全学教育センターでは、文部科学省 地(知)の拠点整備事業の採択を受けたCOC事業「持続可能な「ふくし社会」を担う「ふくし・マイスター」の養成」の取組の一環として、各キャンパスにおいて「ふくし・マイスター」養成に係る啓発促進と、地域課題の解決に向けた事例共有の場として「COC・DAY」を開催し、学部と全学教育センターによる地域連携教育推進の一助となるよう、地域関係者・教職員・学生が協働した取組を展開しています。
2016年12月3日(土)には、東海キャンパスにおける「COC・DAY」として、「まちを使いこなすことから、まちを育む」というテーマで、地域関係者を招いたシンポジウムが開催され、全学教育センターオンデマンド科目「知多半島のふくし」(担当:全学教育センター佐藤大介助教)の受講生並びに一般参加者の約60人が参加しました。
シンポジウムでは、まずコーディネータを務める国際福祉開発学部吉村輝彦教授から、テーマについての問題提起が行われたあと、東海市企画部企画政策課の芦原伸幸氏から、市の成り立ちや、まちの特徴に加え、リニア新幹線開通を視野に入れた将来に向けたまちづくりの課題についてお話しいただきました。次に、株式会社まちづくり東海の早川成香氏からは、太田川駅周辺地域の活性化の具体的な取り組みを例に挙げて紹介をいただきました。その中で、イベントのような一過性の取り組みを行うだけでなく、活性化の担い手育成をしながら持続的にまちを活用してもらうようなチャレンジの場を、これから積極的に取り組んでいきたいと話がされました。
(地域関係者を招いたシンポジウムとパネルディスカッション)
パネルディスカッションでは、自らボランティアサークル「シンポsium」を立ち上げて、学生による地域貢献活動を実践する国際福祉開発学部4年生の高橋康佑氏からは、週に4回のごみ拾いから始めた活動が、地域の人とのつながりを生み出し、人の輪が広がったことでたくさんの活動に結び付いていった事例が紹介されました。仲間と一緒に取り組む中で、「メンバーの中でリーダーシップを発揮してアクションを起こす人材が増えた」という話がされました。また、市民活動センターの運営を受託するNPO法人まち・ネット・みんなの広場の加藤龍子氏からは、「東海市は、チャレンジする学生を応援する人がたくさんいるので、どんどんつながって、高橋さんのような学生が出てきてほしい」とエールが送られました。
(パネルディスカッションで取り組みを話す高橋康佑氏氏)
最後に、東海キャンパスの上田和宏副学長は、「東海市は、全国的にみても財政的に恵まれた自治体であると思うが、それに甘んじることなく、将来に向けてまちの担い手に、まちづくりの成功の体験を与えるような機会提供が進んでいる」と、学生にとっては非常にいい学びの環境があると、総評をされました。
午後からは、「太田川駅周辺地区で何をする!?~『こうあって欲しい』から『私たちはこうする』へ」というテーマで、ワークショップが開催され、学部の垣根を越えた活発な議論が展開されました。地域関係者からは、「学生のアイディアの中には、ぜひ市でも取り入れていきたいものもいくつかあった」「学生など様々な人が活躍できる制度的環境を整えていきたい」とコメントがあるなど、地域と大学との交流の一日となっていました。
COC・DAYは、2017年1月25日(水)美浜キャンパスで、2017年1月26日(木)半田キャンパスでも開催されます。詳しくは、関連リンク(COC・DAY開催案内)をご覧ください。
◆関連記事リンク
・COC・DAY開催案内
http://www.n-fukushi.ac.jp/news/16/161128/16112801.html
・日本福祉大学「ふくし・マイスター」ページ
https://www.n-fukushi.ac.jp/coc/
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【Cラボ東海】知多市の農園で農業体験をしてきました!
