部准教授より、目的とねらいが話されました。このプロジェクトは、正課外の取組で1年次の早い段階から公務員の具体的な仕事内容ややりがいを掴んでもらうことを目的に、愛知県、東海市、美浜町の3つの自治体に協力していただき、自治体が今まさに困っている課題に対して学生が考え、解決策を提言する試みです。
正課外の企画に参加することで幅広い経験と学びにつながると、そのねらいについて学生時代の経験を踏まえて伝えられました。そして、誰かに必要とされながら、頑張っていく経験が、みんなの背中をそっと押していくと説明されました。
「このプロジェクトは、敷かれたレールの上を歩くのではなく、たくさんの人が関わることで成り立っているので、私たち教員にとってもいったい何が生まれるのかがわからない。まさに白紙の取り組み。だから学生のみんなが主人公となって、みんなのアイディアや取組によって白紙にいろいろな絵を描いてほしい」とメッセージが伝えられました。

最後に、このプロジェクトに関わる角崎洋平准教授と久保隆志助教からそれぞれの行政機関の役割や予算規模の違いについての説明があり、学生たちは、愛知県、東海市、美浜町のどの自治体の課題に関わりたいか、グループ分けのための希望調査に回答しました。
参加した学生からは、「たくさんの公務員の方が関わりこういった機会があるので有意義な時間をすごせるようにがんばって取り組んでいきたい」と意気込みが聞かれました。
次回は、5月30日に活動が予定されています。
 

【半田】ふくしフィールドワーク実践「一人の暮らしを皆で支える地域包括ケア」

2月20日(水)~22日(金)の3日間、クラシティを拠点としてふくしフィールドワーク実践(半田)が開催されました。

ふくしフィールドワーク実践(半田)は地域課題解決に求められる多職種・多分野連携のあり方、その中での地域の各主体の役割などを学ぶことを目的に実施されたもので、社会福祉学部・健康科学部(情報工学)・看護学部の学生16名が「連携」して半田市での課題を検討することができました。

課題の事例検討については、半田市社会福祉協議会、半田市障がい者相談支援センター、半田市在住の杉江徳長さんの協力により実施されました。地域特性や対象者の理解をすすめる上で、半田市社会福祉協議会や半田市障がい者相談支援センターの福祉専門職の知見が、学生の学びを深めるうえで大切な存在となりました。

学生達は、杉江さんが在住する半田市のエリアのフィールドワークを行う中で、障がいがある方の「生活」がどのように成り立っているか、地域で生活をする上での課題は何か、解決するためには何が必要なのか等、当事者の方と語り合うことで講義の理解をより深めることができました。


また、今回のプログラムから、参加学生はそれぞれの学部の学びを学生同士が横断的に共有・活用することで、一人の障がいがある者の「生活」を、多職種連携を意識した課題解決に具体的に取り組み、最終日には半田市に潜在化している課題の解決方法の提案について、以下の4提案を行いました。

<学生の提案>

  1. 半田市民病院移転による駅周辺の人々の交通手段
  2. 肢体不自由児がいる家族の介護負担軽減に向けて
  3. 気管切開のある子供が通える保育園~半田市の事例を活かして~
  4. 医療ケア児が住み慣れた地域で暮らしていくためには~医療ケア児の家族が地域で暮らしていきたいと思える支援へ~

参加学生からは、本講義に参加したことで良い学びになったことの声が多く聞かれ、これから数年後に迎える就職後に向けて、より課題や目標が明確になったことと思います。

中部圏COC事業採択校「学生交流会」で報告しました。


日本福祉大学は、平成27年度より文部科学省「地(知)の拠点整備(大学COC)事業」の採択を受けて、「持続可能な『ふくし社会』の養成を担う『ふくし・マイスター』の養成」に取り組んでいます。同じように、中部地区には、「大学COC事業」に採択され、地域社会と連携をしながら、教育・研究・社会貢献に取り組んでいる大学があります。
2019年3月1日(金)、岐阜大学と金沢工業大学が共催で、平成30年度中部地区COC事業採択校「学生交流会」が岐阜市のぎふメディアコスモスにて開催されました。本学の他、岐阜大学、金沢工業大学、皇学館大学、信州大学、中部大学、富山県立大学、名古屋学院大学、福井大学、三重大学、香川大学(特別参加)の11校から学生代表が参加をして、それぞれの地域で取り組んできた学習や研究について、互いに報告をしあいました。

1部では、ぎふメディアコスモスの「みんなのホール」で、各大学の代表者から事例報告がありました。本学からは、全学教育センター主催「ふくしAWARD」で大賞に選ばれた社会福祉学部医療専修1年の学生グループが報告を行いました。社会福祉学部1年次に行われた知多半島のフィールドワークで児童養護施設を訪れ、それをきっかけに自らゼミ活動の延長で夏休みを利用して2泊3日のボランティア体験を行いました。その経験を踏まえて、「子どもの自立とは」というテーマで研究報告を行いました。

