2016年1月7日(木)17:00~東海キャンパス4階のALL(Active Learning Laboratory)教室において、全学教育センター主催による全学FDフォーラムが開催され、二木立学長をはじめ他学部から教職員が参加をしました。今回のテーマは、「アクティブラーニング」であり、本学の社会福祉学部と社会福祉学部で取り組んでいる「地域研究プロジェクト」(PBL(Project-Based Learning)の手法を用いて地域課題の解決を目指す学習プロジェクト)の2つの事例が報告されました。プログラムは、二部構成になっており、その後、グループに分かれて、アクティブラーニングの意義や課題と対応につい検討を行いました。
遠藤准教授からは、東海キャンパスが位置する東海市の中心市街地をフィールドに行われている「東海市デジタル生活マッププロジェクト」における取り組みが紹介されました。このプロジェクトは、また東海市にある星城大学のあるゼミとも合同で行われています。今年度からプロジェクトを担当するにあたり、試行錯誤の中でプロジェクト科目を実施してきた葛藤や、思いもよらない学生の成果がでてきた喜びが話されました。先生の取り組みの中で印象的だったのが、「限られた期間の中で実現可能な目標を学生と一緒に設定すること」「目標に到達するために期間を区切って小さな課題にして学生に取り組みを実施させた」「共通の情報共有ツールを決め積極的に活用をした」など、工夫した点が話されました。一方で、「教員が計画をしたため学生にプロジェクトのスケジュールを計画させる機会を奪ってしまった」など、関心だけでなく、学生の”主体性”をどこまで引き出せるかといった点についても示唆いただいた。
今年度より赴任された藤井教授からは、前任の佐久総合病院で医師として地域医療について実践されてきた経験から「地域包括ケアにおける多職種連携」について学ぶプロジェクトを立ち上げ、学生の主体性にシラバスの内容を委ねることに対しての教員としての1つの科目の中で「学習」と「教育」との間のジレンマについて切実な話しがされました。また、大学として「アクティブ・ラーニングを実施する環境(教室)の確保の必要性」、「地域をフィールドにするにあたり交通費等を支援する体制の確立」など、環境面の整備について示唆をいただきました。
この日は、教員の口から伝えるだけでなく実際にプロジェクトの学生が講義の中で考案した「多職種連携ゲーム」を、学生自身がロールプレイして教員に見せたことで、学びの成果を目に見えるカタチで分かちあうことができました。質疑応答の中で、学生に対して「何を一番学だか?」という質問が出ると、学生からは、「先生からいろんなことを任せてもらえたので、自分たちなりにやっていくなかで、(自分自身に対して)自信をもつことができた。先生には、このような機会を与えていただき感謝している。」と回答していました。
その後行われたグループディスカッションでは、5つのグループとも活発な議論が行われて、全体共有では、「2つの具体的な事例をもとに色々なバックグラウンドを持った教職員が集まり議論したことで、この場に参加した人同士の相互作用が起こって大変素晴らしい学習の場になったと思う」といったフィードバックが行われました。
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