こんにちは。
国際福祉開発学部2年の町野紗希衣です。
2016年10月25日、知多市の竹内農園へ体験に行かせていただきました。Cラボ東海の竹内地域連携コーディネータの紹介で知り合い、今回の経緯へと至りましたが、チャレンジしてみてすごく楽しい時間を過ごすことができました。平日だったため、授業の兼ね合いもあり、午前中のみの体験でしたが、農園を経営する竹内さん夫婦は、快く私を受け入れ、教えてくださいました。
実際には玉ねぎの子どもを植える作業をしました。玉ねぎは種から育つことを初めて知り、植えた玉ねぎを収穫できるのは1月中旬だということで、とても楽しみです。収穫の手伝いにも、ぜひ行きたいと思っています。竹内農園さんでは年間を通して、約80種の野菜を育てていて、普段自分では買わないような野菜も食べさえてもらうことができて幸せでした。
2016年夏に、COC+の星野 就業支援コーディネータから「ワーキングホリデーin飛騨高山」のお話を聞き、取り組みに参加してから農業に興味を持ち、2年生後期からの授業やイベントにも積極的に参加してきました。農家体験に行くのは、高山から帰ってきて竹内農園が初めてでしたが、野菜や土をいじることは幸せな気分になるとともに、経験を通じて農家さんとの交流ができるのがとても嬉しいです。
最近は農業と共に、「まちづくり」にも興味を持っています。人とコミュニケーションをとるのが苦手な自分ですが、よりよく住むためのまちを考えるうえで、様々なイベントに参加してきました。将来は農業と「まちづくり」をつなげて、自分にしかできないような取組を行っていきたいと思います。
【コミュニティ・ラウンジ】第2回 東海ハングアウト を開催しました!
地域と大学、若者と大人‐違いを超えて、参加者がざっくばらんに話をする場である東海ハングアウト。
「たまり場」を意味するタイトルは、集まった人たちが一緒の時間を共有することで、普段は話さないようなことを語り合える…そんな場にしたいという想いが込められています。
第2回となった7月20日は、経済学部で「芸術創造」を担当している坂倉 守先生が「身近な異文化」をテーマに話題提供。ご自身の活動である町並みを活用したアートイベント「常滑フィールドトリップ」(http://www.tokoname-fieldtrip.jp/)で出版される冊子「とこなめ物語」での取り組みを通して考えました。
「身近な異文化に気づく」ということ
地域ににぎわいを創ろうと、観光で街を盛り上げることが取りざたされているけれど、分かりやすくコーティングされた観光イメージの皮をめくってみると、そこには地元の人々の地域に根ざした生き方があり、文化がある。虚飾に彩られた観光イメージの奥に一歩足を踏み入れると、その町に長く暮らして来た無名の人々の姿や語る言葉を通して、人が生きて来たなかに静かに輝くものが見えてくる。そこには、メディア社会に生きる私たち現代人にとって、地域社会という「異文化」が広がっていることに気づかされる。
そんな坂倉先生の問いかけに応えるように、愛知淑徳大学4年生のキヨさんが自身の「身近な異文化」との出会いを語りました。常滑で生まれ育ったキヨさんは、虫供養や万歳など、子どもの頃から地域の伝統行事に参加していました。子どもの頃は「伝承しろ」と言われても、その意義が分からず大嫌いなイベントだったそうです。
卒業制作で自分の生まれ育った地域のことを題材に取り上げ、祖父に話を聞いたり資料を調べたりすることを通して地域の歴史風土や風習の成り立ちについて知り、これまで気づくこと無くずっと触れ合ってきた“地域文化”に、まるで初めて出会ったかのような衝撃をうけます。これまで受け継がれてきた文化が、そのストーリーやつながりを含んで伝承された時、初めて“自分たちの文化”になる…それまで「誰かの文化」だったものが、「自分の文化」になった時の衝撃がまさに異文化体験だったというお話は、とても刺激的でした。