Ⅱ部のポスターセッションでは、他大学の学生や教職員と活動内容を通して交流を行いました。参加した学生は、報告前には緊張をしてグループ間でもあまり会話がなかったメンバーでしたが、ポスターセッションでは、他大学の学生と積極的に交流を楽しんでいました。

COC事業の教育を担当している全学教育センター地域連携教育部門担当で、参加グループの学生が所属していたゼミナールの担当教員でもある佐藤大介全学教育センター助教は、「今回で5回目の交流会であるがいずれの会も日頃他行との交流の少ない本学の学生には、他大学の学生との交流は大変刺激を受ける機会になっている。本学の学生の報告の特徴としては、地域社会でのしっかりとした”経験”があるため、1年生であってもしっかりと自分の考えをもって報告できていたのが印象的だった」と、ゼミ生の成長した姿ににっこりと笑顔で話してくれました。
このような機会をつくってくださった岐阜大学地域協学センターと金沢工業大学の教職員のみなさまに感謝いたします。
関連ぺージ
学園ホームページ「ふくしAWARDを開催しました」
ふくし・マイスターホームページ
COCブログ「COC事業成果報告フォーラムを開催しました」

【美浜】ふくしフィールドワーク実践「㋯んなで㋩っしんする㋮ちづくり」

2月16日(土)から18日(月)全学教育センター開講科目の「ふくしフィールドワーク実践(美浜)」(担当:植田真帆スポーツ科学センター助教)が開講されました。この科目は、文部科学省「 地(知)の拠点整備事業(大学COC事業)」に採択された取り組みで、知多半島の市町の地域課題の解決に向けて、学部横断的に多職種・多分野連携のあり方を学ぶことを目的としています。
美浜キャンパスでは、社会福祉学部、子ども発達学部の学生が参加し、「ふくしスポーツを核にした地域の関係づくり―異年齢間の交流を通じて―」をテーマに、美浜町民を対象としたスポーツやレクリエーションでの交流を通して、地域のつながりを深めることができるプログラムの企画・準備・運営を行いました。

本科目の導入講義が1月12日(土)に学生(社会福祉学部、子ども発達学部)とみはまスポーツクラブ ボッチャサークルのメンバー、南知多ビーチランドの職員が参加し、オリエンテーションが行われ、グループワークやボッチャ体験を通じて地域の方と交流をしながら、2月17日に実施するイベントの打合せを行いました。

2月16日(土)は、美浜町スポーツ推進委員会が主催するカローリング大会に参加し、準備や受付も一緒に行いました。カローリングとは、氷上のカーリングをフロアに置き換えたスポーツです。「誰もが気軽にできるカローリングを通じて美浜町を元気にしたい!」というスポーツ推進委員さんの熱い思いを形にした第1回大会は、学生含め約50名が参加し、楽しみました。学生は「はじめてやるスポーツで、ルールも難しかった。点数は取れなかったけど、楽しかったし、子どもからお年寄りまで楽しめるスポーツだと思った。」と感想を話しました。
 
その後、翌日の南知多おもちゃ王国の共催で開催する「おやこでランRUNスクール」イベント準備を行い、2月17日の当日を迎えました。
その様子はコチラ↓の写真をクリック
2月18日のふりかえり講義では、「第1回カローリング大会」と「おやこでランRUNスクール」の2つのイベントの企画・運営を通して、自分たちが感じた美浜町の地域の良さ・強み、経験からの学び、そして課題について話し合いを行いました。全員が「準備の大切さや行動すること、他者との協力することの重要性を感じた」と話しました。
 
そして今回、地域課題の解決に向けて、学部横断的に多職種・多分野連携のあり方を学ぶ取り組みとして、各専攻を活かした役割分担ができ、参加者に支えられイベントを成功させることができました。参加した学生は、「実際に地域の方と関わって、高齢者が元気で、みなさん温かい人だと感じた。地域住民が地域の人のために一生懸命動いていることが分かった。もっと団体同士の横の繋がりができたら、さらに良くなるのではないかと思う」と感想を話しました。
また植田助教は、「地域コミュニティを活性化するためには、いろんな分野の人と人が繋がり、地域の中にある資源(人材や施設等)を発見し、それを活かす取り組みが必要である。今回の講義では“スポーツ”をキーワードに地域を知り、調べ、関わり、“具体的に動く”ことで学びを深めてきた。スポーツは、年齢や性別、障がいや国籍を問わず多様な人々の交流を深めることが可能である。今回の経験を通して、地域の繋がりをさらに広げ深める“結ぶ力”を培うきっかけにしてほしい」と学生への期待を話しました。