この興味深い話題提供を受けて、参加した11名がグループに分かれてざっくばらんに語りました。表象的なものから内面的なものまで、まとめきれないぐらい様々な意見が出てきました。
特に印象に残ったのは、キャンパス間の文化的差異についての意見が出たことです。4年生の参加者は、2年間過ごした美浜キャンパスと昨年度オープンした東海キャンパスの文化の違いをとりあげました。自然があり、付属高校があり、人数が多い分ダイバーシティ(多様性)も見えやすく、美浜という地域のフィールドがあった美浜キャンパスと、真新しく完全バリアフリーで地域とのつながりもまだ浅い東海キャンパス。新しく形成されつつある環境の中で、どのように「ふくし」を学ぶ文化を創っていくのか…
「身近な異文化」というテーマをきっかけに、色々なことを考えた東海ハングアウトでした。
COCサイト
国際福祉開発学部部
経済学部
【国際福祉開発学部】基礎演習Ⅰ合同報告会の成果をプレゼンテーション
7月20日(水)の「基礎演習Ⅰ」の授業内で、1年生による合同報告会が開催されました。影戸クラス、張クラス、吉村クラスの3クラス合同で行われ、グループごとに決めたテーマについてプレゼンテーションが行われていました。多彩な報告テーマは、韓国の格差問題についてや日本福祉大学の生活協同組合について、太田川駅の昔と今について等、グループの話し合いの中で決められたれたそうです。
学生の報告は、調べてきた内容もさることながらどの報告もグループごとに創意工夫がなされていて、伝えるという視点がしっかりあり、聴いていてとても楽しかったです。
影戸誠教授は、「今回みなさんは、大きなチャレンジをした。それは、プレゼンテーションの中で集めた情報を集めて纏めて、自分たちなりの意味を構成したこと。」と学生のこれまでの取り組みに意味づけを行われていました。
張淑梅教授は、「ふりかえってみて、(プレゼンテーションの中に)ユーモア、サプライズがあったかどうか。このことを組み込むとプレゼンテーション力をさらに高くできる。積極的にチームに参加をしてコミュニ手ケーション能力を磨いていってほしい。」とエールを送っていました。
吉村輝彦教授は、「『知ること』からさらに発展させていくことが大学での学び。これから注目してほしいのは、東海市、知多半島、海外、コミュニティも含めてそうだが、『地域』という視点。せっかく東海キャンパスで4年間過ごすのであれば、東海市について学びを深めてほしい。」と、成果報告を総括されていました。
※国際福祉開発学部の基礎演習Ⅰは、「ふくしコミュニティプログラム」実施科目となっています。
COCサイト
【国際:観光英語】東海市の観光資源を英語でまとめよう!
月曜日の1限は、国際福祉開発学部の地域志向科目「観光英語」が行われています。5月中に見学した、東海芸術劇場や大宮神社といった東海市内の観光資源をまとめ、最終的に英語で観光案内をするという狙いがあります。
本日6月6日は、第1案を英語で作ってみて、発表をする回でした。学生たちは、大田まつりの山車が競い合うポイントや、神社でのマナー、お茶の作法や祭りの起源まで、自分たちが興味を持った様々な内容を発表し合いました。
大田まつり保存会の方々が特別に見せてくれた「からくり人形」の裏側や、大宮神社で説明を受けたお清めの仕方、東海市の新しい観光資源となりつつある芸術劇場など、学生たちの目のつけどころは本当に面白いです!
学生たちはそれぞれの発表の後に、山田先生からアドバイスを受け、英語の観光案内をブラッシュアップしていきます。柔らかい言葉かけや、失礼にならない言い回しなど、通訳案内士としての目線で適格なアドバイスをしてくださる先生。オーディエンスが期待するのは、案内士自身の言葉ーパーソナルな体験を一言添えることで、より魅力的な観光案内ができるそうです。
みなさんの最後の発表が楽しみです!ぜひ協力してくださった地域の方にも見に来てもらいたいですね♪
【地域志向科目】「現代福祉」〜福祉×アート〜
今日のキーワードの「アール・ブリュット」は、「生の芸術」「加工されていない芸術」という意味です。
20世紀の芸術は、芸術家と呼ばれる人が芸術活動を行い、芸術のための芸術であったが、21世紀に入り、障害をもった人でも、犯罪を犯した人でも、表現したものを展示をする取り組みが見つめなおされて、2000年を越えたあたりから各地でおこってきたそうです。例えば、広島の鞆の津ミュージアムや京都府亀岡市のみずのき美術館があるそうです。来年、2016年には、愛知県で「第16回障害者芸術・文化祭」も開催されることが決定されたそうです。
今泉さんからは、「人はだれでも、表現する文化を必要とする」とメッセージを届けてもらいました。人が豊かに暮らしていくために、表現することは必要なことであり、表現することを受け入れる社会があるからこそそれが実現できると考えると、私たちは「表現する」ことの意味をもっと深く考える必要があるのかもしれません。今日は、「アート×福祉」で私たちの暮らしを見つめる視点をまなびました。
【地域志向科目】「現代福祉」〜いきいき元気推進事業の取り組み〜
2015年5月26日(火)4限の「現代福祉」(担当:吉村輝彦先生)に、ゲスト講義として、東海市役所の健康推進課いきいき元気推進担当の天木大祐統括主任がきてくださいました。
東海市では、男性の平均寿命が愛知県の他の自治体よりも低いという問題に対して、いわゆる縦割り行政ではなく、さまざまな関係課が横断的に連携をしながら取り組みを展開しています。
平成24年10月より、東海市健康応援ステーションを立ち上げ、「市民が主体的に健康づくりに取り組みやすい生活環境の整備」にとりくんできました。面白いのが、運動や食事だけでなく、お医者さんともつながることで、今ある社会資源をつなぎ合わせ効果的な解決を目指している点です。また、市役所の中だけでなく、若い男性の多くが働く企業にも働きかけを行っています。
では、どうしてこのような横断的な取り組みが実現したのでしょう。それは、ポジティブ・アプローチというあるべき状態から考える手法を用いたワークショップをいろいろな課のスタッフを交えて重ねてきたそうです。
この日の講義では、そのワークショップを体験して、自分のあるべき姿と、そうでない姿を出して、そのギャップを理解したうえで、最後は宣言をし合いました。
天木さんは、始まりから終わりまで、笑顔で楽しく授業を展開してくださり、学生は楽しそうに授業を受けていました。天木さん、どうもありがとうございました。
【課外活動】美浜町 host family 英会話
シンガポールから訪問する小学生をホストファミリーとして受け入れる15家庭に英会話レッスンを行いました。
関連記事:国際福祉開発学部News & Topics
小学校での国際交流(打ち合わせ)
【地域志向科目】「現代福祉」〜国境を越えて考える「福祉開発」入門
東海キャンパス火曜日4限、「現代福祉」(担当:吉村輝彦国際福祉開発学部教授)の講義が行われています。
「現代福祉」は、「日本や多くの国々に共通する福祉的問題とそれに対する現代的アプローチについての入門講義」です。この講義の一番の特徴は、各分野の第一線で活躍する他学部の教員や学外の活動家・専門化もふくめたリレー講義になっていることです。これらの先生方からのレクチャーによって、「現代世界における「福祉」領域の広がりを、とくに「ふくし」や「福祉開発」の視点から概観」することができます。
吉村先生は、「既存の福祉制度の利用だけでなく、だれもがふくしを向上されることができる仕組みそのものを築くところまで視野に入れるのが「福祉開発」です」と、初回講義で、レクチャーを行いました。
この講義は、国際福祉開発学部の1年生から4年生、経済学部の1年生から4年生と、一部地域の方も参加する講義になっており、多様な参加者の多様な質問によって、さらに「現代福祉」に対する理解が深まることが望まれています。
この講義を通した学習の目標は、次の4つです。
・ 伝統的な「福祉」や「開発」の概念とともに、さらに広い「ふくし」や「福祉開発」の考え方を身に着けることができる。
・ 地域をベースにした様々な取組から自分ごとの「ふくし」の考え方を身につけることができる。
・ 「ふくし」の実現に向けて、地域をベースに、”自ら考え”行動するきっかけにしていくことができる。
・ 日本から多くの途上国世界を、また、途上国から日本を見る視点を身に着けることができる。
リレー講義にきてくださる講師の先生方は、大変魅力的な人ばかりです。講義の様子は、定期的に発信していきますので、是非いっしょに、「現代福祉」の考えを”境界を越えて”考えていきたいと思います。